2007年11月13日(火)

『まずはプレ総括』
日専2008戦後編に書いたコラム、「オークショ二アからのメッセージ」の舞台装置として企画演出した、JAPEX2007特別オークションが終了しました。未確定な要素を基にした記事を、確定した事実で検証したみたいと思います。 ただ、フロアでの競りとその後処理は終えてますが、現在不落札品の残品売りとクレーム返品受付期間中です。17日(土)午前9時で確定しますので、その後に回数を取って総括いたします。11月4日のフロア終了時での数字は、WD2点を除いて、出品点数1918・落札点数1565・落札金額50,054,400円=手数料除く(内フロアでの落札が659ロット・金額30,254,650円)・落札率81.60%になっています。何せ初めての東京でにフロアであり、基礎データが無かったのですが、不落札の即売で通例5%+の伸びが見込まれ、厳選ロットのフロアセールなので殆ど返品も無いでしょう。数字的には想定のMAXの成績でした。特に今回はメールビッドの出足が悪く、登録のビッド数は520件、何時もの5000ロット+のフロア・メール併催に比べて300件は少なくなってます。平常からメールセールのみに拘っての応札の方も100人以上はいますし、フロアへの出席が確定の方のビッドも控えめでその分、フロアでの競りに集中したようです。欠番なしの札数151は今までの記録ですし、スタート値のリストが230部出てますし、代行札での出席数マイナスと、見学のみで未登録を足し引きすれば150+が覘いてくれたかなの雰囲気です。95%は会員さんなのですが、弊社のフロアへは初めての方が多く、大阪では常識のマナーが守られず、ちょっとした行き違いが有ったと聞いています。弊社のロット数なら、最後までお待たせしての引渡し・清算は、待ち時間が長くなりすぎ、また一気に集中されてもパニックになります。それゆえ、途中でのピックアップも出来るシステムなのですが、数秒も待てず、お客は自分ひとりというマナーの方がいたのです。一人で引っかかると、次々玉突き、数珠繋ぎになり団子になってしまいます。事務的なミスが起きても、一瞬後ろで待ってくれれば、必ず解決するのですが、その余裕の無い方が想像以上に出てしまったのは残念なことでした。
メールで入れて、フロアに勝ったものもその場では受け取りは無理ですし、落札品の無い方の団扇を、落札品を受け取るが如く出されても物が存在しない為、探すスタッフがパニックになってしまうのです。次回は、子供でも、猿でも分かるような交通整理の標識を立てようかと言ってます。
実は、今やっている51回フロア・44回メールセールに於いても、同じような事象が発生してしまいました。私は勿論、一般の大多数の方には常識で分かるはずの出品者としてのマナー違反の要求です。保険商品や金融商品の取り扱いの目論見書なら、細かい字でありとあらゆる起こりうるケースを想定しての売るサイドでの説明をしています。訴訟になっても勝てるというか、売る側に責めが及ばないようにガードを堅くするのです。ただ、我が社のオークションの場合、当然ながら、社会通念上の常識が保たれてることを前提としての運営です。ポイントとなる要項は書きますが、何が起きても100%のリスクヘッジが出来るようには雁字搦めにはしてません。
具体的には、オークション誌発送後=意味としては印刷所に入稿して校了になれば同じ、に出品者からの出品の取り下げの要求が来たのです。1~2点なら、何とか丸く治めるテクニックも有るのですが、10点ともなると傷を負わずには処理が出来ないのです。弊社の場合は、出品記事が付いていても、全て一任で有っても、載せる前に掲載原稿を送ってます。私が書いた値段や記事に問題が有るか、やむを得ずに売れない場合はこの時点で申し出てくれれば淡々と処理が出来るのです。本来なら書面による出品者の同意を取れば良いのですが、トラブルは殆どなく現状ではギリギリまで記事を書いて即入稿なので、問題が起きそうな人の物を先に仕上げて問い合せておけば、常連さんや手の内に入ってる人の場合は原稿のチェックさえもしてないでしょうから何らの問題も起きないのです。
今回のケース、本に載るのが確定してからの10点程の取り下げ要求がなぜ拙いかを説明いたします。私やスタッフが無駄に時間を費やしたとか、無意味の印刷費の負担は些事なのです。問題は、オークション誌を見た会員さんが、取り下げられたゴーストのロットに真面目に入札した場合、予算の都合で他のロットへの入札が出来なくなる可能性が出てくるのです。損害賠償という程の関連性は薄いのですが、ルールを定めて、厳しくその遵守を呼びかけるオークショ二アとしては容認できない暴挙なのですよ。理由を聞いても、お前に何か言う必要はないわい!で済まされる行為では有りません。
結論としては、説得してルールを理解できる常識をお持ちでない方と判断しましたので、申し出が有ったロットに加えて、該当者の今回の出品物を全てセールから取り下げました。10点の申し入れを受けて、引き、残りをそのまま売りたてるという選択肢は、継続して非常識な要求が続く可能性を含んでおり、信頼関係を構築できない以上極めてリスキーですし、会員さんとしての一切のお付き合いは出来ないのです。当然ながら入札でもルールを遵守しない可能性も排除できないため今後一切の取り引きは致しません。除名ということです。オークションというシーンではこの程度のトラブルは一杯有るのです。でも、その処理には迷うことなく即決断して実行しています。多分、どなたもが支持してくれると思いますから。