今日メールを貰いました。アイホン君からです。ここんとこ、ご無沙汰のアメリカ人で、ちょっと気になる人がいたのです。Stephen Chazen  76歳 Sept.22に旅立ちました。アメリカの独立系の石油会社のCEO、フォーブスの長者番付の常連でした。Occidental Petroleum は、北海油田の大事故で知られていますが、彼は確か3代目ぐらいの経営者でした。多くの会社の経営に携わっていたと思います。

1920年までの中国関係の郵便史がメインで、純日本も少し絡んでいます。ビッダーとしての、弊社とのお付き合いは、大分前の大龍3Cと旧小判5銭とのコンビネーションカバーのハワイ宛、絶対に落とせる自信が有ったでしょうが、強烈なライバルが現れて、彼はアンダービッダーだったのです。900万か950万だったと思います。出品者はご健在だった榎さん。喜んでくれました。弊社のハンマープライスのレコードです。落札者は在フランスの中国人、リクエストされたので、香港のジェフリー・シュナイダーのオフィスに持参しました。UPU絡みでのハワイ宛の料金が非常に面白いのですが、片山七三雄氏と山崎文雄氏の御助力で解明出来たのです。彼は知っていたのかな。漏れ聞く所では、彼がオークションで負けたのはこの時が初めての経験だったかも知れません。

彼の私セールでのビッドでのエージェントは、Andy Holtzなのですが、他にも居たと思います。私の記憶では何故かGeorge Alevizosの名前が残っているのです。ドイツの小さいオークションに竜100文の西京検査済の極美のカバーが出たのです。安ければ欲しかったのですが、300万円位になりました。日本人は当然ノータッチ、エージェント同志がChazenの札で競ってしまったみたいな印象を受けました。香港のセールでは、Andyの依頼を受けたエージェントがテレフォンビッドをやってました。顔見知りのMichael Jhonsonでした。兎も角強かったのです。私が村岡さんと若桑さんから預かった、在日外国局の札も結構強かったのですが、香港のフロアでは掠りもしませんでした。背の高いM.Jがテレフォンビッドの受け手になったロットは、その瞬間でノーチャンスになるのです。実際に私が一桁間違えた物まで、しっかり落し切りました。

弊社でのお買い上げで、印象深いビジネスが2件あるのです。白井二実さんの外国局です。完璧に買ってくれました。1000万位になったので、白井さんの最晩年を過ごす費用にお役に立てたと思います。或る意味奇跡的な僥倖だったのです。もう1件は、ニューヘブンから但馬八鹿へのコンビネーションカバーです。絶対に高値で売らねばいけない理由が有ったのです。確か520万だったかな、オークショニアとしては、結構なリスクを被ったのですが、乾坤一擲、勝負したのです。Andyからのテレフォンビッドのリクエストが来た時点で、勝てることを確信したのです。フロアでのコールが早すぎると怒られましたけど。このマテリアル、一杯書けるネタが有るのです。墓場に持って行く気は無いのですが、まだ全ての案件が片付いてはいないのです。だから本当の最後の結論を書けるのは、私がハンマーを置いた瞬間になると思います。さあ、何時のことでしょうか。

Andy Holzのルガノのオークション、近年は活動していないのです。気になっていて調べるつもりだったのですが、最良の顧客の状況が原因だったのでしょう。彼もいい加減稼いだのでハッピー・リタイア出来ているのかな。私にしても、一つの思い出深いディールが終わったことがはっきりと判りました。Chazenコレクション、既に売りに出ているのかも知れません。アメリカのオークションハウスに出るはずです。キーワードは【Magnolia】、目玉の中国には、水原明窗コレクションの大龍3枚貼のアメリカ発上海宛のコンビネーションカバーが有る筈です。

世界中のアジアの郵便史を扱うオークションハウスが随分とお世話になっていた人なのです。日本人で彼と接点が有った人、私以外に何人いるのかな。