2012年5月10日(木)

『オークション・ライブで中継5』

 今日から、Web.でダウンロードされた方の為の下見の準備が完了、本日のご来社はお一人、現時点でのメールビッドは2人です。明日はメールのオークション誌が入って来る予定です。土曜日にはかなりの人数がお越しになるでしょう。フロアの冊子は15日の火曜日に入ってきて、郵便事業会社のリクエストで、5・10日を外しての16日の午後一での集荷・発送になります。7月開催の全日展の入場券と共に来週中には届くと思います。

4月28日付のここでお願いした、PA73・MA63の新規のご出品の受け付け休止のお知らせは、オークション誌と郵趣の広告にも載せました。おかげで現状は極めて静かで、心安らかに仕事を進めています。次号の記事を一気に500点以上書きました。いいペースです。

 海外のオークションのビッドも、香港・スウェーデン・オーストリア・スイス・ドイツと大所はほぼ終了、どこも歯ごたえが無いくらいの安値で落ちて来ます。E-bayで頑張っている、アリゾナのスコッツデール君と私が、香港でガチンコ競れば相当な高値になりますが、彼はヨーロッパには出てきません。だから落す気で入れれば相当の確率で買えるのです。和桜1銭貼りのデグロンや、竜500文の未使用ブロック、100文・200文の塊の読める使用済はこちらが目一杯は頑張らないので負けました。相手は判りません。これらは買う人の顔が見えないので飛び込みにくいのです。今買いたいものは、単品は買う人の顔が浮かぶものだけです。ロットは別の要素で頑張ります。何があるか判らない大きいものに、怖い物見たさのギャンブルをするのです。墺国営競売社の葉書のコレクションは、記事が正しければ紅枠からスタートして、台湾楠公・支那字封緘まで、後半は写真が出ているので、そこそこのハイレベルですが、紅枠と脇付は官製模造の可能性もあるのです。アルバム1冊のコレクションなのでスキャンのリクエストも無理、これは何が有ったのか、正解が見たいが為に飛び込んでしまいます。人を立ててのビッドなので、自分以外に見た人の一声上で買う、ノンリミット的な目一杯の数字を預けるので、幾らで落ちるかというスリルと、内容はどんな物というドキドキ感を味わっている時までが楽しいのです。当然の如く、ビッドの数字に対しては随分と安く落ちますが、入れた値段は高すぎるし、元から根拠も無いので、儲けの金額と売る楽しみというのはそれ程でも有りません。それ以上に手元に来たものは、買値は忘れて右から左へと、どんどん流して行かないと溜まる一方になるのです。

 国内の方も、有力な道具屋さんの買い入れ品は片付きました。99%は額割れなので仕事としては楽なのです。次は来週末の大口のピックアップが待っています。ほほ同年代=米寿の齢の方、お一人は最近鬼籍に入り、もうお一方は33回忌を終えた方、偶然にもお住まいは直線距離で2キロ弱、生前のお付き合いが有ったかどうかは分かりません。全くの偶然で連続してのお話が有り、下見を済ませて大筋の方向を決めました。量も偶然にアルバム・ファイルが各150冊・日本1vs外国2、FDCとエコー、官白無し、文献と箱入りの雑多な未使用・使用済を合わせて、お一人でダンボール30~40個位、一日で2軒分を箱詰めして運送屋さんチャーターでやってしまいます。

 お一方とのビジネスは弊社のオークションを使って既に動き始めていて、タイミング的に残りもそろそろやりましょうという段階でした。こちらは日本以上に外国切手がかなりのレベル、だから海外のオークションハウスを使います。買い入れで、ブック1冊3万円、或いは目方を基準にして、一箱幾らはお気の毒ですから。外国切手は日本では売れません、買値の100分の1にしかなりませんのトークはしたくないのです。今回のケースを想定して、日頃から海外の業者と付き合っているので、今の世界のマーケットの相場で簡単に売れると思います。$360円時代の買値には意味はないでしょう。

もうお一方は、全くの予想外。ある人から紹介されたとの突然のお電話、故人のお名前を聞いて、思わず懐かしい・・と言ってしまいました。実は全く面識がなく、先方の活動期が30年以上前なら私とは完全なすれ違い、でも関西のドンでフィクサーといわれた人から、散々聞かされていたお名前でした。ご本人は若くして亡くなって、いいものは有るけど、おかーちゃんが大事にして売らないんだよ、何度もオークションに出すように薦めているんだけど・・。薦めてくれた人の遺品は3年掛けてほぼ片付いたばかり、たまたま残っていた住所録で故人の奥様から弊社の連絡先を聞いたとのこと。娘さんからのお電話でした。

30年前に月に10万円のペースで使っていて、20~30年は続けていた、日本と外国が半々、

消印のコレクターとして地元では知られていた人でした。GW中に動いて、下見と話は1時間で済みました。こちらが出した条件で即決して貰えました。数年前に東京の業者がやってきて、一括○○○万円で買いたいとの話が有ったとか。でもそれは蹴って正解です。私の場合は概算でのオファーはしますが、最終の取引は時間をかけての評価の後です。一瞥で、赤二の万束が有りました。見た後かも知れないし、丸一の時代でしょうが、谷口長次郎さんか田結荘金治さん辺りからの物でしょうか。国内に有った、持ち主が突然逝った後は30年間手付かずのコレクション・アキュムレーションなので、暫くはドキドキ感が味わえるでしょう。