ブログ アーカイブ

2008年10月8日(水)

『文献出品』  

 (85KB)

JAPEX特別フロアセール、PA55は昨日、郵便事業株式会社大阪支店の集荷で発送しました。現状では特に遅延の要因がありませんので今週中のお届けになる予定です。
私の方は、当然ながら11月末のセールの編集の真っ只中、物量ともに良い物が来ています。まだ1500ロットしか書けてなく、想定ノルマの1/3ですが、入稿日の10月30日にはギリギリに間に合わせることが出来るでしょう。目玉はさておいて、昨今の風潮がオークションの出品にも色濃く現れて来ています。売り物が非常に多いし、売ることを前提にした出品が増えてます。勿論、その方向に導くべくお誘いしているからなのですが、オークションでも、プライベートのお話でも、連続しての売り物が有るのです。売り手としては早い者勝ちみたいな雰囲気です。
今回の出品で目立ったのが「文献」、それも良質の人気のある(或いは有った)ものが5人位から来ています。最低値は一任か、指定があってもずいぶん安く付いてます。オークションに出てきて、売れるものは決まっていて、カタログや雑誌は対象外で単行本が主流になるのです。だから5人から来れば否応なく同じものがダブります。市田さんの大作シリーズ、沢さんの小判切手、ウッドワードの翻訳本、いずれも3組重なってしまいました。名鑑も2組です。ここらは全てが私に一任なら、統一した値段を付けられるのですが、指定ありの人がいて、矢鱈と安い設定でくるのです。墨六が5000円、これはないと思うのですが、オークションなのでそのままの値段で出しました。一般的に同じものが同じ回に出た場合、入札も不便でしょう。このケースは、メールセールに関しては、Orビッド、どちらかを希望の入札で受け付けます。フロアセールでは条件の設定が複雑になるのでこの便宜は図れません。またメールでも単純に機械的に処理しますので結果としては有利不利が出てもクレームは厳禁です。
豪華本や名鑑は、郵趣家は物持ちが良いというか、随分と歩留まりが高いのでマーケットに戻って来ることが多いのです。それをこなす新規の需要がなければ値段は当然弱含みます。いい本が買いやすくていい時代なのですが。ちょっとした別格が、ぺプローの手彫り切手シート写真集・117葉です。これだけはフロアに出しました。確か3人ぐらいから頼まれていて、相場も教えているので、いい値段まで競るでしょう。知る人ぞ知る、オークションの文献出品の目玉になっているものも出ています。水谷行秀作品集、久野の機能実験、行徳さんの昔の本=郵便の種別と使用例、春日部郵趣の発光特集、ここらは墨六よりも高いことが有るのです。皆さんよくご存知だから。序でなので文献を買う場合のちょっとしたヒントをあげましょう。弊社では絶対に大丈夫なのですが、市田さんの竜切手と青一で、買ってはいけないものが有るのです。当初の正規販売品は問題なしですが、その後の著者取りか、予備のもので、写真が付いてない=青一は別冊の写真本無しが出回っています。事情の詳細は書きませんが、今の出品者もオークショニアも知らないのでしょうが、買った人は抜けた部分の補充が利かずに役に立たない悲劇に見舞われるので十分注意してください。弊社の場合は、写真の有る無しを絶対に書きますが、即売でも知らない者同志の取引は危険なので十分注意してください。オークションでも即売でも、知っていて教えずに売るのは詐欺に等しいので責任ある人はやらないとは思いますが、最近はそのケースもチラホラ見えて来ています。
出品募集のギリギリにやって来たのが、ちょっとしたリーフに貼ったコレクション。スコットアルバムなので出所はアメリカでしょうか。解説も要りません。文句なしのラストロット、スーパー・ゼネラル・ブローカー=●君(イニシャルは書けません。怒られるので)、2番札になれるかな?

2008年9月27日(土)

『改桜20銭リ』
17年前にサンケイホールで見つけ以来、いわば幻の存在でした。この程、内藤委員長初め関係者各位のご援助でJAPEX2008の会場にて、初めて公開の空間に提示致します。それに先立ち郵趣11月に1ページの紹介のスペースを頂いたのですが、書き飛ばしの下書きの際、思いのほか筆が走ってしまい、半分以上を割愛せざる得なくなりました。私のお遊びの雑文ならば、ぶった切っても構わないのですが、記事を書くに当たって、新発見のスイスの不足税切手の詳細に関して、井上正人氏、また編集全般で郵趣出版編集部三森正弘氏に多大なご援助を頂きました。編集の都合上カットした部分に大いに係わってきます。内容としてもこのタイミングで世に出したいテーマゆえ、私の個人的な趣味であり、また文としても推敲無しのラフ原稿でありますが、初稿をここに載せて合わせてお二人への感謝の気持ちとさせて頂きます。当ブログは郵趣11月号が発行されるまでの戯れのコラムとして、正式の雑誌が出た後は速やかに削除致します。

20銭リは物として末代まで残るでしょうが、郵趣11月号の2ページ+の原稿は一月経過で、正に幻と化すのです。今この瞬間だけのお楽しみだけなのです。

(校正前の原稿ゆえに、いつもに増しての誤字、脱字、重複記載有りますことお許し下さい。)

2008年8月12日(火)

『ポスパケット約款10条』
本日8月12日の夕方に、8月30-31日のPA54・9月2日締切りのMA47のオークション誌を郵便事業会社大阪支店の集荷で発送完了しました。大型の郵便物なので想定される配達日数は受け付けの翌日を起点にしての3日程度です。かなりの地域には今週の金・土あたりにはお届けできると思います。ただ、部数が500以上2000未満の差出なので郵便番号の2桁~5桁で区分して、束ねての差出を条件に、「ポスパケットの特割」料金が適用されます。そしてその条件には、そうでない場合に比較して「3日」程度の配達日の猶予が課せられています。即ち、配達の義務日付としては、ポスパケット約款10条で定められた条文の、「荷物の配達を行う日」に当てはめれば、かなり差出人に不利に計算して19日の火曜日がその日にあたります。ただ、普通はそこまで掛からないはずですし、大阪支店の集荷の、遅くとも翌日朝には新大阪局へのトラック便には乗ります。この件は実行後に電話を貰う約束になっています。そこで、郵便番号2桁で区分され、配達局側の集中局に振り分けられます。新大阪局に確認をしましたが、税金や株式、受験等の超大量郵便物が来ない時期なら、入ってきた当日か遅くとも翌日には次の段階へ動きます。基本的にはトラック便で、北海道等へは飛行機便の扱いです。配達局側の集中局で配達局別の区分が行われ、一日にかなりの便数での発送が行われます。この段階でも遅くとも翌日までには完了されるはずです。昨今の物流は基本的に夜から未明に動くので、夜中に入った物でも翌日配達のルートに乗るはずです。整理すれば、12日の火曜日集荷で、13日の朝に新大阪に入り、14日には先方の集中局、14日深夜から15日未明には配達局、15日又は16日が配達日になります。ただ、現在の郵便事業会社の人員配置と翌日配達義務郵便=エクスパック・ゆうパック・速達と再配達にマンパワーを食われており、「特割郵便」は優先度で劣後します。意図的に3日の遅延を狙うことはないのでしょうが、結果として、約款10条のギリギリの日付になることも有るのです。当ホームページで発送したとの情報が出て、普段は2日で来るのに今回は来なかったというのは論外で、4~5日は余裕を見てください。それで不利益を被らないような日程で発送してますから。
5月の発送時は深刻で、約款の義務の日付より更に遅れて届いたケースも有りました。ルートを追っても、どこの局もが自分のところでは遅延に心当たりがないとの返事でした。一束の5~6件がそうなので、束の状態で紛れていたらしいのですが、結論は出てません。ただ、実態としては配達完了ですから、101号の調査対象にはならず、更には約款には遅延による損害賠償の規定が無いとの理由で、賠償の請求も出せません。ここらは色々議論の余地も有るのですが、ここでは書ききれませんので取り敢えずは控えておきます。ただ、物流の流れの中での遅れと、人的なミスによる遅れとでは大分意味が違います。原因が判明すれば、具体的な要求も出せますし、それに基づき今回は、大阪支店の手を離れたことの確認を貰えるシステムになりました。収友に届いたのに自分には来ていない・・というクレームの電話は何の意味もないのでお控え下さい。暫く待ってくださいとしか言いようがないのです。ここで説明した流れをご理解の上、今週中に届いてないか、週を明けて届いた場合はご連絡頂ければ有り難いのです。

2008年6月25日(水)

『詐欺メールにご用心』 

 (232KB)

6月15日日曜日締切りの、私のヤフーオークションの出品物に関して、詐欺メールが送られています。今までにも何度も同じようなケースの報告を貰ってますが、一向に無くなりません。また、知的な犯罪と言うには余りに稚拙で、引っかかる人もいないとは思います。別掲のメールは3番札の方に送られたもので、当然ながら1番札=落札者とは何の問題もなく取引は完了しております。このアイテムの1・2・3番札の方とは何度も取引実績が有り、それ以外の普通のオークションでも良好な取引関係が続いています。
詐欺メールを送るにも、ヤフーからでは誰でもが簡単には出来ず、それ以前の取引でメールアドレスを知っていることが必須です。だから、詐欺メールを送った人物と送られた人は何らかの接点が有ったはずなのです。ただ、得られたデータで調べましたが私のデータでは詐欺師の特定は不可能でした。その人物のIDは女性名で登録され、「新規」で生きておりますが取引実績は残っておりません。これ以上は興味本位でメールを送って遊んでも生産的では有りませんので、同じような経験をされた方は、ただ只管無視してください。相手にしないのが正解でしょう。
このことを奇禍として6月27日発行の郵趣ウィークリー26号に、思いつきの広告を出しました。偶然にも、「木造船2銭の糊上印刷」がまとまって手に入っていたのです。昭和切手のぐちゃぐちゃのアキュムレーションを額面別に分けていて、たまたま見落とさずに出てきたのです。どのルートで買っていたのか今となっては分かりません。その他にも、ちょっとしたプルーフやエラーも見つけたのですが、その内オークションに出しましょう。
「木造船の糊上」は今すぐなら、ウィークリーを見てない方にもご注文いただけます。超特価の破格値ですが、予想外の出現だから安いのであって、書いているよりは状態も悪くないし、勿論詐欺では有りません。

2008年6月20日(金)

『竜100文2版Pos26』 

 (71KB)

突然、前触れも無く大きい荷物がやって来ました。5月末に会員さんになってくれた人からの出品です。分厚いバインダーにカバーが500点以上、でも出品記事は2行だけ・・。壬申の公用飛脚便、もう一点が竜100文12枚貼りカバー・・・。扱いは一切一任です。
詳しくは、次号の弊社のカタログをご覧頂くとして、以前からかなり気になっていた竜100文の製造面の疑問が一つ解決したように思えるのです。画像でお分かりのように、2版のPos9~35の12Bです。この並びなら、夢のブロック=18の腕落ち・25のあご無し・26の腐食漏れの大エラーも含みます。手彫専門カタログの使用済最大ブロック10も見事に更新です。これ以外の色んな要素はさて置いて、本題に入ります。
消印は岡山の最初の郵便印、差出の書込みが正月廿二日なので、総合的に判断すれば明治5年1月22日が差し出し日だと思えます。2版としてはかなりの初期使用ですし、刷りもシャープで濃青の初期印刷だと言えるでしょう。注目したのが、18の腕落ちでなく、26の頭髪です。どう見ても、濃くも淡くもない周りと同じ刷り色です。だから、「腐食漏れ」では有りません。でも、「頭髪加刻」とも思えません。直感で判断すれば、「腐食漏れ」の前の正常な状態か、加刻後に現れた瞬時の正常類似の何れかだと思えるのです。この件に関しては、市田左右一氏の名著「竜切手」に興味深い記述が有るので、ここに引用しておきます。

 (32KB)

見事なまでの断定調で、一つの可能性は否定されています。ただ、氏の表現ではその現物に触れる機会も無かったようなのです。市田氏の論文では、26の頭髪の状態に関しては、①腐食漏れ→「②一見完全状態」→③加刻での滲みに並べてます。ただ②は実物を示しての結論でなく、又聞き情報を推論でブッタ切ってます。客観的な証明手法としては些か弱みも有るのです。製造面での専門用語を錦の御旗の如く振りかざして論議の道を閉ざすのは如何なものでしょうか。私の考えは①完全状態→②「腐食漏れ」=破損→③「頭髪加刻」=滲みの順だと思うのです。
今回のマテリアルに接する前にも、際どい話が有ったのです。疑念は、Pos36の雷紋軽彫が有るはずの切手で、軽彫でない普通の印刷の初期と思えるアイテムに接した時に起きました。それ時は、面白いけど、そういう印刷の物も有るのかな・・以上には感じませんでした。一枚の単片のバラエティーから、シートの全体像を推し量るのは無理なのです。ただ、2~3年前に、達者な若いアメリカ人のブローカーが送ってきた切手には正直悩みました。Pos26(確かに)で、頭髪には滲みが全く無く、もしかしてとシゲシゲ見ても腐食漏れのそれとは印象が違うのです。彼は、当然、アワヨクバ「腐食漏れ」=未使用でカタログ値500万の期待をしていたと思います。ただ、定量作業のプレーティングは出来ても、経験が必須の厳しい視点での分類は無理なので、夢を含めて、腐食漏れか頭髪加刻かを聞いてきたのです。私の結論に対しては、何の異議も主張も有りませんでした。
確かに初期印刷の雰囲気の未使用でしたが、惜しむらくはマージンが弱かったような気がします。出品記事は、多分、腐食漏れ~加刻のポジションの完全状態?みたいな表現をしたと思います。状態故に売れるかどうか危惧したのですが、期待した人がきっちり落としてくれました。どういう評価をされたかは今現在は聞いてませんが。何れは「竜」の大コレクションの中で意見を表現してくれるでしょう。
あの時も識者と話したことなのですが、説得力の有る根拠は金井宏之氏蔵の100文2版の完全シートに見出せます。市田氏の本にも写真が添付されてますから、誰でも調べることが出来るのです。26は確かに「腐食漏れ」、そして36も明瞭な「軽彫」です。このステータスは同一シートに有るのです。ならば、36の状態完全な単片と同じシートの26はどんな感じなのでしょうか.順序を並べるならば36の完全状態の方が、腐食漏れ・軽彫よりは前でしょう。だから、36の完全状態のシートの26の頭髪もやはり完全だったと思うのですがその証明は現時点ではなされてません。
ここで今回のマテリアルを見てください。最所期使用ということは、初期印刷です。26の頭髪は完全です。そして、本当に偶然というか奇跡的に右下切手Pos35の右隣36の雷紋部分が残ってます。当然の如く、全く完全な状態です。もし、36もリタッチや洗浄がされたのなら、印刷が不完全になったあとで、完全な状態の物が出現する可能性も有るのです。ただ、その作業はされたという証拠は有りません。だから26と違って、こちらは時系列で並べれば、完全~淡いに並ぶはずです。26の頭髪は「完全」→所謂「腐食漏れ」→所謂「加刻」の並びでいいと思うのですが。もしこの考えが正しいとしても、「完全」が「腐食漏れ」より少ないか、同じ程度の希少性と判っても、値段は「腐食漏れ」に比例することにはならないでしょう。切手のバラエティーの値段は希少性よりも、ストーリーの面白さや派手さに拠ることが多いのです。
ここまで書いてきて、どうしても連想してしまうのが、200文の破損~所謂リタッチというお話です。この件での私見もあるのですが、これはデータを数多く並べて論証せねばなりません。オフレコの議論なら結構いいとこまで行けるのですが、ある種刷り込まれている知識をひっくり返すのは大変なエネルギーがいるのです。先駆者は推論で良いのですが後発の者は証拠を示して立証せねばなりませんから。だから、こちらは又いずれ。
因みに今回の「カバー」弊社の100回目のセールのラストロットにしましょうか。最低値もお手頃ににして・・・。

2008年6月7日(土)

『団扇の花』 

 (204KB)

フロアオークションの演台にいる者だけが見られる光景です。弊社の場合はスタート値をリストにして提供してますから、相当なスピードで進行してもフロアビッダーがロット番号をミスしてのビッドは殆ど起きません。これをやってないと、番号のみならず、値段の聞き取りミスも起こる恐れがあるのです。このシステムは海外の同業者がやっているのを見て、私がかなり早い時期から取り入れて、今や国内でも他社も含めて完全に定着しています。
オークションシーンでの、派手さや劇場的な面白さは場での競り合いなのですが、結果のデータをアナライズすればかなりの部分はメールの段階で決してます。目勘定での割合ですが、弊社の普通のフロアセールの場合は落札金額ベースではメール2対フロア1程度が平均的です。下見無しの人のメールビッドでも有る程度は勝負できることを目指して記事を書いてますから。
その時の状況にもよるのですが、人気の有る分野には必ずそこそこのメールビッドが入ってます。自分しか分からない超掘り出しのポイントはオークションでは極めて希な要素です。だから、場で手が挙がってメール相手に競る数は1~2人が殆どで、5人ぐらいから同時に札が挙がって、さしずめ『団扇の花』が満開になることは滅多に有りません。それに、私の手札にはメールの1・2番札の数字とビッドした人の名前が書いてあり、それと場で手を挙げた人の面子と値段を見れば、オークション誌を見ずとも何を競っていて誰が幾らぐらいで勝ちそうかも殆どの場合は判るのです。だからこそ、場を仕切ってのオークションが出来るのですが。
今丁度来月の郵趣の広告=PA53の落札結果速報を見てますが、出来た数字以外の裏情報をちょっと書いて見ましょうか。昨今のオークションの値段という物は、マテリアルに対する普遍的な評価でなく、ヒューマニックな要素、誰と誰が競って・・今回だけの値段・・のケースが結構有るのです。オークションは所詮は刹那の世界であって、参加者が一人抜けるか、ご新規さんが入るかで天と地ほどの差が出るのです。解説します。別のウインドウでデータを見てください。
1172 理屈ではこれ以上のものはないはずです。希少性、地域、日付、このケースでは欧文の要求はされません。NAGANOの欧文櫛は無理ですから。でも、戦後の記念が100万クラスでも驚きのニュースではない風潮に驚きます。
1175 数字としては予想の範囲内。最低値15万ですが、80万以上で5人のメールが有りました。葉書と封書は同一料金、存在数は1対100、ただこのケースの場合はカバーでもほぼ同じ評価でしょう。85円の第5の印刷物を是非扱って見たいのですが。
2430 『団扇の花』が5枚は有りました。誰もが同じ考えで、派手さと希少性が乃木のキズを評価の向こうに追いやるのです。以前売ったペア貼の完全品が70~80万だったかと思います。あの時は随分強気の最低値と思ったのですが、今回の結果を見ればコンディションに我慢して希少性に惚れ込める人の数に多さに認識を新たに出来ました。
3098 表紙に持ってきた意味を理解してくれた人が少なくとも2人以上はいたのです。松田の高額10銭・20銭・30銭の未使用のP11の少なさを金額に置き換えて認めて貰えたのはちょっと嬉しい驚きでした。
3147 表面は本当に綺麗です。色フレッシュ、ウエルセンター、目打完全、でもリガム、これを「NH 極美」と書いてヤフーに出すのは詐欺ですが、リガムと書いてもこんな値段になるのです。勝った人も負けた人もこの数字なら納得でしょう。
3629 理屈的には抜群に珍しいものでしょう。ただ消印がやや弱い。落ちた値段の5倍以上のメールビッドが入っていたのですが・・。入れてた人は拍子抜けかも。
3709 何ともはや・・としか言いようの無い値段です。プライベートで値付けするなら20万以上にはなりえません。ルックス的には合格なので後は誰と誰が競るかだけ。値段を切ってない人と強気で降りない人がぶつかっただけ。出品者もオークションを良くご存知だし理解力が有る人なので、率直に喜んでくれるでしょう。記憶からも記録からも消しておきたいデータです。
3847 棟方の直筆は、例の特徴のある汚い筆書きが結構残っています。私の売値なら2~3万でしょうか。但し、この人の場合は木版の版画は別格なのです。展示会の案内の印刷葉書や文字だけの葉書なら一桁は値段が下がります。
3917 直感で付けた最低値ですが、メールも結構入ったし、フロアにもその分野の人が数人来てくれてました。小判のプルーフなどと違って、昔はそこそこ見かけたという話を聞きました。今回程度の値段が相場なのでしょう。
4084・4089 型録値を見て下さい。フレッシュという以外に製造面のバラエティーの手変わりの要素は皆無です。メールで強気に入れていて、更にわざわざ、たまたま場に出てきて、しかももう一人の滅茶値で入れてる人のメールビッドに負けているのが許せずに場で手を挙げて落とし切った故の値段です。この値段の1/3なら喜んで売りますけど。この調子が続くなら手彫の未来は明るいのですが。一連の桜のVFの出品者、随分高い値段で買ってた人ですが、今回は報われたと思います。オークションでは「2人いれば」この値段になるです。「一人いる」のは結構多いのですが、二人目が中々難儀なのです。
4098 直近の他社のセールの上耳付の3連が200万、下耳付の3連も多分これっきりで終わりのはず。メールビッドは最低値120万に対して、200万と210万のキッチリ2本だけ。情報は行き渡っているしグロスの金額故にアワヨクバや抜け目狙いのビッドは皆無です。ただ、1枚札が抜けたとしてスタートが120だったとしても、落ちる値段は紛れずに200か210か220のどれかでしょう。皆さん賢すぎるのです。

2008年6月3日(火)

『オークション終了』
第53回フロア・第46回メールセールは本日までに無事終了しました。既にUPしております落札結果速報をご覧下さい。フロアセールにおいては、演台から見ているとロットナンバーを読み上げた瞬間に団扇=パドルの花が5~6本開いたものも見受けられ、随分賑やかな競りになりました。印象としては競るものは競って、一桁伸びるし、単片の使用済では安く付けても見向きもされない分野もあるようです。ここらは、編集の時点で神経を研ぎ澄まして、取捨選択をせねばなりません。それがオークショニアの役割ですから。
今回はオークション誌の発送で、想像外のトラブルが発生、そのまま放置すれば次回も起こりかねない深刻な状況故に、何らかの措置を講じます。一件はイスラエル宛のEMSが不在で持ち帰られそのまま配達されず。結果、期日までに受取人には届かない。もうひとつは、国内の配達遅延。5月の16日の午後5時過ぎに、郵便事業株式会社・大阪支店の集荷で発送、ポスパケット約款10条(ゆうメール=旧冊子小包の特割)の荷物の配達日数の義務的配達完了の日時は22日の木曜日、この日に着かねば契約違反になるはず。ゆうメールの特割の条件の一つは郵便番号の5桁又は3桁での束ねての差しだし。ところが今回は、340-00で出した7件が早くて24日の土曜日、遅ければ26日の月曜日の配達。具体的には草加局扱いのものが該当する。それ以外にも、遅延の問い合わせが数十件有り、埼玉、千葉、神奈川、北海道が多かった。ゆうメールの配達の流れは、大阪支店で集荷、持ち帰って束状態で区分して、新大阪支店を経て、各地の中継局へ行く。草加局を含めた33・・・、34・・・は埼玉新都心局が担当になる。ゆうメール等の大型郵便物は通常の送達想定日数が約3日、プラス特割の遅延承諾が3日加算される。現在の日本郵便=郵便所業株式会社の考えは、只管に「打倒クロネコ!」だから、原則翌日配達が義務的に課されている、エクスパック・ゆうパック・速達に人手を割いている。料金も割り引いている故に送達日数がこれらに劣後する「ゆうメールの特割」が後回しというのは分かるし、それを承知で使っている。それでも十二分に余裕を見ているはずの、請負契約の一部を履行できないというのは事業者として有るまじきこと。遅延の発生する可能性は、大阪支店、新大阪支店、さいたま新都心支店、草加支店の4箇所に有る。この内の草加局での可能性は極めて薄い。末端の局にまで来た郵便物は次々に処理するのが一番楽なはず。遅らせるメリットは何も無い。
電話での問い合わせの段階では、さいたま新都心と草加はこの日付での理由の有る遅れは発生していない=天候異変や事故発生、税金、株式、受験等の大量郵便物による業務遅延も無かったという。大阪支店と新大阪支店は今だ返事無し。普通便でしかも遅れたとはいえ、配達完了郵便物の為、101号での調査要求は使えない。放置すれば次回以降も恒常的に発生する可能性がある為、然るべきルートへ調査要請を出すことになるでしょう。
もう一件の年初からの「オークションのルール」に基づく懸案が、この程明瞭な結論を得ました。今回で無い既に終わっているオークションへの出品物に関してだが、オークション誌を発送直後に出品者から、その一部を取り消しにしたいとの申し入れが有り、電話でのやり取りでそれを拒否、その後不測の事態を避ける為に要求の有った物も含めて全品を取り下げ、要求者を除名にして以降の出品・入札の利用も拒否する通告をした。オークション誌の規定にも、「規定に記していない運営上の判断はオークショニアの裁定による」。更にはこの出品者には、当然ながら発行の数週間前に掲載原稿を送っており一定の期日内に返事がないことで、異議が無いと判断していた。相手方=原告の要求は、不当に出品を取り消され、更に除名されたことへの損害賠償が10万円、拡張しての要求が、この件をブログに書かれたことに関連しての損害賠償が10万円だった。相手方の主張の根拠は、オークションの出品物に対する所有権は出品者に有り、落札者が決定するまではその権利は絶対であり、売る・売らないも出品者が決定できるというものだった。これを解釈すれば、入札値を出品者が聞いて、それで売るか売らないかの判断を委ねるという、かつてどこかで噂になった変てこな出品者の跳梁跋扈を許すことになり当然ながら受け入れるわけには行かないのである。
裁判での論争は唯一、法に則してどちらに理があるかか否かを裁判官に判断を委ねるということである。私の主張は、オークションの起源が紀元前のバビロンの奴隷市から・・説き起こして相当の頁数を費やしてルールの詳細を書いたが、裁判での判断の元になる条文は、商法551条・552条の問屋(といや)取引に収斂し、その内の有償委任取引を委任者の一方的な申し入れで解除できないということだった。ここらの詳細は、あまりに長くなるので別の機会に譲りたいが、5月28日付けの特別送達で送られてきた判決文は、「原告の要求を棄却する。訴訟費用は原告の負担にする」。私が、最初に要求したそのままの主張が一文字も違えずに認められた。原告は2回目の口頭弁論から出席せず、2度の欠席が続けば休止満了=訴訟の取り下げになるのだが、私としては裁判長の判断が欲しいが為に、結審しての判決文を書いて貰った。この裁判は第一審が、某簡易裁判所なので、控訴するなら大阪地方裁判所の某支部、上告は最高裁になる。その選択は敗訴した原告によるので期日が来るまではどうなるのかは分からない。今回の判決理由は基本j的に、入り口の段階での原告の主張に理由が無いとの判断で、私が望んだ商法の551・552条には触れられておらず、その意味では少し肩すかしかな。オークションのシステム論に関わることなので、より詳細な報告は場所を改めてきっちり検証したいと思っている。「オークション」の括りでも、裁判所の不動産の競売やヤフーのオークションとは似て非なるもの。関わる法律=商法も違うのでここらも含めて最高裁まで行って、確定の判例を得たいという気持ちも無くは無いので・・。

2008年5月23日(金)

『引き続いてのスタンプショウ広島』その2

 (397KB)

ロットNo.
記事
金額
135
48文2版    4枚プロペラ
70,000
136
半銭IN     クロスロード
70,000
138
1銭政府ペア 石ノ巻不統一
30,000
139
松田2銭    高砂不統一
15,000
141
中間印刷再接ペア
50,000
143
赤2銭     COLORADO 船内印消
20,000
144
ⅡN      四日市検査済
25,000
145
松田10銭   SHIP
40,000
148
2銭ホ     東富田 伊勢
20,000
149
10銭ロ     SHIP
15,000
150
10銭ハ    P11(下辺12 1/2)
50,000
151
20銭ニ    濃色 未使用 殆どNG
50,000
152
10銭ホ    SHIP 右辺浅い
50,000
154
新潟小ボタ
10,000
155
長崎小ボタ
12,000
156
高崎小ボタ
20,000
157
長崎小ボタ
12,000
158
8角仏船内印 裏少薄
30,000
161
無地       HIOGO
50,000
163
宇都宮ボタ  目打裏少薄
12,000
164
高田ボタ
15,000
167
◎仏船内印
30,000
168
無地9s     SHIP
15,000
173
45銭白紙   SHIP 右上RC
150,000
178
前橋ボタ
15,000
179
水戸ボタ
60,000
182
上海3枚プロペラ(線入り)
15,000
183
上海白抜サ
10,000
186
◎仏船内印
25,000
188
パクボー サンフランシスコ
15,000
192
独東亜細亜商船船内印    裏少薄
70,000
193
パクボー ビクトリア(カナダ) 裏少薄
10,000
195
地図無し明瞭
40,000
196
旧きく60円帳 中央横目打無し
50,000

2008年5月22日(木)

『引き続いてのスタンプショウ広島』その1

 ①(1.92MB)

  ②(1.90MB)

5月17日―18日に開催されました標記イベントに今年も参加しました。本年の企画は200点のドラフト制での販売でした。展示しての即売を登録・指名で行い、ほぼ60%=高い物から順に売れていきました。残った物はここで先着順で即売いたします。メールにて、在庫確認の上ご注文下さい。カバー類と単片を2回に分けて掲載いたします。

ロットNo.
記事
金額
和桜1銭政府貼 イ1番
50,000
1銭ル貼 ヌ9号
20,000
見付検査済
60,000
大聖寺不統一 少シミ
35,000
10
シ17号+出雲崎
20,000
14
盛岡ボタ
20,000
17
独東亜細亜商船船内印
35,000
19
TUNGCHOW
60,000
20
軍事加刷 青島 野戦局
20,000
34
薄手2銭往 OSAKA
20,000
47
NINSEN 葉の下少縮小
20,000

50

満旅順
20,000
53
KEELUNG
15,000
56
朝日新聞訪欧大飛行
50,000
57
TAKAO
40,000
58
価格標記封筒封上部縮小 KEIJO
35,000
59
12枚貼 TENYO-MARU
15,000
60
KEIJO
20,000
61
売れました
62
売れました
63
日中コンビ MOUKDEN発上海宛
50,000
65
新毛コイル貼 南京飛行
35,000
66
台湾選挙投票入場券
20,000
67
支毛・支菊8枚貼 青島 野戦局
50,000
68
TSINGTAU
50,000
70
SHASI 薄消
50,000
71
売れました
72
富士鹿20銭貼 基隆+KIIRUN
30,000
73
旧改富士鹿8銭貼 KOBE 封角少欠
30,000
76
米船内印消
15,000
77
ASAMA-MARU
40,000
79
検閲封緘紙貼 逓信省第七検閲済
15,000
84
無透螺鈿10円貼印刷物米宛
35,000
87
官報3200号付録 明治銀婚 見本貼
40,000
89
日清4完貼 有栖川2銭少キズ
35,000
93
TAIYO-MARU
15,000
95
大連―蔚山航空便
20,000
98
TERUKUNI-MARU
30,000
112
ナポレオン貼横浜宛
25,000
113
独東亜細亜商船船内印
20,000
114
独東亜細亜商船船内印 PAQUEBOT
20,000
115
無切手葉書 独艦船船内印
25,000
118
イギリス発名古屋宛 INCONNU
15,000
119
イギリス発旅順宛 楕円満鉄印No2
40,000
120
独切手貼 独艦船船内印
35,000
122
ロシア葉書北支宛 CHANGCHUN 中継
20,000
124
満州切手貼 丸二HSINKING
15,000
128
売れました
132
暫定香港加刷3完貼FDC
30,000
133
旧毛1円50面シート上耳なし 横浜戸部六
30,000

2008年5月13日(火)

『ドラフトの流れのご紹介』 『単片類のエントリー』

 (275KB)

5月17日・スタンプショウ=ヒロシマでの「ドラフト制での販売」の説明いたします。既に当H.PにUPしましたアイテムを中心に、日本関係品200ロットを当日、展示即売いたします。即売値を明記して、現物をご覧頂いた上でのお買い上げをお願いします。
エントリー受け付けは17日(土)の午前10時~、投票締切りの午後1時直前までにお願いします。登録はドラフト参加ご希望者にエントリーの際の投票用紙(アルファベットの記号入りで原則10枚=1~10の優先順位付、ご希望ならそれ以上の枚数も可)をお渡しする為の物です。お名前・会員番号(会員外でもハンデ無しでご参加いただきけます)をお申し出いただき、抽選でA~Zの記号を選んで頂きます。会場に来られた方ご自身で1回だけ引いていただきます。この段階で先着順でなく26名の方の「記号=優先順位A>B・・・」が確定します。エントリー者が27名以上の場合は追加のa~zの記号になりますが、27番以降の方はa<Zで受付の時点でかなりの不利になりますので、26名以内に入れるようにお早く登録してください。因みに昨年の同様の企画では約30名のご参加でした。
該当品200点への指名=購入の意思表示は締切りの午後1時までに完了してください。最重要なファクターは購入希望品に順位付け=ドラフト指名し、ルールに基づき購入者が確定することです。途中開札や、外れ1位の救済は有りません。各アイテム毎に指名の札寄せを行い、そのアイテムに指名1名なら順位に係わり無く、その人がお買い上げ、ダブった場合は2段階での選定が為されます。アイテムごとに指名順位で並べ、番号の若い方が優先です。同順位がダブった場合は登録の際にお渡ししたアルファベット記号の若い方を優先します。即ち記号Aを引いた方のみは1点は100%買えます。B~Zでも指名順1位の物はかなりの確率で買えますが絶対では有りません。お申込者の記号は公表しませんので、ライバルには隠しておいて上位札を有効に駆け引き投票して下さい。引渡しは2時~を予定しております。会員さんは代金後払いで構いません。非会員の方は現金決済でお願いいたします。また、予算が有る場合は、エントリー時~開札確定までに係りにお申し出下さい。優先順位の高い順でその金額の範囲に納め、残りは辞退扱いにします。
今回はカバーを中心にストックを大幅にリニューアルしました。ドラフト分以外も付け値1万円以上の物だけは別置きでブック4冊、それ以外は30+のテーマ毎に分類しています。記念シートの額面売りやブック・OPP小袋入りの単片も持参しますので2日間ゆっくりお楽しみ頂けるかと存じます。