1980年代の頭でした。今も目に焼き付いているカバーが有りました。アメリカの、確かミシガン州、だと思うのですが、オークションの名前はRobert E.Lippert、ここも今はもう無いと思います。日本人で知っている人は殆どいないマイナーなオークションハウスです。そこにバーゼルのメリヤン宛のカバーが出たのです。小判でなく朝鮮字・年号2字NINSEN?(或はFUSANかも=硬質印なのでSEOULでは無いと思います)、日付に強烈なインパクトが有って、正確に、30・SEPT・00です。仁川(或は釜山)の郵便局長差し出しのメリヤンカバーで、朝鮮字の完貼の書留です。1.5銭が翌日発行なのでこのカバーには貼られていないのですが、適度に大ぶりなカバーなので、差出人と受取人から推測して、新切手としての1.5銭のシートが入っていたかと思うのです。同じような完貼りが、国内の菊のコレクターのコレクションにもう一通有って、そちらはSEOUL 7.SEPT.00 イギリス宛の書留です。ぼやけた話をすればこんがらがるのですが、物は絶対に別物です。オークション誌には写真が出ていました。アメリカのオークションでは、エンタの場合、estimateの数字が出るのですが、このロットはカタログ値のみでした。Sc.$475位だったと思います。40年程前の事、知識もないし、それ以上に資金が無い、それでも落とす気でカタログ値の数倍は入れたのですが、当然ながら落手できませんでした。これに関しては、負けても納得、度胸もないし的確に評価も出来なかったし、外人さんにも負けるビッドだったと思います。このカバーも日本には帰って来ていないのです。

どの位経ったのでしょうか。タカハシスタンプの表紙に、旧韓国李花完貼りのメリアンカバーが出た記憶が有るのです。良く知っているコレクターが落したと聞いていて、そうだと思い込んでいたのです。別件の用事でそのカバーのコピーが欲しくなって、見せてよと頼んで、出て来たのがここでお見せするカバーです。李花50C、1WON他貼のスイス宛書留到達証付き 〇公州です。よく似ていますが私が探していた物とは別物です。東京のサンフィラで買ったと言っていました。この件は、私の勘違いで思い違いだったのかも知れません。

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別件の最重要のエンタをお見せいたしましょう。広田芳久氏旧蔵のコンビネーションカバーです。旧韓国がUPU未加入の時の必然的コンビの書留便ベルリン宛。勿論ユニークで大珍品。水原さん旧蔵の大龍3種貼 アメリカ切手とコンビーション中国宛と双璧の珍品だと思うのです。詳細は【韓国郵趣資料】を読んで下さい。持ち主に声を掛けました。これだけを持っていても仕様がないので売りなさいよ。答えはイエス、だから、Price on request. お値段は要問合せです。余計なことながら、件の大龍カバーを買ったのは、弊社のオークションのニューヘブン発・但馬八鹿宛のコンビネーションを買ってくれた人なのです。中国がメインで、序に日本、旧韓国は守備範囲に入るかどうかが微妙です。アジア3か国の珠玉のコンビネーションカバーを一人で独占、夢のある話でしょう。お誘いする価値があると思っています。人脈が色々出来ているのでちょっと楽しんで見たいのです。絶対に仕掛けた勝負に勝てる自信はありません。でもやる価値は有るでしょう。アメリカ人の大富豪=フォーブスの番付の常連さんのコレクションに入るのも良し、日本に留まるのも勿論有り、さあお問い合わせは来るでしょうか。

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機会を得ながら手に出来なかった3点のお話はこれにて完、これからは集中してJAPEX2019セールの編集に入ります。良い物がたくさん来ています。1日でのセールのキャパが2100ロットなので、逆算して目一杯に並べるのです。