月別アーカイブ: 3月 2023

日仏コンビが35通

既にご案内の通りなのですが、Robert Siegelの MAGNOLIA コレクションのカタログが届きました。表題はJapanese Foreign Mail and Post Officeなのですが、Stephan Chazen氏のフランス横浜局コレクションがメイン、デグロンカバーが主体で日仏コンビが35通並んでいます。彼はアメリカの独立系の石油会社でシェールオイル大手の著名企業、オクシデンタ・ペトロリアムのCEOでした。北海油田での大事故とか、直近ではウオーレン・バフェット氏のバークシャー・ハザウエイが、株を15%所得した事がニュースになっています。

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当時は意識してなかったのですが、弊社でも結構買っていただいていたのです。当初はエージェントの名前での取引だったのですが、何時しかお支払や発送はご本人宛になっていました。金額は大きいのですが、先方が保険会社と特約を結んでいるので、FedEXの着払い、輸送保険付き、お支払いは、即刻での振込みなのでストレス・フリーの取引が出来ていました。思い出深いのが、旧中国大龍3銭と旧小5銭のコンビネーションのハワイ宛、手数料込みで1000万円を超えました。海外からのテレフォンビッドが2人で競って、値段を切ってビッドを依頼していたChazen氏が負けました。極めて貴重な敗北だったと思います。このエンタは、ハワイ宛の料金が抜群に面白いのですが、ふと思いついて記事にして、片山七三雄氏と山崎文雄氏が解明してくれました。落札者はフランスの中国人のDr.で、お父上とは長い付き合いをしていたのです。品物は香港のオークショニアのジェフリー・シュナイダー渡しをリクエストされたので、丁度しょっちゅう行っている頃だったの、持参して、問題は無くビジネスを完了できたのです。今にして思えば、結構ハードなディールをやっていたのです。

今回のセールは、彼のコレクションの極一部です。何せ、デグロンがゴミのように並んでいます。でも多分、アメリカ局の方がグレードは上だと思います。私が扱った物でも、HAKODADIや、神奈川領事館、ニューヘーブン→生野のコンビネーションが有りますから。Siegelなので、如何様や、空売りは無いと思います。これだけ並んでいれば、参考値に惚れて、ちょっかいを出したくなる人もいるでしょう。実際、絶好のバーゲン・ハンティングかも知れません。でも、私は手を出しません。落としても、デグロンを100万+で買える人の顔が思い浮かばないのです。

達者なブローカーさんも十分、物のチョイスをして下さい。ひねりの要素が有る物を一見安く落とせても、いざ売るとなるとしんどいかも知れません。目を瞑っての、最低値一任で弊社に送って来られても、私は料理できる自信が無いのです。この並びを見せられれば、物に対する敬意が消滅して冷静な評価が下せないのです。知り過ぎるとビジネスが出来ません。

このカタログに広告が出ている、香港の文華拍売有限公社=AVAオークションですが、ついこの間までは、初耳でした。落札結果を見ても、中国ものが突拍子もない値段で落ちています。Chazen氏自身の関係者の会社かなと思っていたら、中国人が教えてくれました。お前がよく知っている香港人がやってるぞ・・。D・・、W・・、いや、言われれば心当たりが有るような、無いような、何年か前のJAPEXで会ったのは確かなのですが、その後のビジネスの印象は有りません。それに、今の香港は何がどうなってるか分かりません。ここ数年は行きもしないし、ビッドも全くやっていないのです。Chazen氏の弊社でのお買い上げは、ほんの数千万円、でも、期待していた物には不思議な程に食いついてくれたのです。今となれば、もっと真面目に商売すれば、他の同業者位のお付き合いも出来た人だったかなと思うのです。所詮は、弊社が扱う純日本物では彼の好みからはズレていると勝手に思い込んでいたのです。

Siegelがポット出の香港のオークションハウスに広告スペースを提供する位なので、さぞや凄い金額のビジネスが隠れているのでしょう。軽く見ても数十億円、いや一桁上かも知れません。デグロンカバーの数を見て、私の認識が如何に甘いかを改めて認識した次第です。

出品物到着

つい今しがた、手彫切手9点の出品物がレターパック+で届きました。各メディアに広告を出している中国系のディーラーさんからです。

竜100文1版Pos13 未・100文腕落ちが未と済・200文腕落ち済・200文2版無地 未・500文2版無地 未・洋桜6銭ワとヨ 未・書き十 済、最初の1枚は本物ですが、他はどこかでよく見るような物で、送り先を間違えたのでしょう。まさか、高買いはしていないと思いますが、突然かけて来た電話の雰囲気では、【お宝ゲット】としてハイテンションの風情でした。

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5分後にお返ししましたよ。

5月のオークションの編集を進めています。面白い物が1点有りました。竜200文1版の初期印刷、地名入り検査済の局名欠け、必死になってプレーティングをしたのですが、1ミリ刻みに写真を辿ってもピッタリ来ないのです。まさかと思って2版で調べたのですが、勿論合いません。1時間は掛けたと思います。1版のプレーティングのミスでは有りません。

結論は、極精巧な偽物、上に書いた8点とはレベルが違います。オークションに出しますので、是非ご一覧下さい。

お急ぎください

4月1日から切手や葉書の書損手数料が変わります。大雑把に言って、現在は現在は@5円なのですが、今後は1回で100枚以上なら10円に変わります。今後も多くの条項で、郵便約款を変更して、恣意的に条件を悪化させることが予想されます。既に、額割れの相場が大幅に安くなってしまっています。

今ならやれることを書いて見ます。例えば50円切手を手数料5円を低額切手でレターパックプラス=520円に交換して下さい。ご自分で使える程度は残して、超える分は465円で現金化出来ます。計算式とすれば、465÷520(+55手数料)=465÷575=80.87%です。バラの50円切手をストレートに切手で売ってもこのレートにはなりません。1枚5円の手数料でやれる内に頑張ってみる価値は有ると思います。レターパックプラスの金券ショップでの買い入れ価は、実需に依る物なので暫くはこの数字は保てると思います。でも、実務上は1回で100枚未満しか@5円で交換できないのは辛いと思います。3月31日までに是非頑張ってみて下さい。