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2006年4月6日(木)

 「人生で一度のチャンスかも」
弊社のオークションにはここ数回、エラー物が連続して出ています。特に現行切手の無目打・色抜けは発表されているものがほぼ網羅できそうな勢いです。その関連の裏ネタはさておいて、3月10日のロンドンのオークションでグレードの高い琉球のエラーが並んでました。元の所有者はアメリカ人で、「だちびん」4円の9C逆刷、ハワイの加刷漏れ、米貨暫定1/2Cの完全無目打ペア・・・。
同じような並びが去年のマイケル・ロジャースにも出ましたが、その際は何故かソソラレズ、完全にパスしてしまってました。参考値は今回の方が安いし、出場所が「まともにメールを入れると怖い」アントン・マリオ・トーレスのメール限定のオークションというのが面白いのです。ノーリスクの駄目元の安いビッドでは負けるでしょう。でも目一杯に入れてその値段で落とされるのも又怖い。この条件をクリアするのがプロなので、何人かに手配してテレホンビッドを受けて貰えるようになりました。直では無理なので、然るべき代理人を使ってます。終って翌日にFAXが来てました。彼女(Jean)曰く、おめでとう、珍しく一杯買ったわね、ハナマル付きのレポートでした。ロンドンでしかもポンドでないUS$のセールというのが素敵なのです。
マリオのカタログは数だけは随分出てますから、極端には安くは落ちないけど、所詮はリスキーなメールセールなのは皆知っているので、滅茶高くもなりません。だから私が誰かの上でOKと、落とす気で入れたものはきっちり納得の値段で買えてます。100円加刷とかは転売値段なので負けました。
買えたエラーの中でも、希少度以上に気に入ったのが2点有って、「だちびん」と「マイクロ」の逆加刷が何れも耳付きだったこと。9C/4円は下1列の10枚が見つかっており、当然・必然下耳付き、型録値100万円、銘版でないのが残念だけど、それを望むのは無理でしょう。
マイクロは多分2シート出ているはず。となると安く買って・高く売るという商売抜きでいじってみたいのがPos8の「1の字逆」の逆加刷、4X5=20面の逆さなので、上から2段の右端がひっくり返れば、下から2段の左端=Pos13に来るのです。左の耳が必要です。単なる逆加刷は今までに何枚か扱っていて、相場は10万円、でも逆で逆は狙っていても、そのチャンスは無かったのです。画像と共に記事を載せておきましょう。私なら書き得ない「情のこもった」ディスクライブです。
オークションの記事の表現テクニックとしては「だちびんが10枚有って$10000、逆の逆は2枚の存在だからそれ以上に珍しい・・・」。この比較論は私は絶対に使えません。でも最後の1行が気に入って、「たぶん人生で一度の機会かも・・」。うまい表現です。そしてそのチャンスを6月4日には貴方にもお届け出来るのです。最低値も原価+僅かで出して見ましょうか。表現は見えてる事実しか書きませんので、買える人が的確に評価して欲し

2006年3月31日(金)

「CENZAN」
今進行中のスイスのオークションに何点かソソラレルものが出ています。連合葉書にU小判1銭貼りの20ミリCENZAN、鳥12銭ハ+旧小判30銭他貼、鳥12銭+15銭他貼等々。物は良いし、もしかしたら日本で売るより高いかも知れません。もし、出場所がライバルの少ないであろう、ベルギーやールウェイ、或いはギリシャか南アフリカなら、興奮して即飛行機を手配していたかも知れません。

でも、今回の場合、誰もが知っているし、情報が見落とされる可能性は有り得ません。実はこの品物は随分前からコピーを貰っていて、完全に弊社のセールに出るはずの物でした。切手展には出してませんが知る人ぞ知る、スイスのコレクターの品物です。体調を崩して収集を止め、売りに入って、毎回かなりのレベルのものが我が社に来てました。韓国の太極と菊のコンビネーションの新聞帯封とか、沿革志、高額5円・10円の田型とか。だから続きのものもと、期待していたのですが、不帰の人になり、いつしか途切れてしまいました。海外取引の場合、ご本人しか付き合いが無く、切れればそれまで良くある話なので、所詮縁が無かったのでしょう。
それに、今となっては、メジャーなオークションに出されて、コレクターもビッドするであろうカバーを無理やり跳ね除けて買うつもりも有りません。鞘を乗せての転売が出来るものでは無いのです。
だから結論的には、今回はパス。引き続いてやって来る別口に力を残すようにいたします。アルバム物等中身の情報も無い、気になるものも有りますが、これは下見しないと絶対無理、フランスとドイツの中国人が組合型録片手に、100円単位まで丹念に計算するのです。落ちたら嵌るこの手のロット、何方かブラインドビッドで落とす度胸が有りますか?因みに、今回のセールでも、旧知のエージェントは当然出席しますから、代行ご希望でしたら連絡して下さい。取次ぎは致します。

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2006年3月28日(火)

 「強靭紙」
今日、出社したら予想通りに、エージェントからのレポートがFAXで入ってました。
我々には常識ですし、欧州のブローカーの巡業の流れに入っている、西欧と北欧の3月25日のオークションセールの結果です。両方とも、しっかりしたオークションハウスですし、20年を軸に見れば、「3銭薄紙 右上コーナー 外郵十字」とか、「支那字入り分銅往復右書き 返信未使用付着の実逓使用」「8+8連合 使用済」とかも出てますが、それはレア・ケース、昨今は殆ど買うものもなく、日本の一般収集家では、まず落とす事を前提にしての、カタログすら受取っている人は少ないでしょう。
私とて今は、隅から隅まで丹念には読んでませんが、パラパラめくりで「JAPAN]の写真ぐらいは眺めます。一件は、オークションの1ページにぎっしりと竜が蠢いてました。左列が偽物で右列が本物、そこそこ、きっちりした分類でした。桜も小判も有るのです。でも、ボリュームが大きくて、古くて分厚いアルバム4冊、「JAPAN・CHINA」だけでなく、全世界、英領やイタリアも強いとか。参考値がEUR1万、写真に出てる「JAPAN・CHINA」を梃子にして、外国など落ちたらどうするのの怖さも怖さも有るけど、ゼロの評価では勝てません。結構リスキーな値段を入れたけど、結果と見れば随分差がある落ち値です。300万円で入れたけど、掠りもしてません。
全世界のクラシックのアキュムレーションは、「JAPAN」のウエートが7~8割ないと、絶対に勝てません。仮に2番札になったとしても、落とした人は「リング」で談合のグループなので、あと一人がいなければ、次は自分の番になる、ということでは有りません。実際に下見できた場合でも結果は同じ、ヒネリものが入っていて、その1点で全部が買えるぐらいでないと、ミックスロットは端から勝負になりません。まして、メールでのブラインドビッドなど、何の影響もないのです。
「JAPAN]単独なら違います。下見して、電卓を叩くと強みが出る場合が多いのは事実です。でも、条件次第では、こちらにいても勝負が出来ることも有るのです。今回の、小さい型録のカラー写真は正にそれ。存在確率と売れる値段を秤に掛けると、一番美味しい掘り出しネタと言えるのです。

竜5銭の未使用で、「猿でも分かる強靭紙」。使用済みの分厚い無地紙とは異質です。ただコレは半銭2版の硬い紙の「消去法的強靭紙」みたいな無理やり分類でなく、いくつかのポイントでポジティブに扱えるものなのです。色・毛羽立ち・紙質・弾性など、「竜5銭・未使用・強靭紙」は例外なくこのものです。
今までにも結構縁が有るし、狙い目なので4枚は見つけてます。写真で分かる通り、オモテズラはVF。ただどう見ても、真ん中当たりのヘゲかキズが気になって、中途半端な評価しか出来ませんでした。元よりこのロットは1871~1977のライトハウス2冊入りのコレクション、写真の5枚以上の情報は持ってません。だから直感で、有る物と無いものを頭の中で踏むのです。参考値は安いのですが、1種1枚的な物なのでそんなには厚みは有りません。ライバルは「強靭紙」が見える日本人だけ。追加の情報も条件は同じはず。残ったものの踏みも大きい差は出ないはず。結局、強靭紙を見える人がビッドするかと、写真で見て分かるキズをどう処理するかがポイントです。一人が見てなければ、参考値の少し上で落ちるはず、でもそれは甘いでしょう。見つけられるか否かでなく、型録を取っているか否かだけがポイントなのですから。だから参考値の4倍入れても、一声負けると読みました。それ以上入れて、大キズならそれもまた辛いし。
結果?こんなケースでは、読みが外れることは無いのです。だから有る意味では安心もするし、物凄く満足し

2006年3月22日(水)

「国内航空」
今回のオークション、菊の郵便史関係とコンパウンドを含む目打ものは、予定通りで予想以上の高値でした。でも、メールの下支えを跳ね除けた、場での厚みのある競りなので同じようなものが、もし次回に出ても、似たような結果になるでしょう。エアー・ポケット的な「抜け」は発生しにくい分野です。物の数よりも、欲しい人の数が勝っているし、誰もが要るものを得ようとすると、かなりの出血を余儀なくされてしまいます。
同じく随分競ったものでも、全く意味が違うことも起こります。
Lot 2411 ゼロ付塔15円貼開封便国内航空第1便 麻布26・10・25→博多 制度的には9日間(実質8日間)料金の第4種実逓 最低35000→スタート105000→220000 8名
Lot2412 ゼロ付塔航空貼第2種葉書 ルックス良好 値上げ後 福岡26・11・5→渋谷 最低70000→スタート300000→700000 7名
2点とも、ある意味では著名な収集家宛の郵趣家便ですが、見たところ「ケバさ」がないので人気を呼ぶことが予想出来ました。裏話をするならば、この2点の前所有者は最近長年収集されたコレクションを処分にかかっており、一部では業者を通して、話題になるものも放出されています。ところがこの2点は、真っ当な切手のルートでなく、本か紙の市に流れていたものでした。察するに、自分宛のカバーは、記念印の郵来戻しや、シミが出てきたFDCと同じく全く価値が無いと思って、トラック一杯の本やら、なのやらと一緒に処分されたのでしょう。その後どのように流れて、我が社のセールに来たかというストーリーはさて置いて、「値段の意味」を分析いたしましょう。
2点並べても、最低値・スタート値・落札値と綺麗に正比例しての競りになりました。物の珍しさをプラスと見て、受取人の名前をマイナス評価して、先の物が10万、あとが20万位というのが私の読みですが、いずれも遙かに立派な値段になってます。メールのトップは「航空郵趣」をテーマにして切手展に出すことが%

2006年3月1日(水)

【一周年記念・ミステリー大感謝祭】のご案内

一度入れば抜けられない、絆が強いギルドです。メンバーは毎回微妙に増殖中、売りものの準備も上手に出来るようになってます。考え方が柔軟なので、物を売ったり、知識で勝負したり、身の丈相応に働いてます。覗いてくれれば空振りはないでしょう。

「アさん」 第1回から参加です。当然の如く皆勤です。自称記念の専門家、今回は買い物とのバランスで、戦後物の処分の覚悟を決めました。消印単片・カバーなどを、「エイや!」の値段で売りましょう。

「イさん」 昨年のJAPEXでの衝撃デビュー以来、各方面で収集も販売も精力的に活動中。ネタをばらせば、「あ!」彼が、と思う人が多いはず。売りも買いも整合性が取れており、分かりやすい行動パターになるのです。売り物は幅広く、古いものから現行まで、並みの業者よりは勢いが有るのです。お客の加減では新規商品が飛び出るかも?

「ウさん」 売りが最も上達したのがこの人です。極上の仕入ルートでも有るのでしょう。専門分野の琉球は、はみ出たものなら気風良く売るでしょう。狙い目は彼の興味のない分野、当たれば大きいし、結構抜け目も有るはずです。

「エさん」 買いは@1万円、売りは@100円でOKです。だから余りにも売れすぎて今回は売るものが有るのでしょうか。ないならないで、知識を紙に表現した、意外な一面を見せてくれるかも。買う場合の「エクセル」を本にも流用しているので、見やすい本を作ってくれているはずです。

「オさん」片足は別のグループに入ってます。でも、今回は追い出されたので、仲間に入れてあげました。物は目方単位で有るでしょうが、公務の合間の売り物整理なので中々に捗らないないのです。でも、宿題はギリギリで仕上がれば良いのです。アドバイスを求める相手が「ズレてる」ので、幾らでも抜け目は有るはずです。元は取れているので転売可能な値付けです。でも、気づいた後は何時もボヤイテいるのですが。

「カさん」 何故か何時も情報を出しません。でも、転んでも砂を?まずには起きない人なので、今回も目当ての人が見落とさないような仕掛けを考えているはずです。今や偉くなったので、チマチマの細かい商売はやりません。さあ、何をテーマに勝負をかけてくるのでしょうか。

「キさん」 30年前から持ってるものは、そろそろ途切れて来ています。その代わり海外の仕入れのルートが出来てるので新鮮な匂いのウブネタを美味しい値付けで揃えてます。

「クさん」 何時しか面子になりました。今までは徹底した買い専門、でもブースを持つ以上は売れないと面白く有りません。だから楽しめればそれで良い、と割り切って要らない物は捨て値売り、その割り切りが出切るのです。「大阪万博」物なら、どんなものでも集めてます。ご希望のものとの交換でも良いのです。

「ケさん」 前回は公務で欠席なので今回は満を持しての参加です。日頃も夜11時には電話を架けたりしない、真面目な「教祖」様なのです。一部で熱心なファンも居る、「エンタイヤ」を中心に一杯持って来ています。

「コさん」 掛値無しのまとも組、引き続いての出店です。この前に並べていたものは、ご希望が有ったので、「切手市場」に出張中、だから今回の持参品は全てが「新商品」。値付けは分かりやすい@売りなので、お求め易くなってます。束をどんどん解いている、今しか無いものも有るはずです。

「サさん」 今回も知識を正面切って売りましょう。「重量便使用例収集―2-」(菊時代)。真面目に仕事をしたのです。生来の不器用ですが、約束は守ります。将来は必ず入手難になる当シリーズ、是非とも完集して下さい。

「シさん」 売り物はズバリ「知識」です。昨年のJAPEXワンフレーム展のLVコレクション、「速達郵便発達史1948~1954」の作品集、オールカラーで1500円、ワンフレームはかく有るべしの証左になるのです。「日本普通切手1980-1988」はCDで2000円、パソコンで見てください。あとの売り物は何時もと何にも変わってません。悪しからず。

「スさん」 信頼できるバイト君たちのブースです。もしかしたらトンでもない物も出ていたりして、でも空振りでも、それはそれ・・・。将来のお楽しみと致しましょう。

2006年2月24日(金)

「リガムの続報」
2月3日付け当欄コラム、ヤフーオークションへの岡山県・ID、c_・・・のリガムと思しき大量の出品物に関しての情報の中間報告を致します。
私の呼びかけに応じて4名様から送られた14点を、受け取った日付により2回に別けて日本郵趣連合の鑑定委員会に提示し、本日までに結論を受けました。
私が疑問を感じたものだけを鑑定依頼に出し、どう見てもオリジナルなものは鑑定料の無駄払いを避ける意味で提示はしておりません。正式に手続きを取った物のうち13点が「リガム」、1点は「リパーフ」の結論に成っており、これは私の判断とも一致しております。100%の確率で、後日何物かの悪意の手が加えられております。
和桜・洋桜・鳥・改桜・菊・田沢高額・字入り・戦前記念と脈絡無く軒並み「リガム」の判断でした。改めて該当の出品者の過去の出品物の残された画像と、手元に来た現物を付き合わせると、画像で見て、白い、ムラがある、紙が反っていると見えるものは軒並み「リガム」されております。技術的には然程習熟されてはおらず、材質の違いや、厚すぎる糊引きなどで容易に分かるものから、和紙桜などの結果的に元の糊の上に薄い糊を被せただけで、一見判断に迷い、手のひらに載せた際の紙の反りで分かる結果的に「出来の良い=本来はする意味のない」ものまで種々に渡っております。
標本から分かる傾向は、11月以降から2月にかかる、出品時期が遅くなる物ほど、又値段が高いものほどダメなものの確率が高まってます。この時期のものは、画像で見て、疑問を感じる状態の物は全て、リガムと思われた方が良いでしょう。シミを抜いて綺麗なNGにして糊を引いたものから、出品して売る際に「NH 極美」の記号にするためにお化粧をした物まで有り、目打に関しても単線で打たれている、桜・旧小判などで余りにもクリーンな物等は十分に疑ってかかる必要が有ると思われます。この人物の出品物は、表面は極めて状態が良く、ウエルセンター・見たとこ極めてフレッシュな物のみです。それ自体が本来は有り得ないし、物によっては糊の記号のNHなど何の意味も無い程の状態の物が多いことが甚だ惜しまれます。
10年近く前に、手彫~菊あたりの消印とカバーで有り得ない珍品が、最上の状態で続々出現した、特定の人物が関っていた、今は法的手続きにより消滅した、メールオークション誌を見た時の驚きを、デジャブー的に思い起こしてしまいました。住所と名前は分かっておりますが、現時点では責を負うべき人物の属性特定には至っておりません。
現在、第3弾のグループを鑑定に出しておりますが、同様の結果になると推測出来ます。既に結論を得たものは、当社から落札者の方に返送し、出品者との間で返金交渉が行なわれております。既に、一部の方は結論が出ており、落札代金・送料・鑑定費用等、全ての支払い金額が返金されており、これに関してののトラブルの発生は聞いておりません。また、返品の際も、鑑定書のコピーを送り、返金が為され、その後に現物返品の流れで、出品者も了承し実行されております。
何分にも姿を見ない、郵便だけでの遣り取りゆえに、無期限にこの扱いが継続されるかは保証の限りでは有りませんが、現状としては然るべき鑑定書が発行されたなら、出品者は非を認めて、代金と付随する費用の返金に応じているということです。事が起こった後の現在の状況を考えれば、良い結果が出ていると言えるでしょう。
ただ、現在私が連絡を受けた方は、6名のみです。ご自分で何らかの行動を起こされているなら結構なのですが、今の情報を得ても、行動を起こす勇気がなく迷っている方も多いと思われます。「リガム」でも、授業料と思うとか、綺麗で売る気もないのでトラブルが嫌、IDで固有の情報が漏れるのが拙いとかの理由で躊躇されている方も諦める必要は有りません。気に入った品物なら、リガムの判断が出れば、値引きの交渉も出来るでしょうし、私にしろ、必要以上に個別の情報を晒す必要も有りません。鑑定料は、ダメなものは先方の請求しその負担が望めますし、現物を見せてくれれば、かなりの確率で私が判断して問題の無いものは、鑑定料の無駄遣いも防ぎます。
私から、個別の該当者に、メールで呼びかけることはしませんが、心当たりがある方は是非連絡して下さい。今のペースでは、鑑定に出して、約10日で結論を貰ってます。その後の遣り取りも概ねスムースに動いてます。ヤフーなんかで「素人さん」が高いものを買うからだ、と揶揄するつもりも有りませんし、殊更にこんな事が起きるので、トラディショナルの紙メディアのオークションを利用しなさいと主張する気も有りませんが、この様なごく一部の不心得者の不行跡により、将来有望になったかもしれない、ウブい人たちが嫌気を差して、収集から手を引いてしまうことを憂うのです。
まずご連絡か、該当の出品者からの落札物を弊社宛にお送り下さい。ご希望に沿うようにお手伝いいたします。

530-8694 大阪中央郵便局私書箱807号
ジャパン・スタンプ商会     へ然るべき記録便にてお送り下さい。

2006年2月3日(金)

 「リガムの返品」
各方面からのお問い合わせを頂きながら、直接には関係がないし、殊更出しゃばりたい主義でもないので傍観していた件ですが、物証をもって経験するに至りました。終ったことばかりでなく、現実に事態が進行する中で動かざるを得なくなりました。
きっかけは、次号の出品物として送られて来た、「菊1円 未使用 NH」。一瞥しての判断に何の躊躇も有りません。「下手なリガム」、有り得ない純白な糊が平滑に引かれている。現物を手にすれば、菊のコレクターなら、誰でも同意見でしょう。121/2の時期まで年代が下がれば、ツルリンの糊も有るでしょう。でも、12で初期色では、黄味を帯びたクラック糊でないと可笑しいのです。
昨今話題のというか、気になるデータが有りました。去年の秋から出ている、「ヤフーの岡山県、IDはc・・・」の出品です。全てがNHで極美、ついでに使用済までNHの、中々のクオリティーでの出品者への評価の中で見た覚えが有ったのです。ためしに叩けば、正にドンピシャ、「こんなもの買うなよ君」が何故か、お買い上げの現物でした。このブツがリガムで有るのは100%確かです。なら、同一の出品者の別の物はどうでしょうか。
何分にも、現物を見ていないし、画像でのシェードを過信すると、勘違いも有り得ます。でも、私の経験則で判断すれば、一連の出品物にも、大きい疑問符が付くのです。手彫の数十万円クラスが一杯出ています。そして、その全てがNH・極美品、最低値はカタログ値の1掛けで、落札値はフル型前後。銘柄と状態が触れ込み通りなら、この値段でも良いのです。でも、買ってる人は、本当にウブくて擦れてない、ネットが中心での活動の、切手収集のキャリアの長くない人ばかりです。我が社のフロアに来る人や、切手展に出す人、記事を書く人は、1人を除いていないのです。もっとも、殆どの人が、私の「ヤフーの出品」の良きお客さんでも有るのですが。
物をクールに判断すれば、私でなくとも、オークションに慣れてる人は手を出しません。松田印刷和紙の高額でNH・ウエルセンター・色フレッシュは、100枚に1も無いのです。それがズラリと並ぶなら、違和感が勝ってしまって現実を受け入れるのを躊躇してしまいます。画像で見て、普通より淡い目が多いのは、出品者の書く、画像を撮った際の光線の加減というよりも、アルカリ溶剤による色褪せの方が自然です。ならば、糊は必然的に「リガム」です。
「リガム」の判断は、難しく有りません。最重要のポイントは、手彫・旧小判なら、同じ材質の糊が無いので騙しきることは出来ません。その後にしろ、ピッタリ一致は難しいし、この切手のこの目打になら、こんな糊、時代によればクラック=糊ひびが無いとおかしい、とかも有るのです。目打上の滲みとか、製造工程を無視しての再作業なので紙に反りが生じます。手のひらに載せて、蒲鉾状態に丸々のは好ましいものでは有りません。それに何よりも本物と並べれば、簡単に違いが見えてくるのです。慣れてる人が見るならば、ゼロ秒で判断可能でしょう。
「・・・買うなよ君」は行動力に秀でてます。私が、ダメだよのメールを送ったので、早速動いてくれました。彼以外にも、同じような印象を受けた人がいて、それなりにアクションを起こしてます。問題の出品者の住所・名前・電話番号も分かってます。そして、今現在出品中の品物に対して、「本物でないとの鑑定がされた場合は、落札代金、送料、鑑定費用、その他すべてをお返しいたします。」の意思表示。さらに、私の手元に来た菊1円=過去の出品物に対しても、同じ趣旨で書かれてます。これは、もうシロクロを付けるべきでしょう。

岡山市のイニシャルMさんとしましょうか、ヤフーのIDがc・・・さんが、自分で「リガム」を作ったか、知って売ったか知らずに、NHと信じて出品したかは分かりません。又、「リガムが多い?」という、私の経験上からの危惧が当たっているかは分かりません。でも、手元に来た菊1円は、プライドに賭けて「リガム」と言い切れますし、画像でも印象の悪すぎるものが多いのです。出品者の返答を額面どおり信じるなら、「鑑定」に出して、結果を得て、返金=実費の弁償で良いでしょう。私は、かなり数を見てますが、それは実務上の経験だけで、オークショニアとして、仲介者として流通に携わっても、鑑定者として書類上に署名する立場にはおりません。
鑑定は、「日本郵趣連合」の鑑定委員会に提示して、鑑定書を発行して貰い、その結果に従うことでいいのでは。幸い、「リガム」の判定は、書類を調べるのでなく、現物を当たって、○か×で即断出来るのです。多分時間も掛かりません。提示して10日位で、判断は貰えるように頼みましょう。また、費用は、「リガム」なら@5000円+送料実費です。鑑定の有効性の云々でなく、今起きている現象をどう処理すれば良いかを考えます。
該当の出品者からヤフーで昨年秋以来落札された未使用切手で、糊が「リガム=オリジナルでなく後で引いたもの」の疑問をお持ちなら、現品を落札時のデータ(日付・値段)と共に、弊社

530-8694 大阪中央郵便局私書箱807号
ジャパン・スタンプ商会           へ記録便にて送って下さい。

弊社が、取りまとめて、日本郵趣連合の鑑定委員会へ鑑定書の発行を依頼します。機械的に依頼しても構いませんが、私が見て、問題ないものと保証できるものは、そのままお返しします。該当の人の出品物を一渡り見ましたが、「リガム」以外の要因では問題ないと思えます。良い物に対して、特別の費用を負担する必要は有りません。可及的速やかに、鑑定結果は貰えるようにお願いしますが、費用@5000+送料は依頼人様が立て替えて後日結果が出た後に、連合にお支払い下さい。
「リガム」の結果が出た後は、当事者同士で返品・返金の交渉をしていただくことになります。弊社は仲介いたしませんが、客観的事実を得るための鑑定結果を受ける手助けと、もしどこかの段階で悪意が介在し、それにより被害を受けている人がいるならば、知りえた情報を公開して、世間的に注意を喚起いたします。
今回の手続きは、弊社としては有効期限は設けませんが、相手方のWeb.上のメッセージをどこまで信頼していい物か判断に迷います。遅いより、早い方がいいのは確かです。該当する立場におられるなら即行動を起こして下さい。送って貰ったものは、その結果も含めて当欄にて報告することをお含み置き下さい。個人名は、IDにより、結果的に知れる場合を除き、開示いたしません。

リガムというのは、稀なものでは有りません。でも、殊更恐れる必要もないのです。現物を数多く触れば、自然と見えて来るはずです。只、ボストークの2巻が終って、1巻に遡る人が、「切手」そのものを集めるのでなく、状態を、それもローマ字2字の「NH」を相場の数倍も出して買うというのは賢いやり方では有りません。もう直ぐ発送の我が社の次回のオークションにも、綺麗な未使用が並んでます。ひとかどの人のコレクションで、かなりお金も掛けてます。でも、「リガム」が2点入ってました。これは勿論、オークションの記事にも書くし、評価もそれ相応にするのです。紙のオークションならばそれなりにチェックも入るし、下見段階でのクレームも有るでしょう。でも、ヤフーなら、形態はオークションでも、実体は相対取引、知らなければそのままで、知っても、相手の態度によっては、フォーローもないことも有りえます。十分に心して上手に利用して下さい。

2006年1月28日(土)

 「新小判1円他貼りアメリカ宛カバー」
誰かが載せるかなと思って待ってましたが、動きが無いのでここで紹介いたしましょう。
PST(太平洋標準時)で1月21日の夜締切りのE-bayに立派なカバーが出品されてました。
新小1円、旧毛20銭3枚、10銭、2銭合計1円72銭貼りのアメリカ宛の重量便です。
料金は基本の20グラムまでが10銭、超過は20グラムまでごと6銭なので28倍でピッタリ合ってます。ポイントは新小1円のカバーとしてのステータス、櫛型印は珍しいけれど、 後期使用、これをプラスと見るかその逆かは好みが分かれてしまうでしょう。でも、新小のカバー揃いを目指すなら、他にないし、これはこれで十分利用価値は有ると思います。
落札額はU.S.$2712.03で、AGAINST(2番札=下支え) by 「いつもの人」で西の国のコレクターに落ちました。手彫だけでなく、小判のカバーと、欧文印の単片はそこそこ集めているのです。だから買った事は不思議でも有りません。それだけならば、良くあるパターンで、数字の評価ならこのカバーはちょっと安くて良い買い物かな?でケリなのです。でも、ちょっと後日談が有りました。
メールが来て、E-bayでこんなものを買ったけど、日本のコレクターから、あのカバーの消印はこの時代に使われて無いタイプの物、だから「Forgery?」と言われたけど、お前の意見を聞かせてくれ、という内容です。画像で見る限り、印色が少し赤みが入っているかなと思うけど、B欄左部の歪みは気にならないというよりも、むしろゴム特有の特徴だし、料金も宛名も全ての要素に何の問題も見当たりません。結論としては当然ながらOKの返事を送りました。アドバイザーの「栗鼠」くんも全く同意見でしょう。
クレームを付けた人も悪意では無いのでしょう。県名と名前が判っているので会員名簿を調べたら、しっかり載ってました。でも、親切心というには余計なお世話だし、海外の見知らぬE-bayビッダーにする忠告としては無責任のそしりを免れないのでは。それにこのカバーへ入札した人は、落札者以外に名前が残っただけで9人いて、1人を除いて日本人、全員が評価は3桁、私的には当然IDと名前(大部分は顔も)が一致する達者なお馴染みさんばかりなのです。あの連中がE-bayのFaked Cover に引っかかると、それは「人が犬を噛む」ニュースで面白いのですが、そんな奇跡的な現象は狙って出来ることではないのです。

2006年1月6日(金)

「日本海航路船内印」
新春の第1回目のネタは、予想外の「再会」から。
1月12日開催のCHERRYSTONE PHILATELIC AUCTIONEERS に出てました。Lot 2312・2313、年号2字のGAISENNMARUとKOTSUMARU写真と記事は画像を見て下さい。
殆どのの方がご存知でしょうが、この2点、昨年9月3日に東京で開催された、フロアセールの現物で、それぞれが65万円と45万円、+15%の手数料で落札されていたものです。
フロアでビッドした人は、数字を預かった「代行」で、当然ながら今回のアメリカへの出品とは何の関わりも有りません。それに、この類の「JAPAN」を、日本のフロアで落として、アメリカに出品して、往復の手数料を支払って更に商売的に儲け切る、というビジネスモデルは無理でしょう。では何が起きたのでしょうか。
東京のフロアでのビッドの依頼はイギリスから為されてます。それ以前の幾つかのデータから、所有を希望したのは、ロシア船内印のコレクションで国際展での大金賞の受賞暦の有る、90歳に近いご老人、処分の勧めが有っても、これしか楽しみが無い的に、売りもせずに買う一方と、現地でも話題に上る方でした。代行は、共通の知人が間に入って為されてます。あの時は本当に、年号2字船内印が一杯出て、値段さえ問わなければ、選び放題で買えたのです。当時の私の情報で、買えてオメデトウ、でも入手出来た喜びの余り、即遠くへ旅立って、物は親しいイギリスのオークションへ?みたいなことを書いたのですが、まさかそれが当たったのでは無いでしょう。
日本のセールが9月で、夏のバカンス明けに動いたとしても、オークション誌の発行のタイミングを勘案すれば、正に即行でなければ間に合いません。
転売前提での入手でも、遺品の売り立てでも無いとすれば、可能性は絞られます。代行者は、数字にのみ支配され、その通りに動いただけなので何の責任も無いでしょうし、売ったオークショニアも何らのタッチもしてないはず。本来の依頼者の「ロシアのお爺さん」と好意のみで「マイ・フレンド」の希望を叶えてあげた、仲介者のどちらかに何かが起きてしまったのでしょう。
CHERRY・・・の場合、参考値=最低値なので、日本からのビッドは望み薄、でも今までもロシアの葉書に朝鮮の△SHIPで予想を上回る落札も有ったので、日本人の知らないマーケットが有るのかもしてません。外野としてちょっとは気になるセールです。

Lot 2312・2313(164KB)