japan-stamp Archive

2012年6月1日(金)

『オークション・ライブで中継10』

フロアセールの、メールビッドの締め切りは本日正午きっかりです。早朝から作業を進め、12時5分で完全に締め切り、作表作業に進みました。メールセールのビッドは来週火曜日の午前9時まで受け付けますが、フロアセールの追加ビッドは、オークショニア扱いでは不可能で、フロアに来られるか、フロア出席者に代行を依頼していただくことになります。

スタート値(フロア)、暫定入札値(メール)は午後2時半にはHPにUPしています。表に出た数字は、現時点でビッドが有った物で、応札者がお一人なら、ビッドの数字に関わりなく、全て最低値、お二人以上の場合は、2番札の一刻み上=フロアオークションの場合はスタート値になります。各ロットのそれは、一覧表を見ていただくとして、オークショニアしか分からない興味深い数字を出しましょう。

コンピューターの処理は、最終的にはPA72・MA62を同時に行うのですが、現時点ではフロアでの競りの有る無しで、PAとMAで分かれての数字が出てきます。フロアセールとメールセールでは途中経過では扱いが異なります。メールビッドのみをされる場合は、区別の必要は有りません。こちらの作業のタイミングだけが違うというだけで、1枚のビッドシートで構いません。データからはPA72・ロット237はWDなのでこれを除きます。

PA72は出品数2494点、現時点でビッドが有ったロットは1686点、率では67.76%です。最低値の合計は40,199,800円、ビッドが有ったロットの一番札を合計すれば(無入札はゼロとして)60,695,100円、因みにスタート値の合計(無入札は最低値)は55,685,400円です。ビッドが有ったロットのみのスタート値の合計は、プログラムの関係で不明です。

メールセールは出品点数2427点、ビッドありは1226点、50.52%が現時点での数字です。PA・MAを合算すれば、成約は59.17%になります。フロアセールでは、場に120~130名が出席しての競りになり、メールはあと3日+で更に150名位から札が来ます。経験則でなら、落札率は今の数字から10%は伸び、金額ベースでは30%ほど増えるはずです。更に不落札品の即売で3%は売れますので、最終の落札率は70%前後になるはずです。昨日も書きましたが、日本物の高額品は状態が良いせいもあり、大体埋まって、いい値段が入っています。まだまだフロアでも数字が伸びるでしょう。新中国の古いFDCは、きっちりと5名~7名のビッドが上から下まで有って、パーフェクトに埋まりました。まだまだ、フロア当日には2~3人の中国本土がターゲットのブローカーが場で競るはずです。メールセールの率はいつもより悪いのですが、現時点ではノービッドでも、ズラリ並べた官白と未使用のシート・小型シートへは固まった札が来るかも知れません。お一人のビッドの有る無しで随分と結果に差が出て来るのです。今回はこちらの都合で、フロアの点数が何時もより500ロットは少ないのですが、セール自体は密度が濃くなりそうです。時間もたっぷり有るので、山場はゆっくり読みましょう。

バザールの情報です。2日間での開催の催事の場合、どうしても初日に人が固まります。当然ブースも初日の土曜日に集中してしまいます。平均化を図るために、ブース代を各日@4000円から、土曜日6000円、日曜日2000円に変えました。結果として日曜日のブースホルダーが増えています。今回は、買い入れ等で増えてしまった文献類を大放出します。土曜日の朝一の混雑が引いた辺りから、ご自由にお持ち帰り下さいを開始、少し良い物は、日曜日の「ガラポン」の当たりの景品に、更なる貴重な物=少なくとも3000円++の価値の有る物は「ガラポン」外れ5枚をお持ちの方に進呈します。その他は平常どおり、今回も二人が初出店、一度出された方はレギュラーへ定着してくれるケースが多いので、商売的にも成り立っていると思います。では、明日お待ちしています。

2012年5月31日(木)

『オークション・ライブで中継9』

今日、木曜日の夕方5時の時点で、メールビッドの受け付けは508番まで来ています。明日は8時前には出社して前日準備に掛かります。正午きっちりにメールビッドを締め切り、入力をチェックしてスタート値の一覧表は4時~5時ぐらいには出るでしょう。即HPにUPいたします。

ビッドは、100万円+-の高いところは想定どおりに入っていて、更にフロアでも手が上るでしょう。売れて然るべき最低値なのですが、結果には紛れは有りません。まだディープなデータは出せませんが、明日も含めて、更新のペースを上げて行きます。明日のメールビッドの数と強さ、来週月曜日のメールオークションへのビッドの数は半端ではありません。この流れは毎度のことなのです。

今の時点ではっきり分かっているホットなテーマは新中国のFDC、意外にも牡丹や共和国成立15周年の小型シート貼はかなり残っているので使用済+の値段にしかなりません。でもそれ以前の古い時代は、本国に全く残っておらず、世界的に見ても、日本郵趣協会宛しかないそうです。今回は、見事にずらりと並んでいるので、日本にいる中国人のブローカーが本国と連絡を取りながら、熱心に下見に来ていました。清国時代の鉄郵と共に、ホットなフロアになるでしょう。海外からのテレフォンビッドが絡んで賑やかになるはずです。

2012年5月29日(火)

『オークション・ライブで中継8』

ここ10日間は、スタンプショウ広島の即売準備と大口遺品のピックアップ、東京下見会でおおわらわ、集中しての平常のオークションの編集は全くできず、次回のセールの記事の編集は900点弱で止まったままです。東京下見会は約70名がご来場、4時半過ぎで、まだ10名の方が熱心に見てくれていました。メールビッドは347番まで伸びています。100万円+-の高いところも結構入っているのですが、ある分野には軒並み相場の3倍のビッドがズラリ、過去の実績と今の相場を読めば、高すぎて大丈夫?みたいな札も来ています。ある種の危惧もありますが、オークションの流れの中で何とか処理ができるでしょう。フロアセールのメールビッドの締め切りまで丸3日、まだまだ切羽詰ってはおりません。金曜日の9時から12時までのFAXが凄いのです。

スタンプショウ・広島の会場での即売は約4割が売れました。残品のエクセルでの一覧表は今は時間がなくて作れません。速報で残っている物の番号をUPいたします。先着順で即売いたします。消費税内税・手数料不要のNETの販売です。状態の下見が必要でしたらその旨ご記入下さい。オークションと併設のバザールで展示・即売後に改めてデータを開示いたします。即売可能品は次の通りです。

1~3・8・9・13~18・20・22・23・25~28・30・32~35・37・39・44・45・47~49・53~56・60・61・63・64~69・71~75・79・81・84・85・87~89・92・94~96・99・100・102~104・106・108・111~114・117・119・122~125・127~130・132・136~138・140・141・143・144・147・148・150・152・153・155・157・159・161・163~166・168・170~172・174~177・179~183・187・190~200

2012年5月24日(木)

『スタンプショウ=ヒロシマ ’12 ドラフト ルール説明』

今年も5月26日(土)に、広島県立産業会館西館に弊社がブースを出展、会場にて、日本関連の郵趣品、200点を「ドラフトシステム」にて販売いたします。

(90%以上は、今回が初お目見えで、全て消費税込みの値段を明示した即売品です。)

販売は、直接会場にご来場の方に限ります。当日の10時10分頃から正午まで、エントリーを受付、お渡しする用紙にて、ご希望品を「指名」していただきます。

まず、エントリーの際に、抽選機で「記号の玉」を引いていただきます。「A~Z、あ~ん」がガラガラに入っています。同 時にエントリーの投票用紙を、一つの記号に対し1~10の番号入り「A1、A2、・・・A10」(ご希望によりそれ以上も可)をお渡しします。展示しております200点の商品の内、ご希望品ごとに1枚の用紙を使ってください、優先順位の高い物から若い番号にご記入下さい。投票締め切りは13時00分になり ます。

投票を開き、各ロットごとに集計します。投票がお一人の場合は、無競争でその方にお買い求めいただけます。投票の順位(番号)は無関係です。もし、特定のロットに複数の投票が入った場合は、①投票用紙の番号が若い方を優先します。1>2>3・・・>10になります。②同じ順位で複数の札が重複した場合は、若い記号が優先です。A>B>C・・・・>あ・・・>んになります。

優先順位は記号が優先されますので、「A」を引いた方の1位は100%のパワーですが、「A」の2位よりも、「ん」の1位の方が強いのです。他のメンバーの投票行動を読んで、賢く投票して下さい。

10時~13時00分まで下見可能です。

今までの実績では、200点のエントリー品のうち、約半数が指名を受けており、上位指名はかなりの確率で重複します。1位~3位あたりは本筋から外した物のほうが買える確率が高くなります。また、記号が遅い場合は1位チョイスでも安全ではありません。弊社は当ドラフト 200点=即売品の抽選の結果には何らの特別な意思も反映させませんので、是非、当日ご参加の上、運と頭を使ってチャレンジして下さい。残品は、投票後、発表の値段で先着順で販売いたします。

商品のお渡しは、14時30分より、行います。

ジャパン・スタンプ商会会員様は、現品先渡し、口座通し、後日送金にて結構です。

2012年5月16日(水)

『オークション・ライブで中継6』

本日午後一でオークション誌を発送しました。「特約ゆうメール」は、第1種定形外・大型封筒の扱いになります。お届けは18日金曜日または19日土曜日になる予定です。

Web.をダウンロードでの下見では、いつもとほぼ同じペースで10名強のご来店です。19日の土曜日は本が届いた後の、正規の下見の人数が多くなりそうですが、意外と朝早くが混雑してしまい、12時~と16時以降が空いていると思います。上手に時間設定してお越し下さい。独り言をのべつまくなしでしゃべり続ける、ぶつくさ煩いお人の下見は、既に終わっており、善良なコレクターが邪魔をされる心配は有りません。

東京の下見会は27日日曜、目白の切手の博物館です。フロアの出品物は別封も含めて全ロット持参しますが、メールの別封は数を絞ります。特に文献類は持っていきません。今回のLot5598=長岡郵趣 1~1464冊に製本というロットは、かなり重くなるため持参できません。戯れに読んでみて中々に面白かったのですが、多分弊社では初めて扱うはずです。名前からして、ローカルの雑誌という位置づけで見ていたのですが、1件記録に留めたい記事がありました。噂ではとか、どこかで記事を見た覚えが有る程度の、かすかな記憶でしかオープンにされていなかった、『ほととぎす3円の無目打シート』の報告です。記事は昭和37年に書かれていて、発見はその前年と思われます。そしてその後の報告も、公の記録に残る形態ではなされていないと思います。記事が出てから、丁度50年も過ぎましたから、著作権の制限もクリアできると思います。該当のロットを、お買い上げ頂く方のみの知識に留めるのが、余りにも惜しまれます。公の利益に適うと判断して、ここに記事を転載いたします。著者名(所有者)とご住所は消して、原文のまま載せておきます。中々の面白話だと思います。

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2012年5月10日(木)

『オークション・ライブで中継5』

 今日から、Web.でダウンロードされた方の為の下見の準備が完了、本日のご来社はお一人、現時点でのメールビッドは2人です。明日はメールのオークション誌が入って来る予定です。土曜日にはかなりの人数がお越しになるでしょう。フロアの冊子は15日の火曜日に入ってきて、郵便事業会社のリクエストで、5・10日を外しての16日の午後一での集荷・発送になります。7月開催の全日展の入場券と共に来週中には届くと思います。

4月28日付のここでお願いした、PA73・MA63の新規のご出品の受け付け休止のお知らせは、オークション誌と郵趣の広告にも載せました。おかげで現状は極めて静かで、心安らかに仕事を進めています。次号の記事を一気に500点以上書きました。いいペースです。

 海外のオークションのビッドも、香港・スウェーデン・オーストリア・スイス・ドイツと大所はほぼ終了、どこも歯ごたえが無いくらいの安値で落ちて来ます。E-bayで頑張っている、アリゾナのスコッツデール君と私が、香港でガチンコ競れば相当な高値になりますが、彼はヨーロッパには出てきません。だから落す気で入れれば相当の確率で買えるのです。和桜1銭貼りのデグロンや、竜500文の未使用ブロック、100文・200文の塊の読める使用済はこちらが目一杯は頑張らないので負けました。相手は判りません。これらは買う人の顔が見えないので飛び込みにくいのです。今買いたいものは、単品は買う人の顔が浮かぶものだけです。ロットは別の要素で頑張ります。何があるか判らない大きいものに、怖い物見たさのギャンブルをするのです。墺国営競売社の葉書のコレクションは、記事が正しければ紅枠からスタートして、台湾楠公・支那字封緘まで、後半は写真が出ているので、そこそこのハイレベルですが、紅枠と脇付は官製模造の可能性もあるのです。アルバム1冊のコレクションなのでスキャンのリクエストも無理、これは何が有ったのか、正解が見たいが為に飛び込んでしまいます。人を立ててのビッドなので、自分以外に見た人の一声上で買う、ノンリミット的な目一杯の数字を預けるので、幾らで落ちるかというスリルと、内容はどんな物というドキドキ感を味わっている時までが楽しいのです。当然の如く、ビッドの数字に対しては随分と安く落ちますが、入れた値段は高すぎるし、元から根拠も無いので、儲けの金額と売る楽しみというのはそれ程でも有りません。それ以上に手元に来たものは、買値は忘れて右から左へと、どんどん流して行かないと溜まる一方になるのです。

 国内の方も、有力な道具屋さんの買い入れ品は片付きました。99%は額割れなので仕事としては楽なのです。次は来週末の大口のピックアップが待っています。ほほ同年代=米寿の齢の方、お一人は最近鬼籍に入り、もうお一方は33回忌を終えた方、偶然にもお住まいは直線距離で2キロ弱、生前のお付き合いが有ったかどうかは分かりません。全くの偶然で連続してのお話が有り、下見を済ませて大筋の方向を決めました。量も偶然にアルバム・ファイルが各150冊・日本1vs外国2、FDCとエコー、官白無し、文献と箱入りの雑多な未使用・使用済を合わせて、お一人でダンボール30~40個位、一日で2軒分を箱詰めして運送屋さんチャーターでやってしまいます。

 お一方とのビジネスは弊社のオークションを使って既に動き始めていて、タイミング的に残りもそろそろやりましょうという段階でした。こちらは日本以上に外国切手がかなりのレベル、だから海外のオークションハウスを使います。買い入れで、ブック1冊3万円、或いは目方を基準にして、一箱幾らはお気の毒ですから。外国切手は日本では売れません、買値の100分の1にしかなりませんのトークはしたくないのです。今回のケースを想定して、日頃から海外の業者と付き合っているので、今の世界のマーケットの相場で簡単に売れると思います。$360円時代の買値には意味はないでしょう。

もうお一方は、全くの予想外。ある人から紹介されたとの突然のお電話、故人のお名前を聞いて、思わず懐かしい・・と言ってしまいました。実は全く面識がなく、先方の活動期が30年以上前なら私とは完全なすれ違い、でも関西のドンでフィクサーといわれた人から、散々聞かされていたお名前でした。ご本人は若くして亡くなって、いいものは有るけど、おかーちゃんが大事にして売らないんだよ、何度もオークションに出すように薦めているんだけど・・。薦めてくれた人の遺品は3年掛けてほぼ片付いたばかり、たまたま残っていた住所録で故人の奥様から弊社の連絡先を聞いたとのこと。娘さんからのお電話でした。

30年前に月に10万円のペースで使っていて、20~30年は続けていた、日本と外国が半々、

消印のコレクターとして地元では知られていた人でした。GW中に動いて、下見と話は1時間で済みました。こちらが出した条件で即決して貰えました。数年前に東京の業者がやってきて、一括○○○万円で買いたいとの話が有ったとか。でもそれは蹴って正解です。私の場合は概算でのオファーはしますが、最終の取引は時間をかけての評価の後です。一瞥で、赤二の万束が有りました。見た後かも知れないし、丸一の時代でしょうが、谷口長次郎さんか田結荘金治さん辺りからの物でしょうか。国内に有った、持ち主が突然逝った後は30年間手付かずのコレクション・アキュムレーションなので、暫くはドキドキ感が味わえるでしょう。

2012年5月2日(水)

『玉六ヨ』

4月28日の現地時間午後4時20分・日本時間では11時20分にハンマーが叩かれました。現地のエージェントとは携帯でライブで話ができていたので、5分後にここにUpする手筈でしたが、自宅のパソコンの動きが悪く、今日の作業になりました。

Postiljonenの200回の記念セールの目玉でした。ドイツのメジャーなオークションハウスでの最近の掘り出しで、幸運なデンマークの業者が的確に動いて素早くマーケットに出しました。

金井宏之さんのお別れの会で、ベテランのディーラーさんに聞かれました。今、2000万で買う人が何人いるのかね?即答で「世界中で1人」。私のアンテナには複数はかかってこないのです。それも、「玉六ヨ」だから売れるのでなく、傷のない、朱消しでない、白抜十字のNo1の状態だからこそ、商売の可能性が出てきたのです。今まで3回はオークションとプライベートで買えるチャンスがありましたが、何れも値段以前に買う気が起きずにパスしていました。ありふれた物でも、珍しいものでも、状態がよければ相当に強気の値段で通ります。でも2級品は一桁安くして、違う世界の住民からの新たな需要が起きるのです。切った張ったが日常茶飯事の商売とはいえ、覚悟して切り込むには、自分なりの理屈が立たないとダメなのです。今回は強いカードを手にして飛び込めます。

スタートが81000ユーロ、メールの2番札が8万ユーロ=@107x1.2(手数料)で1027万円、1000ユーロで刻んで、台が変わっての一声で、105000でハンマー、大拍手になりました。メールの1番札は10万ユーロ=1284万円、メールのお二人の素性は判りませんが、1000万円と10万ユーロは落ちれば良いなのビッドでしょう。切り裂くような迫力はありません。落とす気なら本人が場で動くでしょうし。

場には日本人が2人いて、ひとりは外国のクラシックの珍品としての「玉六ヨ」を踏んでいました。希少性にプラスして、状態でプレミアを付けていたので、結構強い札でした。幸い私は2ヶ月前に会食して情報を交換、それなりのニュアンスで話をしていました。Corinphilaの流れで来たのかどうかは聞いていませんが、国際展出品者の為のセミナーへの出席のついでに、フロアに出た彼が買っていれば、手彫の世界にビッグなニューカマー登場・・、今頃は驚天動地の話題になっていたかも。プライベートオファーが嵐の如く降り注ぐでしょう。でも物には買う順番が有るでしょう、という言い方で降りて貰って、今回は1点借りになりました。

スウェーデンの『玉六ヨ=No1』、マジで4人は買う気でいましたから、手彫も捨てた物ではないでしょう。もし掘り出しで私の手元に来ていれば、値段は付け放題の商売が出来たのですが、オークションに出されてしまえば、如何にリスクを外して手に入れるかに神経を使います。想定していたMaxには随分余裕が有りました。降りて貰って稼いだ鞘は、そのまま本来の買い手に進呈できるので、良いお買い物のお手伝いが出来たと思います。ユーロの送金も、ちょっとしたテクニックを使えば、銀行間レート=ミドルに25銭のスプレッドでTTSが取れるのです。今日の手配で@106.20位でやれました。オークション誌の発送までにもう1回は更新できると思います。テーマは決めていません。

2012年4月28日(土)

『オークション・ライブで中継 4』

昨日、予定通り、というよりも元から変更NGでの入稿日に、PA72回の原稿を入稿しました。ロット数は2495と予定より500点マイナス、最低値合計は約4000万円です。既に情報はUpしていますのでご覧いただけますし、ダウンロードも可能です。入稿して、写真の撮影と表紙関係の文字の校正も終了、校了で、あとは5月15日の納品を待つだけです。

私のPA72・MA62の仕事は、東京の下見会と、フロアのコールだけ、それ以外は精算にいたるまで、一切ノータッチ、慣れたスタッフが全部やってくれるのです。

今回の編集には本当に苦労しました。追い込みの段階で、原因不明の発熱で3日間休んでしまいました。仕事が遅れて不義理を刷るストレスと、体調を秤にかけて、38度台なら何とか頑張れますが、39.4度になると集中力が保てません。点滴と、強い鎮痛・解熱剤のみで2日で復活できたのですが、通院は1回で済ませたので、主治医の先生から体調確認の電話を貰いました。推測できる原因はありますが、医学的には確定出来ていません。今は完全に普段の状態に戻っています。

既に、何度も折に触れお願いしておりますし、文章にしておりますが、ご出品物の量が、弊社の処理能力を超えております。デッドラインの日付までに届いた物も含めて、本来なら載せられる物も、今回は3日間のロスで500点は間に合いませんでした。更に、レギュラーのご出品以外に、アルバム数十冊~100冊+の処分の依頼も複数受けております。ボストークの2巻~はアルバム単位で売りますが、消印やカバー物は1点売りでないとオークションでの結果が望めません。こちらは長期の分割掲載でご了承頂いておりますが、何時までも放りっぱなしには出来ません。

オークション誌に、情報を載せ、せめて@3000円以上の物で、平均で1万円程度の物をお願いします・・と書いても、平気で無視する人が多いのです。90歳を超えたから死ぬまでに売りたい・・と300点をリスト付で送られても、キャパオーバーの状況で処理すれば、この方以外の編集作業は確実に3日は遅れてしまいます。蔵出しが出所の丸一のカバーとか、1990年代の海外の自分宛のカバーとか、最低値一任でもロッティング自体が不可能な物も多いのです。オークショニアの手間賃云々よりも、ゴミを商品化するのに掛かる作業の時間が、他の方の良質の出品物を押しつぶしてしまいます。1点でオークションに無理な物は、100点集めても価値は変わりません。結果としての売れる、売れない以前に、準備作業のロッティングに要する手間が間尺に合いません。出してくる人に常識を求めても無理だし100年河清を待つのも賢明では有りません。今後はオークショニアの判断で、機械的にクールに作業を進めます。親切心と優しさでカバーしようとしても、私の体力が持ちませんし、他の方に迷惑をかけてしまいますから対応策が必要です。

オークション誌にも書きましたが、PA73・MA63への新規のご出品の受け付けは休止します。現在の積み残しと、分割出品で、5000ロットは軽く超えます。全ての分野を網羅できますし、何とか溜まっている不義理の山を崩してしまいたいのです。少なくとも、7月10日までは出品物は送らないで下さい。その後のJAPEX特別セール、12月のPA75・MA64へのご出品に関しては別途案内いたします。

2012年4月20日(金)

『オークション・ライブで中継 3』

一昨日ようやくMA62の原稿を書き終えて、入稿完了です。2427ロットで最低値合計は993万円です。既にWeb.に情報をUp致しました。PAの入稿日まで丁度1週間、ノルマはあと1500点+結構きつくなりそうです。

毎月の義務的な仕事は既に完了、残りの期間は早朝から夜中まで原稿書きに集中します。

4月20日の少し後に、興味深い海外のオークションが複数集中しています。見るだけや、数点の代行ビッドだけが多いのですが、久しぶりに自分で力を入れたのが1件有りました。欧州全域のオークションのコアな情報をくれるルートから、下見の報告を貰いました。記念オークション=Sonderauktionだし、珍しく日本がかなり出ているので、掲載前のロッティングを手伝ったとのことです。かつては、参考値1万円の手彫のロット、本当のギリギリMaxが150万円に、私が飛び込みのメールで200万を入れたら、195万で落とされました。フロアのスタート値は10万円以下でしたが、彼の地が出身の、R&S Schapiraが匂いを嗅ぎ付けて、場に出て、私のメールビッドを聞きだして、悪戯したと言っていました。その後にU小判5銭のP13他貼りの葉書の書留 KB2下野日光町が出たのもここです。この時は人を立てて落しました。シベリア出兵の俘虜郵便も良く出ています。昔は惚れ込んで買って、随分高く売りましたが今はどうでしょうか。メジャーなオークションハウスではないけれど、ここらあたりでも、今は完全に場に出てビッド出来るエージェントを使えるので、今回は結構強い札を入れました。誰も知らないオークションで、自分ひとりのビッド・・ということは今や世界のどこでも起こりません。情報はオープンです。

香港のDynastyでも、第1回のセールでは、突然送られてきた、名も知らないオークションに、エクセレントなJAPANが出た・・。自分しか知らないかもと・・結構それを夢見たビッドが有りました。テレホンビッドのアメリカ人は、頑張って良い物を買って、弊社への出品で結果として儲けていました。日本人のメールは高く入れれば、入れたままで落とされるし、下見しないと分からないロットは当然買えないし、転売ビジネスとしてはきついはずです。素人さんが利を得るのは簡単ではないのです。

編集が終わったMA62で、かなりの量の不掲載返品が有りました。ここ数回の実績で、毎回30~50点のご出品で、最低値は割安ですが、それでも売れないし、値段も伸びない、当方のお支払額が1回2~3万、1点@1000行きません。これでは反復継続は不可能です。又、別の人からは超現行の平成時代の銘10を最低値一任で100点+、使用済も含めれば300点程のご出品、でも弊社の最低手数料は500円、例えれば、銀鶴100円の銘10などは、往復の手数料を計算すれば、落札者が1800円払ってもトントン、だから額面保証でオークションを成立させるのは不可能です。額面以下の設定をすれば、そんなつもりではないとお怒りでしょうし。エクセルで作った綺麗な一覧表が有るのですが、それは出品物の価値を高めません。この人の300点をオークションで通用するようにアレンジ作業するなら、他の人の出品掲載がベタ遅れになるのです。平成時代の逆2やロータリーの特徴明瞭の銘10も、手数料がオンされるオークションには向きません。足で探すことが可能ですから。

オークションでの値段には紛れは起きません。あわよくばとか、原価が幾らかかったものだからという甘さは全く通りません。今回もボストーク2巻完揃いの出品が2件ありましたが、両方共にNGでした。比較的最近に記憶にあるだけでも3~4回は売っていますが、2巻の完セットの組合カタログ値は約200万円、たとうや表紙、袋も付いて、しかもNHの美品で、弊社のオークションでの売れる値段は入札1での30万です。いつも同じ人=ディーラーが買ってくれるのですが、コレクターのビッドは有りません。ポイントは、100円・500円の4枚を見れば分かります。今回の返品分は、NG・リガム・シミ又は使用済、ボストークの揃いで、この条件ならオークションの商品にはなりません。元の所有者=買った人は、カタログの5~6割は出しているのでしょう。だから1掛けには出来ないし、かといって50ロットへの分割も手間が掛かりすぎるのでやれません。掛けられる時間がたっぷりあれば、現金化は出来ますが、オークショニアの間尺に会わないものを送られて、権利を強く要求して、きつい電話をかけられてもまともに対応は致しません。今後はますますレベルを上げねばオークションが白けてしまうことになりかねません。

今のマーケットでは動く商品が多いのです。入稿終了と連休明けまでは待ってもらっているのですが、ビッグな道具屋さんからも数年ぶりにお声が掛かり、弊社のお客での故人のコレクションのコーディネート依頼が2件、他の業者からの紹介で振られたお話が2件・・・。間断なく仕事はやってきています。それでも今は原稿書きに集中します。

2012年4月13日(金)

『After the sale 』

 最近やたらとスウェーデンからメールが届きます。同じ相手から5~6回は来ています。要件は当然ながら、「玉六ヨ」が自社の200回記念のオークションに出品されているので是非ビッドをしろとのご案内、他の人にも同じ条件で行っているはずです。

この切手は、昨年にドイツの著名オークションハウスのMixのロットから発見された物で、北欧のディーラーが持ち主=出品者です。早い時期に極秘を前提で画像を貰っていて、確か「市田番号=墨六ヨの32」の確認が出来たと思います。美品だし、目打と消印もOK、だからas is ベースでオファーが来れば、喜んでギャンブルしたと思います。情報が表に出ずに買えたなら、プライベートで嵌める手段も有るのですが、オークションに出て、衆人環視のディールになれば動きが取れなくなるのです。買値がオープンのマテリアルは日本では極めて売りにくいのです。余計な雀が騒ぎますから。

でも、持ち主の動きは私の予想以上に素早く、Linn’sにも記事が出たし、ドイツと日本の鑑定も通って、スウェーデンのオークションの目玉となりました。情報がオープンになった後、何人かと話をして、売れる値段=落ちる値段は1000万位、出品者は、がちがちで売りたいはずなので、参考値は安くつけていて、多分5万ユーロかなという線が共通の認識でした。手数料20%を含んで、650万位、この値段ならリスク商売の許容範囲だし、結構競るほうもエキサイト出来るのです。

Web.に情報が載り、間もなくカタログが届きました。今回のセールでは参考値は9万ユーロ、@108円を掛けて、1.2倍なので1166万円、思惑でリスクを被ってスタート値で買ったら1500万で売らないといけません。コミッションベースでノーリスクの客付なら幾ら高くてもOKですが、リスク商売は中々にきついのです。今の日本では買う人のお顔はすんなりとは浮かびません。ミッヘルの25万ユーロ、日本の3000万円というカタログ値は浮世離れしており、大局観に欠ける売り手サイドの都合によるボーガスの数字です。ステータスからして、「玉六ヨ」の実勢小売価格は傷がなくて1000万、但し朱消しでOK、傷はマイナス、白抜十字はプラスの評価になります。20銭イ>玉六ヨ>20銭縞の並びです。

オープニングの9万ユーロには多分反応は無いでしょう。アンダーエスティメイトはせいぜい2割引まで、7万ユーロが限度です。これならほぼ900万円、コレクターなら買える数字だと思います。この時点で5万ユーロのビッドをしてはいけません。オークショニアの評価を馬鹿にしていることになりますから。

和桜20銭縞は、私は6枚扱っています。出品されたオークションに出席したのが2回、後は掘り出しと、プラーベーと委託です。最初はドイツのShwanke & Sohnの記念オークション、出品者は、独系英国人のゴールドスミス、チューリッヒのRobsonLoweでの掘り出しです。表紙にでかでか出たし、DBZにも大きい広告が載りました。エスティメイトは非常に安かったと思います。日本の札は最初から1枚だし、メールビッドは無し、値切って300万位で買えるかなと思ったのですが、身も知らぬドイツ人と競り600~700万位になりました。その次が香港のJohn Bullです。アメリカ人のTylerさんの持ち物で表紙の真ん中に載りました。良い物ですが、参考値が高かつたのか、場では売れずに空売りコールになっていました。結果表で空欄なので、一発勝負で買いたい値段のMaxでオファーして即OKになりました。

日本の切手の高級品には、素っ頓狂なニューカマーが飛び出すことはないのです。カバーは別ですが。だから、今回の「玉六ヨ」へは、アンディーもジェフリーもグイドもデーヴィッドもビッドはしないでしょう。もしジュリアン・クライブがいたならば、場での値切りのオファー対策に、私もマルメへ行ったかも知れません。9万ユーロのコールにビッドがあれば大拍手だと思います。私としては今回は4月28日のセールの後のAfter the saleでの交渉に賭けましょうか。結果は後日ご報告いたします。

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