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日程確定

PA112・MA98は7月22日(水)締め切りのメールオークションとして開催いたします。オークション誌は7月1日(水)発送、東京下見会は。7月11日(土)新橋駅前・ニュー新橋ビルB2会議室で、10時~16時45分です。Web.でダウンロードしての下見は6月25日(木)から可能です。大阪の事務所での下見は火曜~土曜(但し7月11日~14日は除く)10時~17時です。

最低値の変更が1点御座います。Lot6507 1,000→5,000円です。

PA113・MA99は、9月13日(日)に1日限定のフロアセールとして開催いたします。何時もよりスペースを広めに取るように会場をセッティング致します。フロアセールの出品数は約3000ロットですので、午前中からスタート致します。社会状況から判断して、バザールは開催いたしません。オークション誌は8月12日(水)発送、東京下見会は、8月30日(日)切手の博物館です。

状況のご報告

本来なら、112回のフロアオークションと65回目の大阪駅前第三ビルバザールの開催日のはずでした。ご存知の通りの状況の為、日程を変更させて頂きました。PA112・MA98のオークション誌の編集は、ほぼ目途が付きました。6月中の発行を目指し、メールセールにて開催致します。締切日は7月中旬以降を予定しています。東京の下見会は是非とも実施したいのですが、日程が確定できておらず、現時点では発表できません。大阪での下見は、7月頭から可能になる予定です。まだ暫くご猶予をお願い致します。

現状で最も危惧しているのが、海外との物流の動きです。アメリカ宛の場合、EMSは完全にストップ、既に差し出した物でも配達に到るには4か月はかかるそうです。航空便の印刷物も引き受け停止、航空便のレターは引き受けてくれるのですが、JPの引き受け局から国際局=大阪の場合は大阪国際へ行って、そこでストップです。差出済のEMSより優遇はされないと思いますが、なぜこれを引き受けるのか判りません。気長に待つしかないでしょう。中国、イスラエルは全部ダメ、それ以外の諸国も平時のようには行きません。弊社のオークション誌の海外発送は60~70名なのですが、どうしたものか苦慮しています。FedEXが受けてくれるのなら、コストは滅茶高でもそれも有りかなと思います。出品物や買い入れの額割れ品など、海外からの荷物も複数届くはずなのですが、皆ストップしています。今は待つしか有りません。

8月末に予定しているオークションとバザールですが、現時点では明確な返事は出来ません。出品記事の編集は、タイムテーブル通りに進めますが、セールの形式は予定通りか、縮小か、日程変更かは決めかねているのです。ご案内できるようになれば、逐次お知らせいたしますので、現時点でのお問い合わせはご無用に願います。無責任な楽観で物事を決めるわけには行きません。

オークション業務一時停止のお知らせ

弊社は国及び大阪府の休業要請に伴い、5月6日まで業務を停止いたします。ご出品物他の郵送物もお送りにならぬようにお願い致します。

業種分類で、古物商(質屋を除く)・金券ショップ共に、休業要請業種に完全に含まれておりますので完全に休業いたします。

オークション誌の編集業務の一部は、テレワークも継続できるのですが、まとめの部分が不可能です。よって、5月30日―31日の112回フロアオークション・98回メールオークション・65回大阪駅前第三ビルバザールは中止いたします。その後の予定は未定なのですが、今回準備しておりますご出品物は、どこかのタイミングで、1日のフロアセール+メールメール、東京下見会と1日だけの第三ビルバザールもパッケージとして実施する際に、丸ごと移管したいと思っております。現状では目途が立っておらず日程は未定です。確定しましたら、当ブログでご案内いたします。全く先が見えない状況ですが、皆さまお健やかに過ごされますことを祈念致します。

オークションスケジュール変更のご案内

新年度に入った途端、弊社が入居しております大阪駅前第3ビルの一角が騒々しくなって来ております。「新型コロナ肺炎」の感染者が遠くない範囲で発生したと危惧される雰囲気です。管理組合の事務所に尋ねても、明確な返事は有りません。所在が大型の雑居ビル故に、余程明瞭なクラスターが発生し、保健所や行政が動かない限り、管理組合としては何らの措置も取れないとのことです。それ故に当事者が黙っていれば何が起きていても判りません。因みにテレビで流れる消毒作業の風景は、保健所が主導して強制的に行う物でなく、感染者が出た事業者が業者に依頼して実施するとの事です。

茫洋とした雰囲気以上の的確な情報は持っていないのですが、ここ当分は劇的に事態が好転するとは思えません。直近の大阪の情況から判断して、弊社で予定しておりました、5月30日―31日の第112回フロアオークション・6月2日の第98回メールセールと第65回大阪駅前第3ビルバザール、前記オークションの為の東京下見会=5月24日は、当初の日程での開催は困難であると考えております。昨日から、事務所は閉鎖しており、弊社のスタッフは自宅にて待機しております。オークション誌の編集自体は、自宅での作業が可能であり、スクジュール通りに完成できるのですが、セールの日程が確定出来なければ、印刷の為のデータを入稿出来ません。セールまで2か月近く有るのですが、楽観的に見るのは危険だと思います。

5月のセールのへのご出品物は、何時も通りにオークション誌2冊で編集を完了させますが、オークション誌の発送は現時点ではお約束できません。希望的観測では有りますが、8月のPA113・MA99を予定通り開催することを前提にして、それ以前のタイミングでオークションを行いたいと思います。フロア・メール・バザールをフルに開催できるか、メールオークションのみになるかは現状では想像できません。確定しましたら、当HPにてご案内いたします。

今後は、郵便物、宅配便共に受け取りが困難になると思いますので、8月分のご出品物は、追ってご案内するまでご送付なき様にお願い致します。また、お問い合わせいただきましてもご返事が遅れると思います。ご理解お願いしたく存じます。

琉球切手使用済即売リスト

恐らくは今まで、どなたもがやったことが無い即売リストを作りました。【琉球切手 使用済】です。

20数年間にわたって、溜め込んでいた琉球切手の使用済を種類ごとに整理しました。日本切手のおまけにくっついて来た物ですが、リーフやストックブックからは外して、箱に放り込んでいたのです。商品化は諦めていたのです。それを売ることを目的に買った訳でなく、勿論それを望んでも仕入れは不可能なテーマです。ふと思い付いて、きっちりした在庫を調べてみたのです。100円加刷は別格ですが、1次普通は初版も再版も、真正の使用済は極端に少ないのです。最難関は、米価暫定の糊付ですが、これはちょっと特殊です。コンプリを目指して並べて見れば、1次普通の初版・再版、2次普通の50銭白紙、10円加刷の3版、組踊小型シート、西表確認証紙を加えて、280種で完成しました。流石にこれは表で売りに出す程の在庫は無いのですが、1次普通と100円加刷を除けば、即売リストを作って個別に対応できることが判りました。初期の記念、航空、速達はカタログ値は高いけれど、沢山あるし、難しいかなと思っていた1970年代の記念も大丈夫です。途中でちょっと郵便使用が少なく、当然在庫が少ない物も有るのですが、FDCはがしを使えば何とかなるのです。

希少度=弊社のストックの多寡を基準に値段を付けました。基本的には実逓消ですが、一部はFDCはがしの櫛型印も含みます。特印は外します。ご希望の方は、リストをダウンロードしてご注文お願い致します。型価は参考にしましたが、それ以上に弊社の在庫数を重視した値段を付けています。収集の指針にもなる即売リストだと思います。琉球切手を対象にしているゼネラルの使用済コレクターが果たしてどのぐらいおいでなのかがちょっと気になるのです。未使用の美品=NHは、100円加刷と1次普通の初版1円以外は普通に在庫しております。こちらも組合カタログの50%で販売いたします。以上、店頭販売はいたしません。通販でのみの対応になります。

【琉球切手 使用済】

二代目和風総本家

11月17日開催のJAPEX’19スペッシャルセールの業務は、11月28日の落札代金の精算を以って完了いたしました。本年は出品点数2032・落札点数1375・落札額86,272,250円=手数料を加算すれば100,075,810円になります。因みに返品はゼロでした。メールの応札数は373件、フロア参加者は127名、落札率は67.67%です。JAPEXセールとしては、成約額は過去最高ですが、ビッド人数も落札率も過去最低です。ビジネスとすれば好結果に見えますが、裏には陰りも潜んでいます。今回は特に目玉的な物が多数あり、お支払を勘案して絞ったビッド行動だったという事です。100万円以上の物が12ロットというのも過去最高です。ビジネス的には今回の結果はオーライですが、高額物へのビッド数は2~3が多く、クールにアナライズすればある種の怖さを感じます。ビッド2で競りに競って値段がぶっ飛んだ物も有るのですが、それですら1人抜ければ最低値、2人抜ければ不落札が現実です。ハンマープライスに酔いしれるのでなく、現実を注視して心して掛からねばなりません。

今回のセールのトピックは、16日の下見会で事前準備のためにほぼ1日、当日のフロアセールではロット1~2032のコールの全てで、完璧にテレビカメラが廻っていたことなのです。テレビ東京系の情報バラエティ番組、【二代目和風総本舗】12月5日(木)夜8時からの2時間特番の取材でした。企画書によれば、「追跡!最高級品 買ったのは誰?」のテーマで、切手のオークションを取り上げてくれたのです。企画段階ではオークションとして、他に金魚と刀剣が有ったのですが、金魚は100万以上にはならないし、刀剣の競りは仲間内なので没、こちらにお鉢が回ってきたのです。誰かの紹介でなく、ネットで調べて連絡をくれたのです。テレビ大阪ですが、東京制作部なので銀座が所在地です。フロアセールの日付けと場所も最高の条件でした。バラエティー番組の一般的な作り方とすれば、下請けのプロダクションへの丸投げが多いのですが、この番組の制作はテレビ局自体が全部やっています。放映は多分10分位でしょうが、電話での打ち合わせも10回近くしましたし、事前にディレクターが東京からわざわざ梅田の事務所へ来てくれました。

コンセプトはオークションで競って100万以上の物を落して、その人を追いかけて自宅で取材したいという物でした。今回のセールの場合、100万超は楽勝でした。事前でピックアップした物が10点有り、セールでの結果は9勝1敗です。でもフロアで落ちないと駄目なのです。そしてマイクを向けて、にっこり笑って、遠方地も含めてのご自宅での取材となると、途端にハードルが上がるのです。やらせは一切NGです。ハードルを少し下げて、何人かにお願いしたのですが、当初のコンセプトでは全員に断られました。保険を掛けて、緩やかな条件での抑えはOKが取れていたので空振りにはならないのですが、出来れば当初の企画に合致した画を撮りたいのです。

土曜日の下見の会場で最適の人を見つけました。狙いの物はEx.Levyの竜銭のブロック、地元印のポイントで絶対に欲しがるはずの物なのです。強靭紙の6枚ブロックなので、基本の評価として最低値は100万円、希少性を評価して、メールはお一人だけれど、結構いい値段が入っていました。ポイントは違うけれど、場で競って撥ね退ければ、手数料込みで200万を超えるのです。セールの前なので、どう動くか判りませんが、もし買えたならテレビの取材に応じてくれますかと問うたのです。ディレクターさんが交渉してくれました。私はメールの1番札を知っていますが、それは漏らせません。テレビの事前の取材が効いたのか、欲しいという欲求が強かったのは判りませんが、スタート100万円を一刻み5万アップでゆっくり読んで185万、きっちり落とし切ってくれました。私の読みが当たったのです。昨日担当者から連絡を貰ったのですが、先方のご自宅での取材が出来たそうです。ここらは当日のお楽しみです。

切手のオークション以外でも、番組でクイズをやるそうです。組合カタログをあげたら、先方でアイデアを出して来たのです。特に拘ったのが、おしどり50円の楕円目打、かたくり350円の大蔵・財務・国立銘、値段の変化というポイントで、オリンピック寄付金付きの未使用と使用済、見返りと月雁の画像を頼まれました。結構私のインタビューも映るかも知れません。雑談的に質問をされても、切手絡みなら当然ながら淀みなく返事が出来るのですが、突然の質問が有りました。【切手の値段が決まる三要素は何ですか?】何故かゼロ秒で反応してしまったのです。「歴史と科学と心理学」ちょっとあたふたなので、理由をこじつけました。歴史を使用面での希少性、科学は製造面でのそれ、心理学は人気です。ちょっとズレた返事です。1分間の余裕が有れば、もっと綺麗に返事だ出来たと思うのです。歴史はオークションでの取引実績、科学は定量的な希少度、心理学は人気です。この正解は、茫洋として感じてはいても、咄嗟の問いかけには出て来なかったのです。この部分は放映されるかどうか判りませんが、興味本位でない良い取材を受けられたと思います。最高級品を買った方、ご自宅訪問を快諾してくれて有難うございます。それが一番心配だったのですが、ドンピシャで収まったと思うのです。

70年前の葉書通信

JAPEXセールは準備が完了、何時でも下見して頂けます。何時にも増してハイレベルな品揃えになっています。出品記事を書いていて、面白い葉書を見つけました。【スーパーポーストスタンプレター】1948年1月31日発行の26号です。

スキャンダルというよりもゴシップ通信です。内田照八郎氏の名前には初めて接しました。戦後で言えば、武田寸葉子(武田修)、古屋厚一、山崎好是(以上敬称略)に引き継がれた、怖いものなしで、何でも有りのゴシップジャーナリストの走りの人でしょうか。

spl01

SPL通信、ちょっと翻訳してみましょう。落札代金の最も遅い人、「実名」・2か月以上の記載有り、弊社の場合は、もし書くならば、未払い金額の多い人ランキングに置き換わります。

田中スタンプ・落合氏は、後の日本郵趣協会・水原氏のことです。

飛燕5銭の印刷漏れ、1色印刷の洩れなので、評価は物凄く微妙です。実は、私も同じような物を見つけたことが有るのです。無目打乃木2銭の印刷漏れです。完封を手に入れて、袋を切ったら、99シートの完全品と1シートの白紙が出て来たのです。薄い裏写りが有るので、正に無目打乃木2銭の1色洩れ、見つけた時は喜んだのですが、児玉君にも馬鹿にされたし。何処で売ったか忘れました。飛燕の印刷洩れも、70年前であっても、数千円もする珍品では無かったかと思います。

SPL通信他にも、葉書通信が一杯出ていた時が有ったのです。縁あって纏めて手に入れたので、面白そうなものをお目に掛けようと思います。何時になるか判りませんが・・・。

 

Price on request!!

1980年代の頭でした。今も目に焼き付いているカバーが有りました。アメリカの、確かミシガン州、だと思うのですが、オークションの名前はRobert E.Lippert、ここも今はもう無いと思います。日本人で知っている人は殆どいないマイナーなオークションハウスです。そこにバーゼルのメリヤン宛のカバーが出たのです。小判でなく朝鮮字・年号2字NINSEN?(或はFUSANかも=硬質印なのでSEOULでは無いと思います)、日付に強烈なインパクトが有って、正確に、30・SEPT・00です。仁川(或は釜山)の郵便局長差し出しのメリヤンカバーで、朝鮮字の完貼の書留です。1.5銭が翌日発行なのでこのカバーには貼られていないのですが、適度に大ぶりなカバーなので、差出人と受取人から推測して、新切手としての1.5銭のシートが入っていたかと思うのです。同じような完貼りが、国内の菊のコレクターのコレクションにもう一通有って、そちらはSEOUL 7.SEPT.00 イギリス宛の書留です。ぼやけた話をすればこんがらがるのですが、物は絶対に別物です。オークション誌には写真が出ていました。アメリカのオークションでは、エンタの場合、estimateの数字が出るのですが、このロットはカタログ値のみでした。Sc.$475位だったと思います。40年程前の事、知識もないし、それ以上に資金が無い、それでも落とす気でカタログ値の数倍は入れたのですが、当然ながら落手できませんでした。これに関しては、負けても納得、度胸もないし的確に評価も出来なかったし、外人さんにも負けるビッドだったと思います。このカバーも日本には帰って来ていないのです。

どの位経ったのでしょうか。タカハシスタンプの表紙に、旧韓国李花完貼りのメリアンカバーが出た記憶が有るのです。良く知っているコレクターが落したと聞いていて、そうだと思い込んでいたのです。別件の用事でそのカバーのコピーが欲しくなって、見せてよと頼んで、出て来たのがここでお見せするカバーです。李花50C、1WON他貼のスイス宛書留到達証付き 〇公州です。よく似ていますが私が探していた物とは別物です。東京のサンフィラで買ったと言っていました。この件は、私の勘違いで思い違いだったのかも知れません。

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別件の最重要のエンタをお見せいたしましょう。広田芳久氏旧蔵のコンビネーションカバーです。旧韓国がUPU未加入の時の必然的コンビの書留便ベルリン宛。勿論ユニークで大珍品。水原さん旧蔵の大龍3種貼 アメリカ切手とコンビーション中国宛と双璧の珍品だと思うのです。詳細は【韓国郵趣資料】を読んで下さい。持ち主に声を掛けました。これだけを持っていても仕様がないので売りなさいよ。答えはイエス、だから、Price on request. お値段は要問合せです。余計なことながら、件の大龍カバーを買ったのは、弊社のオークションのニューヘブン発・但馬八鹿宛のコンビネーションを買ってくれた人なのです。中国がメインで、序に日本、旧韓国は守備範囲に入るかどうかが微妙です。アジア3か国の珠玉のコンビネーションカバーを一人で独占、夢のある話でしょう。お誘いする価値があると思っています。人脈が色々出来ているのでちょっと楽しんで見たいのです。絶対に仕掛けた勝負に勝てる自信はありません。でもやる価値は有るでしょう。アメリカ人の大富豪=フォーブスの番付の常連さんのコレクションに入るのも良し、日本に留まるのも勿論有り、さあお問い合わせは来るでしょうか。

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機会を得ながら手に出来なかった3点のお話はこれにて完、これからは集中してJAPEX2019セールの編集に入ります。良い物がたくさん来ています。1日でのセールのキャパが2100ロットなので、逆算して目一杯に並べるのです。

 

支那字入り切手帳

2000年に入っていた頃かと思います。ノルウェイのオークションなので、EngersかGermetenのどちらかです。支那字入り田沢の小さいロットが出たのです。コピーを手に入れて、ポイントになる目打と枠線をチェックしました。数ページで見易く広げてくれていましたので情報とすれば完璧です。結構大白が多かったと思います。状態はフレッシュで極美と見えました。ロット自体は興奮する程の物でも無いのですが、ソソラレルお化けが含まれていたのです。切手帳の表紙なのです。組合番号では帳5・8・11、日専ではBC5、菊か、大白、旧毛の3銭用です。オークションの記事には、切手帳の記載は有りません。完本?ペーン入り?表紙だけ?可能性は各1/3です。切手帳の場合、支那字も無加刷も同じです。区別は不可能です。表紙だけでは菊・大白・旧毛の区別も出来ません。オークションの記載では支那字のロットなのです。でも、切手帳は記事の対象外、さあどうした物でしょうか。得られた情報で、根拠は薄いのですが、他の未使用が基本的に大白なので、切手帳も大白3銭、支那字入りと踏みました。完本でなくても良いのです。1ペーンでも大儲け、白耳付のペアでもOKのステータスです。

私のオークションでのビッドは、落ちなくても仕様がない=この位入れれば落ちるだろうがAパターン、メールビッドはそうします。売値を考えて、その目一杯まで入れるのがBパターン、フロアにエージェントを立てる場合と自分が場に出て下見した場合がこれです。下見はできないけれど、何かが有りそうな場合か、目をつむっても買いたい場合がCパターン、私のビッドの上で買うならお好きにどうぞ、の数字を決めるのです。このやり方では当然ながら99%勝って来ています。負けたケースを完璧に覚えている位ですが、それは又の機会に致しましょう。ノールウェイの切手帳は、このどれにも当てはまらないのです。自分で場に行くのは無理ですし、使っているエージェントもカバーできない地域です。メールで覚悟を決めるしかないのです。他の人ならどうやるかを踏みました。万一、知識が有るビッダーが下見して切手帳を開いたなら、物が有れば100%負けるのです。こちらは、中身入り、しかも支那字の大白3銭だとは評価は無理なのです。旧毛なら大ごとです。無加刷とは毛程も思わなかったのですが、入っている確信は持てませんでした。コピーで見える未使用を計算して、カタログ値の2倍でビッドしたのです。切手帳の表紙を踏まなければ、絶対に勝てるでしょう。日本からのメールで私と同じ感覚の人が居るとも思いませんでした。でも、結果は一声負けていたのです。エージェントが使えていれば、下見を頼んで条件付きのビッドをしたと思います。それが無理、でもまともな踏みなら、型価の200%は有り得ない数字なのですよ。名も知らぬ日本人が私以上には飛び込まないでしょう。真相を知りたいのですが叶わぬ望みかも知れません。

支那字の切手帳の完本には意外と縁があるのです。菊3銭はサーズが流行っていた時の香港のJohn Bullに出た物は、バラシて即完売、去年、珍しくもStanley Gibbonsで買ったのが大白1.5銭の9ペーンと半ペーンの極美のほぼ完本、状態が良いので何人かで競ってくれるかなと思ったのですが、一番期待した人は既に完本をお持ち、それ以外の田沢のトップクラスの人も既に皆様お持ちだったのです。2ペ―ン要るとか、状態理由の買い替えの需要は有りません。2年ほどかけて、やっと弊社のオークションとヤフーと郵趣ウイークリーの広告と駅前バザールとスタンプショウ広島と全日展とで何とか完売になりました。切手帳は「郵趣ブックレット」古家・天野氏の記事が極めて正確です。需要の根拠は有るか無いかだけなので、直感の飛び込みで高買いすると怪我をするのです。捻れる要素はないのです。

最近の私のビジネスでは、海外のオークションでの仕入れは極めて少なくなりました。使うエネルギーは最盛期の100分の1でしょう。年に数回の国内の大きい買い入れと、それ以上の超ハイグレードのビッグコレクションのオークション記事の編集で、仕事量が目一杯なのです。でも縁あって、1年ぶりにドイツのオークションにビッドをしたのです。物は支那字菊外信用の完本です。ここらは私が、かなり評価できるマテリアルです。オークションのビッドスタイルで久しぶりにCパターンでやりました。私の値段以上で買える物ならやってみろ!です。結果は入れた値段の6掛けで、Aパターンのこの位で落ちるだろうの、ジャスト2倍になりました。でも、結構な良い値段、誰が2番札でしょうか。フレッシュな極美品、手にした3分後には解体完了です。JAPEXセールに出品いたします。切手帳のステータス、持っているかいないかだけと書いたのですが、ここで訂正いたします。バラエティーが有るのです。画像で載せた3点をじっくり見てください。加刷の幅が違うのです。右切手の支那の右端から左切手の名の字の左は端まの距離ですが、2銭が27㎜、4銭と10銭が28㎜です。この差は大きいバラエティでしょう。櫛型C13x13.5の中央部の広幅が理由なら、五分の一かと思うのですが、その検証は出来ていません。今回の完本で言えば、2銭は狭幅、それ以外は全てのペーンが広幅でした。切手帳で無い櫛型目打の100面シートを調べれば面白い発見があるかも知れません。現時点での情報でも、支那字菊の切手帳、全額面で広幅と狭幅を集めないといけないのですが、一額面でも並べて講釈を書けば、立派なスタディになるでしょう。誰か出来る人いるのでしょうか。支那字菊の場合、10銭は13×13.5は全てが切手帳と思って良いのかも知れません。4銭はどうでしょうか。C13x13.5で横3連か横耳付の単片が出れば一発で疑問は解決です。現状はまだペンディングでしょうか。もう一つの懸案ですが、支那字外信用で6銭の可能性は無いのでしょうか。ペーンは無理でも、単片のC13x13.5が1枚出てくれば一発回答になるのです。気合を入れて探すことにしましょうか。

20190731

 

 

 

何処へ

会社の引き出しを整理していて、懐かしいオークションカタログを見つけました。

20190730

1985年3月19日のアメリカ・フィラデルフィアのEarl P.L.Apfelbaumセールです。Japan Specializedで、カタログを開いた瞬間にパスポートの取得を決めました。海外へ出たのはこの時が最初、結果としては私のビジネス=人生に於いてのターニングポイントになりました。もう35年経ったかと思うと感慨深い物が有ります。その時のオークショニアのマーチン・アプフェルバウムは、数年後にロンドンからNYへのパンナム墜落事故で大西洋の藻屑と化しました。Walnut  Streetの立派な造りの社屋も既に在りません。時の流れを感じます。時を経て、クオリィティの高さではこの時以上の海外のオークションに幾つも参加したのですが、面白さとボリュームという意味ではこのセールが白眉です。突然の発作的な飛び込みで、海外のフロアセールへの初参加ということも有り、忘れられない出来事でした。今の立場と知識ならもっと別のやり方が有るし、参加メンバーもがらりと変わって、セールの色合いは全く違っているだろうと思います。あの頃は日本切手なら、後先を考えずに無茶買いしても大丈夫な時だったのです。整理して商品化さえすれば、買い手が沸いて出てくれたのです。

海外オークションへのビッドは、それ以前もやっていたのですが、このセールの時に得た人脈を元に、ビジネススタイルが劇的に変わりました。当時の私は世界中のオークションハウスを網羅していて、多分300社位と付き合いが有りました。ロットを買っても、トータルOKで、時間を掛ければ何でも捌けた時代でした。日本切手に関しては、売れない物は、偽物の傷切手だけ、手彫の偽物と本物を間違えなければ、それで勝ちだったという印象が残っています。おまけについて来る中国切手でも残しておけば、一財産だったのにとちょっと後悔をしています。今とは全てに於いて景色が違ったのです。この時に隆盛を極めていたオークションハウスは随分数が減りました。イギリスは全滅、アメリカで残っているのは、SiegelとCherrystoneだけ、欧州大陸の国際的な大手ではCorinphilaとHeinrich KoehlerとDavid Feldman、自国特化組ではスイスのSchwarzenbach、オランダのVan Dieten、スウェーデンのPostilijonen、フランスのRumet位でしょうか。Gaertnerの姿は当然ながら何処にもなく、Inter Asia のジェフリーは、イギリス=Robson Loweとスイス=Corinphilaの異なるオークションハウスを、雇われのテクノクラートの立場で行ったり来たりしていたのです。数十年を経てのオークショニアとしての勝ち組か否かは、中国切手を何時扱ったかに収斂するのです。個人として、当時も今も現役で元気なのは、ジェフリー・シュナイダー、アンディー・ホルツ、デービッド・フェルドマン位しか思い浮かびません。ヨーロッパで日本物を私とバチバチやっていた、ジュリアン・クライブ、ルドルフ・シャピラ、コン・ウエン・スンらは皆黄泉に旅立ちました。超ローカルの日本切手専科の私が今まで生き残れたのは奇跡かも知れません。

1985年前後というと本当に物が有ったのです。マイオークションビジネスのスタートとすれば、何時でも、始めるのがほんの数年遅れたかなと思っていたのですが、結果とすれば、私はギリギリで宝の山に入れていたのでしょう。利幅の多寡はさておいて、良い物を随分扱えました。手にした物はしっかり結論が出ているのですが、買えるチャンスが有りながら、時が味方してくれずに買えなかった物で忘れられない珍品が有るのです。田沢が2点と朝鮮字菊のエンタです。何処かへ消えました。追いかけて、30数年マーケットを見続けているのですが、欠片も見ることが出来ません。久しぶりに当時を思い出しながら書いて見ましょうか。

1985年の少し前、多分1983~4年なのですが、ニューヨークにA5サイズのモノクロのメールオークション誌が有りました。【GOLD MEDAL  MAIL SALE]、親会社が著名なオークションハウスのJ&H Stlowです。全世界のゼネラルコレクションをばらして、シングルアイテムのみで、写真を載せ、スコットカタログ値を書くというスタイルでした。普段は殆ど買う物は無いのですが、吃驚ネタが有りました。大白25銭の単線12の未使用です。糊付ですが、NHでなくLHかOH、写真でもフレッシュさが見て取れました。100%大白です。偶然ですが、その時、丁度手元に掘出しで買ったばかりの旧小30銭11Lの白抜Yが有りました。全く同じタイミングで、イギリスWalesのWestern  Auctionに、菊の18完の未使用のロットの中で、50銭C12x12.5が出ていたのです。夢を見ました。目打の目玉を3枚並べて売ってやろうと狙いを定めました。菊の50銭は、かのオークション会社の本来のセールの場所、ウエールズでやってくれていれば、私が買えたと思います。でも偶然にもロンドンでセールが行われ、北園君が場に出て、私の札を頭撥ねしたのです。直ぐに東京のサンフィラのオークションに出て、天野先生が落として、今は別の菊のトップコレクターの目玉です。Westernと言えばこの時の少し前に、AIKOKU-MARUの葉書の書留を買ったのがここでした。Walesはローカルだし、オークショニアのP.A.Wildeの方針が、出品者の書いて来た記事をそのまま載せる、不落札でもペナルティー無しという時代錯誤の運営をしていたのです。達者な在英のブローカーが、意図して作った日本のクラシックのコレクションを毎回出品していました。物は本物で、数十行の記載は基本的に正しいのです。型価の20~25%位の最低値だから、可能性を夢見る日本人は随分引っ掛かったと思います。私も何度か買ったのですが、直ぐにネタが割れました。政府印刷20銭の縞(彼が亡くなる少し前に、私が呼ばれてプラーベートで買いました)を掘り出す知識が有る人間が作ったロットなので、何らの宝も残ってはいないのです。想像を逞しくしてのブラインドビッドはやってはいけないのです。何度が授業料を払ってリスク回避の術を身に着けたのです。このスタイルを受け入れるオークションハウスは例外なく廃れて消えていきます。以って他山の石とすべしと肝に銘じています。

アッペルのフロア会場で、初めて直接出会った北園君と菊の50銭で盛り上がって気分的にも納得です。その後はお互いに完璧に利益を共有できる仲になりました。菊50銭はその後も随分枚数が増えて来て、10枚ぐらいは有るのかな。恐らく全てが海外での掘出しでしょう。最早ニュース価値も有りません。でも、大白25銭は未だに引っ掛かりが有るのです。ステータスが完全な未使用はまだ見かけません。当時でも売る場合の相場は100万円だと踏みました。逆算して、結構いい値段でビッドをしたのですが、落ちていないのです。メール専門のオークションだし、自分の物を売る会社なので、結果表を出しません。諦めないといけません。ところが、数か月後に、同じ物が再出品されたのです。再度のチャレンジで、同じぐらいの数字をビッドしたのですがその時も駄目でした。日本には戻って来ていないと思います。ミステリーです。この時の私はオークションには全部メールビッドを入れていたのですが、アッペルセールで良い人に出会いました。アメリカ人のオークションエージェントです。いろいろ教えてくれて、今も親しく付き合っています。フロアセールだけでなく、メールオークションだって、何とか手配も出来たのに・・と聞きました。Gold Medal は何時しか消え、J&H StlowもNYを去りました。廃業か倒産です。縁者がミュンヘンの大通りに店を出していたのですが、ここも数年前に店を畳んだと聞きました。あの単線12は何処へ消えたのでしょうか。

ごく最近に、奇妙な情報を貰ったのです。大白25銭の単線12がE-Bayに出ている。値段を教えてくれという依頼でした。やっと来たかと思って、知ってるままを教えたのですが、あにはからんや、残念な紛い物だったのです。聞いてきた人はWDで被害なし、でももうお一人おっチョコチョイがいたのです。信じて落して、弊社への出品物として持って来たのです。おかげで現物を拝むことが出来たのです。丁重にお断りしたのですが、良く買うよ!的なものでした。E-Bayの2点が同じ物かどうかはトレースできませんが、35年前の物とは全くの別物です。大白25銭にはNGや穿孔正の糊落ちは有るのですが、是非しっかりした物を目にしたいと思います。私が見つけた、あの状態なら複数あってもいいはずです。