japan-stamp Archive

2006年8月10日(木)

「OSS in Calucutta」 

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 オークション誌は予定通り、明日午後大阪中央局集荷の冊子小包特割にて発送いたします。
お盆開けの17日から正規の下見、20日の東京下見会、26-27日のフロアの流れで、順調に動きます。
わたくし的には、日程調整や各種の手配も終えており、今回のセールの9割以上は既に済んでおります。
値段の高安の結果には全く興味も無く、その場で出来た「数字」には刹那以上の意味は有りません。オークショ二ア
としては出品記事を入稿すれば後はシステムに従って淡々と事務処理をするしかありません。出品者の出品物に対
する「権利」は入稿の時点で消えており、出品者の、その後のいかなる要求にも応じることは出来ません。後はセール
終了後の定めた期日に売れたものは精算・不落札は返品という機械的な処理を受けてもらうしか有りません。
 自分は特別という1件のリクエストに応じれば、それば全ての方に対してそうするしかなくなり、システムの円滑運営が成り立たなくなるのです。だから何方に対しても特段の配慮を払うつもりは更々なく、オークション誌に明記して有る
通りの日程での事務処理になるのです。オークショ二アの書く記事は、それが最終のものであり、ケアレスミスでない
限り訂正・変更やセールからの取り下げもしないのです。その可能性が有るならば、初期の段階で意向を表現して
貰わないといけません。特に、最低値一任で来て、思わぬ値段を付けたなら「同じようなものが過去に幾らで売れた
はず・・・」これは最悪のマナーです。私は貴方ではないのだから、覚えてもいないし、アワヨクバ高く付けて欲しい・・で欲張られても貴方の立場での配慮は一切致しません。この話の続きは長くなるので、又の機会に別の場所でといたしましょう。
 昨日到着した素敵なマテリアルが手元に有るのです。奇跡的というか、絶後でなくても、空前のお問い合わせが
有りました。アメリカから「JAPANESE PHILATELY」で広告を見たという予想外のソースでの引き合いでした。
10年以上も同じ内容で、一切効果には期待もしていないのに、先方は実に明瞭な意思の表現を為していて、躊躇も検討もなく即座に返事が出来ました。
 オークションの出品物として、受け付けるか否かの返事をしろ。又プライベートなら幾らで買うかオファーをしろ。コピーとCDロムを送ってくれてました。ブツは「東郷5銭の9面シート・OSS Forgery Printed in Calucutta」。
物の素性は今ははっきり知れてます。それに今までも随分掠ったチャンスが有ったのに、何故か縁が無く、すり抜けられていた物なのです。最初は1983年のカリフォルニアのSuperior Stamp & Coinのセールです。河村照道さんの素晴らしいエラーがまとまって出たのと同じ頃、あの時にもビッドしてますが、リアライズドはUS$2100。多分その頃の私の評価では掠りもしなかった値段です。その後、Japanese Philately に2度、Linn’sに1度記事が出て、出所も云われも恐らくはマーケットに出た数までも解明されているのです。その後アメリカのどこかのオークションに結構立派な値段で売れたものは、何時しか何方かの努力で日本に来ており、JAPEXの2次昭和の展示に入っていたはずです。
 もう一度、私には掠ったチャンスが有りました。今は亡き、ユキ・カネコ・(ハセガワ)さんがコピーを持っていて、9面シートと単片、何故か縦長カバーに貼ったものの3点セット。1000ドル?かでオファーをされたけど、「偽物?でしょう?断ったわよ」というお話でした。「馬ー鹿」、○○万なら買えるので、買って来てよと言ったけど、そのまま彼女は不帰の人、あの3点は今は何処に行ったのでしょうか。
 今回の予想だにしない相手からの引き合いは外すことは出来ません。出所は最も確実な名前も特定出来る相手であり、物が動いたのは1976年春の事。実に明瞭な資料も完備されてのオファーです。今までのオークションでのデータもお互い知っているし、先方のレターを読めば相手の性格も分かります。だから駆け引きは要りません。駄目元でのプライベートの数字と、オークションでのリザーブドを教えて、手数料は規定どおり、日程も他の人と同じ条件で、でも恐らくは如何なる手段で売るよりも、我が社の次回のセールのラストロットとして最低値40万で出すのが最も賢明ということを、強く示唆してメールを送りました。ラストロットのPostal Forgeryと昭和のスーパー・スペッシャル小型シートは高いのです。
 メディアに出た情報はきっちり網羅して、糊と鋏を使える人ならば、素晴らしき記事を書けるアーティクルのコピー付きでU.S.GLOBAL EXPRESS MAIL で届きました。この人の几帳面な性格からして、如何にして送るのがベストでノーリスクかを聞いてくれてました。それは私の得意分野なので、返事はフル・インシュアランス=フル・デクレアでOK、但しオリジン(原産国)をJAPAN、品物をSTAMPにせよ。あとは何が有ってもこちらで処理できるし、費用も税金も懸らないから大丈夫。厳密に言えば、関税定率法の「形状を変えない日本製品の再輸入・消費税無条件免税」を受けるには、オリジンがカルカッタ、しかも切手でなくシール、法的には多少の関税+必須の消費税5%がいるのですが、幾ら優秀な大阪税関の外郵出張所でもその扱いはないでしょう。もしストップされたり、課税で来ていたら、税番を確認して同意出来れば異議を申し立てずに喜んで払うつもりでいましたが、残念ながらOld Japanese Stamp Value US$2500で無税通関で流れて来たのです。
 現時点で出品に関するペンディングの面白そうなお話が、国内外から4~5件来ています。竜を貼った外地発のカバーとか、絶対に何処かに有った筈の無目打エラーの銘つきブロックとか。冗談やまやかしの引き合いでは有りません。継続取引の流れの中の物が多いので、何れ姿を拝めるでしょう。それ以上に、1回のセールの出品キャパシティーを考慮すれば、そろそろ更に出品のクオレィティーを上げて行かねばなりません。今回限りは我慢して・・手紙を書いて説明して返品するよりも・・今回だけはと掲載する・・その方が楽なので、結果とすれば出せば売れるものも多いのですが1回限りでは終わりません。それ以上にフロア・オークションというツールで扱うべきか否かから考えて行かなければ行けません。
もっとも、今でも毎回30数名の人には全部または一部を不掲載で返しているのですが、中々に思うようには改善が
為されないのが実情です。当然のごとく強烈な勘違いのクレームもやって来ますが、他所へ行っても受け入れられるはずも無く何時しか知らぬ風情での舞い戻りが多いのです。

2006年6月30日(金)

「東宮ご婚儀不発行」 

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ロット470が4種完 プラス1・5銭(キズ)、3銭(美品)のおまけ付。
NHでPost Office Fresh とのこと。写真で見る限り綺麗そう、この切手の場合、関東大震災での不発行、南洋庁配給分を取り戻しての皇室に贈呈、というストーリー性もあいまっての昔からの人気品。でもそれは結果であって、16面シート、着色紙、単線目打という、同時代の他の記念切手とは異質の顔を持っているのです。
ここ20年ぐらいは、切手のカタログ値は殆ど上がってませんが、この切手は例外、いつしか組合の評価では4種で330万になってます。催事や店頭でも、それなりに需要が有るらしく、達者な小売屋さんなら、極美の状態で300万で売った、みたいなお話も良く聞きます。ただ、状態を厳しく見れば、単線目打のハンデが有って、完全なウエルセンター、目打が乱れずに揃っているものは滅多に有りません。それに、グロスの金額で300万はなかなか出しにくいことと裏腹で、状態が良くなくっても、低額2種でも、絵葉書に貼った特印押しでも、オークションに出せば、まず不落札にはなりません。ひねり物ではないので、頭のMAXの値段は決まってますが、その数字からの逆算の商売が出来るのです。甘い評価では勝てません。それに、誰より状態に厳しい人が見たならば、お気に召す物もまた、滅多にないのです。
6月の、わが社のフロアに4種完、VF Kruegarの小さいギャランティーマーク付、本当に綺麗な状態のものが出てました。「売ってください」だし、この切手の場合、鑑定印はマイナスで、堅い数字で120万の最低値にしてました。安くても複数の業者のビッドが150~160でしたし、200万以上のコレクターからの札が3件有って落札値が230万、当然2番値は220万なのでした。何れも手数料15%が必要です。だから、香港のものも、セットで250万なら、2番札の人に確実に売れるのです。この値段が上限で、おまけの低額2枚が儲けになるみたいな評価でしょう。でも、見てもらった物を売るか売らないかの商売ではないし、今度の場合もTylerの鑑定サイン・鉛筆書きは売る場合にはマイナスに作用してしまいます。
このクラスの場合、見てない人がギリギリまで飛び込むビッドは出来ません。目一杯の売値もプロなら同じような評価です。物は一つしか無いのだから、行った人で調整して、お互いが経費でも出したいネ、の話になるのです。本来ならなる話、実際スタートは十分想定の範囲内、でも何故か場で現地の中国人?が付いて来て、一声の刻みが5000ドル、本当にMAXのHK$140000が落ち値です。手数料込みで250万+、ギリギリの目一杯、世の中広いと言うべきか、絵を描いても楽には儲けさせては貰えません。でも、終わってしまえばやるだけやれば買える・買えないは結果なのでこの切手への思い入れは値段以外には何も有りません。惚れられる「カバー」の場合はそういう訳にはいかないのですが・・・。

2006年6月27日(火)

《JOHN BULL レポート》
6月24-25日に開催された香港でのセールの報告を、場に出たディーラーの視点で数回に渡って書いてみます。第1回は 「和桜20銭政府印刷・縞紙」  

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Lot 419 参考値 HK$300,000~400,000、N1B1/K越前敦賀7・11・25 がそのデータです。序ながらロンドン・ハーマーにて1939年6月26-28日のA・M・Tracy-Woodwardセールのロット355の現物です。おまけの情報を書くならば、Pos1で印面右下にB型の政府印刷特有の目立つピンホールが打たれてます。勘違いする人は、これを「小穴=二級品」として毛嫌いするのですが、その人は手彫を集めてはいけません。製造面のバラエティーとして認識できれば、1種1枚のパターンの人でも気にならなくなるはずです。ボストークの図入りアルバムにも、政府印刷としてのスペースが有るので、抜けてるが気になる人が問い合わせてくれることを期待して、在庫に持っていても良い物です。カタログ値の2500万は高いけど、物の筋は悪くは有りません。

市田さんの時代には、今回の切手の存在情報が、白黒の不鮮明なオークション誌の写真のみ故に、的確な解明がなされてなかったのでしょう。PHのタイプは不明になってました。改めて眺めると、下部の料額面の掠れは松田20銭のPos1とも共通です。原版の加減なので、何のマイナス点も付きません。オークションの記事もしっかり書いているし、このマテリアルを買わない理由はないのです。唯一つ、値段だけが問題になるのですが。
後日、別項で触れますが、出席した日本人は正確に6人、この内の4人は完全に「買う」ことを前提に来てました。勿論値段が最重要のファクターでは有るのですが、売るか買うかを別にすれば、700~800万円という数字が極めて自然な形で出て来てました。突然の米国西海岸からわざわざご出席の方はコレクター、最初に買ったのが「沿革志」、次に買うのが「20銭の縞」には唖然としましたが、他人に尊敬して貰うのでなく、自己満足の欲求を充たすものとしては、決して悪い買い物では有りません。ただ、この人の場合、今回の強烈な刺激をも上手に昇華出来る理解力の有る方とお見受けしましたが、変に自分の価値観に閉じこもらずに、クールにマーケットの事情を読みこなしながら、珍品の1点物以外に「集めて揃える」楽しみに入ってきてくれれば、手彫の市場も賑やかになるでしょう。まずは、文献からスタートしてくれれば良いので、初っ端から、我々と際どい値段勝負をしての「20銭縞」を落とし切ったりするのでは後が辛くなってしまいます。オーソドックスには、鳥9種の綺麗な未使用とか、和紙6銭のカナが見える状態で「大阪使用はずし」とか、洋紙1銭・2銭の消印別のカナ揃い、みたいな目的を決めて、増やす楽しみから入られたら良いでしょう。
業者筋は、超上客の強~い特注の札を預っていなければ、手を高々と挙げて、自己顕示欲を主張したりはいたしません。クールに数字をビジネス的なメリットに置き換えて、高見の見物に入るのです。このマテリアルの場合は、誰もが同じ評価で臨みます。即金で、高くても売れる明瞭な当ては有りません。持たせたい相手や、買うべき人の顔は結構見えるのですが、懐具合が問題で、そこの面倒まで見なければなりません。何のデータを調べずとも、「縞」の存在数は17~18枚までは空で出て来ます。この切手は再接ペアが3組、2枚の同時使用が1組、あとは単片での確認です。ペアだから高くはならないのですが、今回の物は、マ23号の濃い色、唯一の不統一の秋田調に次ぐ、フレッチャーの同じ消印と同レベルのステータスでしょう。ただ、今の相場で商売で売る値段を考えるなら、1000万はチト、キツイの判断をしてしまいます。行ったメンバーの間で誰が買いそう?当て有るの?の話題が出て、優柔不断君や、理屈ばっかり捏ねる、ヤイコシイ輩はあっち側に押しやって、それでも4~5人の名前は残ってました。本命・対抗の印は兎も角、「横浜の昭和」と「名古屋の昭和」はバーターの条件で、勝手に売り払ってましたけど。
値段次第、露骨に言えば、7で買って8で売るなら成り得る商売ですし、このブツの場合は、即買値がオープンなので、相手次第で8ギリギリなら5%のエージェント的な儲けでも良かったのです。行った人の意思としては、①「高くは買いたくない」、②「不落札にはしたくない」、③「確定的な客がいないので、リスクを被って買うならば安くないと拙い」の優先順位で臨んでます。プライド故の目一杯の数字を出して、そのギリギリで背負わされるとキツイ物が有るのです。言ってしまえば800万+で降りるつもりで覚悟を決めてましたけど。
数字だけで表現するならば、前段の危惧は杞憂に終りました。99%エスティメイトの枠より下、メールが入って無ければ、HK$20万がデッパです。手数料込みの¥800万ならば、44~45万なので、2万ドルのインクリメントを長時間楽しめるはずでした。オークショニアはステラおばさん、本日のハイライトとコールして、前の電光掲示板はエラーがかかって数字が出ない、でも、慎重に何度聞いても、ファイブハンドレッド・サウザンド・香港ドラーのコールなのでした。トゥーやスリーのハンドレッドではないのです。ファイブは数字の5なので、18を掛ければ900万、後ろの連れにも確認しましたが、誰が聞いても同じ数字で変化なし。逆に言えば、迷わずに断念できるし、オープンになって、困るリアライズでは有りません。gone to mail bidderですが、日本からか、海外からか、或いはオークショニアのリザーブなのかは分かりません。500,000という切りの良い数字でケリですが、一刻み下の480,000が居たかどうかも分からない。でも、手を挙げれば52万のひと声で落ちていたような気がます。その根拠は、他のロットの競り具合でそう思えてしまったのです。このロット以外は、全て相手が見えましたから。ここらの話は又次回。

2006年6月1日(木)

「壁の華」 

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オークションの方は順調で、ビッドも何時もと同じ位のペースで来ています。幾つもトピックも有りますがセールがスタートしたあとは結果が出るまでは解説は控えます。細かな料金体系など、識者が教えてくれましたが今更余計なコメントは出せません。買える人は当然ご存知として置きましょう。知識でなく、値段が問題な目玉的なものも、ある種のドラマを演じながら、然るべき相手に収まるでしょう。冷静な値踏みでなく、最後の数声は「執念」勝負になりますから、是非とも、後悔無きようにフロアにお越し願いたいのです。
併設・融合開催の大阪駅前第三ビルバザールも今回で10回目になりました。この度は、此れほどまでに重なるかと言うほどに、他所の催事と重なってしまい、ブースの数は少なめです。ただ、その条件でも幾つもやれることが有るのです。「ルーム6」の空きスペース、公序良俗に反しないことならば、一切制限は付けません。「売り・買い・交換・駄弁り・休憩・物置き場」何でもご自由に使って下さい。8月・11月はブチヌキ設定ですし、今回欠席の方からも、多くのお申し込みを頂いています。「フリースペース」は今回限りの例外です。

弊社のブースもスペースが取れるので幾つか企画をしています。「ルーム5」では、テーブル2本で「外国切手@10均一」椅子に座ってゆっくりどうぞ。「アルバム・ストックブック・シートファイルの掴み取り」にもテーブル2本使います。大きいダンボールに種類で分類しています。、1袋が@500円、手で持てる限り、2袋でも3袋でも構いません。こちらは初日の朝一勝負でしょう。「記念切手額面販売」は毎回種類を増やしてます。OPPに入れて、シリーズと額面で見やすくしてるので人気商品になってます。
《スタンプショウヒロシマ2006》に投入した新商品も、勿論並べます。「オークションルーム11-12」の後ろの壁に、カバーのカラーコピーを200点+貼りました。全て@10000円以上のもので、オークションのカラーページに使える物を、最低値程度の値付けにしています。小判切手のボストーク4冊と共に、ヒロシマ帰りですが、まだまだ使える物も有るはずです。それ以外のバインダーの@物もきっちりメンテを入れてます。

「ルーム5」でも「壁」と「テーブル」で物も知識も売ってます。「ミステリー」のテーブルの後ろの壁を飾るのが、構成メンバー+αが真面目に作ったコレクション、リーフに値段を付ければ売り物になると言うレベルのオチャラケ物では有りません。フレームの設定は出来ませんが、JPSのビニールパネルを使った「ミニ切手展」。気まぐれ発想から、出品者へ声を掛けて、即実現まで約10日、出品者の名前を見れば「壁の華」と切って捨てるには勿体無い「本格的な作品」が並びます。尚、展示時間は、初日のパニックが収まった後の午後1時頃から6時前と二日目の10時から5時頃といたします。「ミステリー」の売り物は、得意分野の重品と知識です。継続メンバーも経験を積んで売れる物を売れる値段で並べてます。今回は新規の面子も登場しますし覗いて見て損は有りません。気が向けば何時でも構成メンバーに入れます。
知識の売り物も既に2件来ています。「とど仮面」中世古誠著の第三弾、「重量便使用例収集ー1-」、手彫・小判切手時代は2500円、「名古屋コレクターズクラブ幹事・イシシロ」さん経由で、「全日展’06出展作品 日本記号入り切手《菊》 後藤スキ雄名蒐別冊作品集5」3000円です。ご希望なら、送料実費で取り次ぎます。

弊社のオークション誌と当コラムに載せた、「見てない束物・スーパーパック」バザールの先行販売品・お一人1点限りが随分売れました。
(1)1次昭和A 型価29・5万 → 15000 制作36個 残8個、(8)現行 59個又は60個 合わせて 制作65個 →残6個。
その他も(2)1次昭和B、(5)産業・無透、(6)ゼロ無塔航空 も少なくなりました。最終的にはバザール・その後の即売で売り切るつもりですので、今だけの特別価格をお見逃し無くお求め下さい。

2006年5月25日(木)

「ピンクの帯の払い下げBOX」 

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何気なく、行徳さんの「戦後の郵政資料 第2巻」を見ていたら、一つの記事を見つけました。30年8月1日付けの東京中央郵便局ニュースで、30年9月から郵政弘済会から使用済切手を箱詰めで販売開始のお知らせです。価格は1箱400円、5箱以内に制限、代金と引き換えで販売。内容は富士と桜の10銭、機関車製造500円までの約30種類、切手収集家の渇望する記念切手、大型切手、高額切手で消印の軽少な物は1割内外・・・。重さは書いてないし、写真で見れば、みかん箱、5キロ~10キロは入っていそうな外面です。この時代のBOXは古~いディーラーさんが持っていて、雉航空やら茶摘のシートが入っていて、5キロ箱が1箱で100万円が相場だと言われた事も有るです。このニュースの枚数は1箱7~8千枚とのことなので、ダンボール箱の写真そのものではないでしょう。10箱入りの業務用とでもして置きましょう。この時代のBOXの生の姿は見た経験が有りません。
でも、今回の我が社のメールセールに掠ったものが出て来ました。ソソラレル日付です。
LOT 5058 風袋共500G 郵政弘済会出版部    33年4月21日 ピンクの帯封
LOT 5059 風袋共500G 郵政弘済会第三事業部 35年4月18日 のメモ有り、この期間の間に販売部局の名称が変わってます。出品物ですし、包み紙がエンタとして意味があるので勝手に紐を切って紙を開けることは出来ません。だから帯の色も不明です。今回とは別ルートで入手した物の最初期は36年8月28日、緑の帯で発売元は「全日本郵便切手普及協会」で風袋共350Gになってます。35~36年に弘済会→全郵普に変わったのでしょう。30年代のBOXはオークションでもいい値段で「夢買い人」が競ってくれるので何時もいい値段になってます。はたして今回の「ピンク」は幾らになるのでしょうか。
チョット前に「ヤフー」で41・42・43・44年のBOXがまとまって出ていました。未開封は200+開封済みが100+、縁有って、開封済みは大箱11個で我が社にやって来ています。総重量で180キロ+、原符系だけで40キロ以上は有るのです。1箱300Gで割り戻しても600箱ぐらいになるのです。大元の名前を先達何人かに聞きましたが、珍しい名前ですが、記憶にあるような無いような、以上の返事は貰えてません。でも40年前半に、少なくとも800箱のBOXを買った人とはどんな素性の人なのでしょうか。因みに未開封のBOXの売り方も相談されたのですが、私が値段を付けるなら、今までの売値が有るので、目一杯の高値になってしまいます。だから、今回は、落とした人が直接「郵趣ウイークリー」に広告を出して売るそうです。6月の第1週、値段は私の評価よりも随分安く付いてます。まとめて買えば更なる割引も有るのだとか。興味ある方は直接販売元にアタックして見て下さい。向うも置き場所に難儀しているので即発送してくれるでしょう。我が社の開封済みの600箱分は、今回は間に合わないので、整理して次回8月のバザールの企画商品にいたします。
今回6月3日・4日のバザール情報は、近日UPいたします。テーマの一つは倉庫のスペース作りなので、それに見合うこともやりますから。

2006年5月16日(火)

◆◆◆◆◆◆◆◆【闇の向こうに金色堂】◆◆◆◆◆◆◆◆

金色完全を含むシートの上半分以上は既に売れ切れです。

金色抜け 単片  10万円
〃  横ペア  20万円
〃    田型  40万円
は、販売継続しています。

日本郵趣連合の鑑定書が付いています。

◆◆◆◆◆◆◆◆【立太子礼記念 皇室贈呈用沿革志】◆◆◆◆◆◆◆◆

総ページ数93 カラーコピーを製本
送料共で 5000円で送ります。


5厘も 12 1/2 です

8月のオークションに出品します。
91ロット及び一括での競りの詳細の情報も同時にお届けします。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆見てない束物スーパーパック◆◆◆◆◆◆◆◆

2006年5月12日(金)

「宣統・・・」   

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元号がこれということは、満州国なのでしょう、変換不能の漢字が一杯、最終頁に書かれてました。日付と名前(戒名?)贈呈みたいな感じです。和紙の手製のアルバムに「赤二」がぎっしり、丸一の局名違いのコレクションです。なかなかの内容で、岡崎・楠町も有るし、分類も正確です。縦書きは数少ないけど、大型印が多そうです。突然のご来訪、故人=配偶者がスイス人の日本のご婦人が里帰りのついでに立ち寄ってくれました。売れますか?ダメなら捨てて下さい・・。当然ながら、オークションを薦めました。国別にちぎってのリーフ売り、次回の8月のセールの最初のパートに出してます。@100円の最低値、だから琉球は7局、八重山島・宮古島・八重山・那覇・読谷山・名護・大宜味なのでこのロットは700円、均一の値付けは楽なのです。
最低値合計でも10万+、落札値は数倍なので、勿論捨てるには惜しすぎます。それに他にも一杯有って、今まで全く売ってないらしいのです。どう見ても、満州のハイソな人の流れが感じられるコレクション。もし、もろの満州が有るならば結構夢を見られるでしょう。余り一度に送られても困るので、少しずつのご送付をお願いしておきました。
スイスというと、わたしレベルでの印象の強い人が3人、何れもスイスでの日系企業のハイレベルの役員さん、ロッテのBさん、チバガイギーのGさん、三菱重工のMさん。いずれも故人です。流れ的に、皆コレクションはコリンフィラ・・・。かかさずにフロアに出て、かなりの部分は買ってます。それ以外にも、高級品カバーのディーラー(洋桜30銭多数貼り・鳥12銭貼り別仕立葉書)、三五六の6銭NAGASAKIと最後の1回前のメリアン小判を掘り出したA・Kさん、今回のコリンフィラのFさんとか、数えれば10人ぐらいはいるのかな。色んな意味で相性が良くって、お付き合いしてこれた人が多いのです。
核になるのが「CORINPHILA」。今手元に有るカタログを見直して、スタッフの写真を見ても、見知った顔がいないのです。
Vollenweiderは1972年からここにいて、G・Toddはロンドンの時の知り合いで、ここに来たのは極最近、他は名前も顔も記憶の片隅にも有りません。かつてのカタログには出てました。ルーダーとエデルマンが2人で始めたオークション、その後、劇的な変化は、第2次大戦の後にあり、「逃げたナチスが南米に持ち出したコレクション」を売って、財をなした・・・。私が最初に来た頃は、クライブがいて、ホルカムが座っていて、CHINAをベッケマンと呉楽園がノンリミットで競っていた、JAPANも素晴らしくコンディションの良いものも有ったけど、値段も一流、むしろ日本よりも高かったかな。
それが、今や、目立たないけれど、「ESCALA」グループの一員で・・・、資本の論理なのでしょうが、何か物悲しくなるのです。スペインのESCALAマターの続報も来ています。社会的な反応としては、ヨーロッパで起きた、最大級の経済スキャンダルとして進行中、波及して、NYナスダックでのESCALA=MANNINGの株が62%下落とか。でも、長文のレポートの最後に書かれていたコメントは、投機家でなく、コレクターが運営するならば切手収集の市場は基本的に極めて健全です。それは歴史が示している。さしずめ今なら、「CEPT」ヨーロッパ共通図案は正にこの投機の対象で、明日は今日の値段ではないのかも知れません。
でも、オークションは大丈夫でしょう。知ってる連中が一杯このグループに関っているか、関わっていたので非常に気になるのですが、今は静観するしか有りません。メンバーが勢ぞろいする、ワシントン展の後ならば、もっと詳しく分かるでしょう。私にとっては「村上・阪急・阪神」より、「ESCALA」の方が影響が大きいかも。我が社には買収のお声は掛かっていなかったのですが。

2006年5月8日(月)

「Dr.S.・・・」
 早過ぎた人なのか、機を見るに敏なのか、1958年「FIFA=国際サッカー連盟」の理事にアジア枠で日本人として
最初に就任されていた人でした。その後の同じ立場には川渕三郎チェアマン(キャプテン)ですら望んだものの、選挙で必要な支持を得られてません。それにJリーグ(プロの国内サッカーリーグ)の創設を最初に活字で訴えたのもこの人だったとか。この分野でも抜群の先見の明をお持ちだった人でした。
 本業を、若くして人に譲り、枯れる前の人生の最盛期を趣味の領域の「切手」「サッカー」に打ち込めた幸せな人だったのでしょう。この人のヒトトナリは、気鋭のライターが「全日本郵趣」で別の視点で最近光を当ててます。他人に論評される、それ以前にご本人が「竜」「桜」「青一」「墨六」、勿論、数え切れない論文で思う存分語ってます。心残りは「小判」が未完に終わった事ぐらい、研究家としても満ち足りた郵趣人生だったでしょう。ご自分で思いついたアイデアを自己表現ができ、それが世間にも受け入れられた稀な程の満ち足りた仕事をされたと言えるのでは。
 私は全くお付き合いが無かったのです。年代的にも、微妙なすれ違いですし、国内でも海外でも直接の会話を交わしたり手紙を書いた事も皆無です。丁度私がスイス・ドイツ・オランダ・北欧などで「JAPAN]に特化したビッドを積極的に始めた頃、Dr.はオークションでの活動は少し控えめになっていて、その後病を得て、T病院に伏せられたのです。もうほんの数年、早いか遅いかしていたら、私が出歩けるようになって、デン・ハーグの駅のフロアで「20銭縞」が旧韓国の李花・鷹と一緒のリーフに貼っていたアジアのロットを見つけて、お互いが相手を知ってか知らずかでギリギリの駆け引きをするスリルもかなりの確率で有ったのに、夢のままで終わってしまいました。この方が出されたカバーは数多く戻って来てますし、グルックナー宛の交換の申し入れの内容など、流石と思わせるものでした。気が合ったかも知れないのに悔やみます。
 少なくとも20数年、たぶん25年前と言って良いでしょう。その経緯は「西岡辰二の郵趣昭和史」の行間にさりげなく書かれてます。わかる人はわかるし、洒落てコナレタ2人の大人の約束とでも言って置きましょう。毎月発行される手書きのオークション誌のAの部に200ロットが全く同じスタイルで出品されるようになったのです。何時頃から始まったかは記憶に有りません。
 でも、暫くすれば気づきます。それに自然に裏の話も聞こえてくるのです。お爺さんとのちょっとした世間話は楽しいひと時でしたから。竜48文1版未使用がA-1・・・組合カタログ順に並んで、締めが旧韓国、すべてが玉ではないけれど、最低値でない、カタログ値(消印などはそれも無し)だけの自由入札なので、このオークションの唯一絶対の目玉でした。このパターンは長期間続いたし、入院されてからもすぐには途切れなかったので、余程大量なパターン化されたストックを黒のマウントを貼り付けたアプ帳として事前に準備されていたのでしょう。問わず語りで聞いた話では、Dr.と翁はどちらかが朽ちるまでは永久に続けようと約定を結び、まさにそのままに実践されていたのです。その発端が何なのかは、今となっては闇の中、詮索は野暮でしょう。
 今のオークションは随分システム化されてます。メールセール(やメールビッド)では、2番札の一刻み上で1番札の人が買えるのが基本のルールです。昔ながらの視野狭窄の勘違いで、一番高い人にその値段で売るというやり方を続けている場合は、オークションの定義では括れずに即売のバリィエーションになるのです。ここは、少し違ってました(今は別のシステムになってます)。
 何も書かなければ、全てその値段で買う意思表示、人の少し上まで引き下げて欲しければ、然るべき符牒を付けなさい。最も簡略なそれは、ビッドの数字の末尾に「まで」と書けば良い。1万円と書けば、2番値が1000円でも、1万円、1万円までと書けば1100円に機械的にしてくれます。最初は殆ど知られずに、結構長く続いていたルールだったのです。基本的に出品者の記事をそのまま書いているので、下見すれば有利だし、「まで」ルールを使うか否かで更なる大きいハンデを得られます。掃き溜めに鶴なのか、鳥居ぬ里の蝙蝠かは別にして、Dr.の異様なハイグレードのAの部は、この情報を得ている人の格好の狩場と化してました。
 私がそれと気づいた時期には数人が踵を接して同じように参入して来ました。京都のお鬚とか、連れの歯医者とか、三重でも豊中でも梅田には飛んで来れるくんとか。三都を巡りて故郷に帰って教師になった人がゴミ漁りの道に踏み込んだのもここが発端・・・。
でも、そのタイミングは私も含めて遅すぎたのです。我々が見落としたはずは有りません。ネタが割れておれば、ヤフーのアラートと同じで洩らしたり、見落としたりはない無いのです。出ていることを知らなかったか、それが出た時には、このオークションに参加してなかったのでしょう。
 Dr.も手彫以外の消印や目打は無関心、買値も無競争の仕入れだし原価などは意識せずとも良いのです。それに、オークションなのでソコソコの結果にはなりますから。もっとも旧小判12銭の済を最低値無しなので1000円で上から下まで入れてる人もいましたが。
 爺さんの冷たい扱いを見ていると面白い話が聞けました。でも、我々の目には触れないタイミングでそれが出ていたのです。
 又聞きで推測でしか有りません。でも、恐らくは当たっている。「朝鮮字8銭・15銭の未使用」がある時にこのオークションのAの部に出て、フレッシュなNGで測った目打は12・5。若きゼネラルコレクターが幾らで入れたかは聞いてません。「まで」と書いたかも分からない。でも、値段の情報の無い時代、12とさして違いは無いでしょう。結果が出るまでのドキドキ感は有ったでしょうが。それに同じ時に1銭・20銭・1円のNGが出ていたか否かも最早探るべき術はないのです。「立太子礼記念皇室贈呈用沿革志」がもう1冊有って、かつて、海外で剥がされた残骸が流れて流通したのでしょうか。有り得ない話では有りません。運の良い、彼の名は2種の12・5を持っている人として菊のコレクターの口の端にはよく登りますが私はフルネームも知りません。
 皆が「消えた」と言っていても、ひょんなきっかけで現れるかも。そのドラマの片隅にでも参加できれば嬉しいのですが。今はその端緒すら得てません。どのオークションにも掘り出しは有るのです。そしてそれは勿論罪ではなく、また運の良さだけでなく、努力をした人が得られる果実です。
 Aの部の200ロットが消え、私も時間が無くなってオークション誌を見る機会も減りました。それは1991年の新春のフロアセールでした、写真で見て、気になるものが有ったので下見に行きました。目打を確認して、紙を見てビックリ、ルーペで調べて慎重に確認、フロアの当日までの時間が如何に長かったか未だに覚えてます。楽しいネタですし、何時か何処かで真面目に検証せねばなりません。「Dr.S・・・」がご健在だったなら、とっくにそれなりの結果を得ていたはずのものなのです。幾つかクリアをせねばならない条件が有るのですが、今なら、私が指名する相方は一人だけ、今年もJ・・・X 実行委員長の大役を担う、ナイトウ先生です。成るか成らぬか乗って見ますか?

2006年4月6日(木)

 「人生で一度のチャンスかも」
弊社のオークションにはここ数回、エラー物が連続して出ています。特に現行切手の無目打・色抜けは発表されているものがほぼ網羅できそうな勢いです。その関連の裏ネタはさておいて、3月10日のロンドンのオークションでグレードの高い琉球のエラーが並んでました。元の所有者はアメリカ人で、「だちびん」4円の9C逆刷、ハワイの加刷漏れ、米貨暫定1/2Cの完全無目打ペア・・・。
同じような並びが去年のマイケル・ロジャースにも出ましたが、その際は何故かソソラレズ、完全にパスしてしまってました。参考値は今回の方が安いし、出場所が「まともにメールを入れると怖い」アントン・マリオ・トーレスのメール限定のオークションというのが面白いのです。ノーリスクの駄目元の安いビッドでは負けるでしょう。でも目一杯に入れてその値段で落とされるのも又怖い。この条件をクリアするのがプロなので、何人かに手配してテレホンビッドを受けて貰えるようになりました。直では無理なので、然るべき代理人を使ってます。終って翌日にFAXが来てました。彼女(Jean)曰く、おめでとう、珍しく一杯買ったわね、ハナマル付きのレポートでした。ロンドンでしかもポンドでないUS$のセールというのが素敵なのです。
マリオのカタログは数だけは随分出てますから、極端には安くは落ちないけど、所詮はリスキーなメールセールなのは皆知っているので、滅茶高くもなりません。だから私が誰かの上でOKと、落とす気で入れたものはきっちり納得の値段で買えてます。100円加刷とかは転売値段なので負けました。
買えたエラーの中でも、希少度以上に気に入ったのが2点有って、「だちびん」と「マイクロ」の逆加刷が何れも耳付きだったこと。9C/4円は下1列の10枚が見つかっており、当然・必然下耳付き、型録値100万円、銘版でないのが残念だけど、それを望むのは無理でしょう。
マイクロは多分2シート出ているはず。となると安く買って・高く売るという商売抜きでいじってみたいのがPos8の「1の字逆」の逆加刷、4X5=20面の逆さなので、上から2段の右端がひっくり返れば、下から2段の左端=Pos13に来るのです。左の耳が必要です。単なる逆加刷は今までに何枚か扱っていて、相場は10万円、でも逆で逆は狙っていても、そのチャンスは無かったのです。画像と共に記事を載せておきましょう。私なら書き得ない「情のこもった」ディスクライブです。
オークションの記事の表現テクニックとしては「だちびんが10枚有って$10000、逆の逆は2枚の存在だからそれ以上に珍しい・・・」。この比較論は私は絶対に使えません。でも最後の1行が気に入って、「たぶん人生で一度の機会かも・・」。うまい表現です。そしてそのチャンスを6月4日には貴方にもお届け出来るのです。最低値も原価+僅かで出して見ましょうか。表現は見えてる事実しか書きませんので、買える人が的確に評価して欲し