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2010年6月2日(水)

『スタンプショウ=ヒロシマ ’10 ドラフト ルール説明』

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今年も6月5日(土)に、広島県立産業会館西館に弊社がブースを出展、会場にて別項の通り、日本関連の郵趣品、200点を「ドラフトシステム」にて販売いたします。

販売は、直接会場にご来場の方に限ります。当日の10時10分頃からエントリーを受付、お渡しする用紙にてご希望品を「指名」していただきます。

まず、エントリーの際に、抽選機で「記号の玉」を引いていただきます。「あ~ん」がガラガラに入っています。同時にエントリーのお申込用紙を、一つの記号に対し1~10の番号入り(ご希望によりそれ以上も可)をお渡しします。展示しております200点の商品の内、ご希望の物を、優先順位の高い物から若い番号にご記入下さい。投票締め切りは12時45分になります。

投票を開き、各ロットごとに集計します。投票がお一人の場合は、無競争でその方にお買い求めいただけます。投票の順位(番号)は無関係です。もし、特定のロットに複数の投票が入った場合は、①投票用紙の番号が若い方を優先します。1>2>3・・・>10になります。②同じ順位で複数の札が重複した場合は、若い記号が優先です。あ>い>ん・・・・>A・・・>Zになります。

優先順位は番号が優先されますので、記号に拘らず1位での投票は強力です。「あ」を引いた方の1位は100%のパワーですが、「あ」の2位よりも、「ん」の1位の方が強いのです。抽選に左右される記号の順の強弱よりも、会場に来られた方が等しく得られる、投票権の順番の行使の選択が重要です。

ご自分が引いた記号と、参加者の顔ぶれを賢明に読んで、効率よく投票して下さい。今回の提供品の状態は概ね良好ですが、10時~12時45分まで下見可能です。「先着順でない、知力を行使できる即売」ですから、お越しいただければ、かなりの確率でご希望品がお求めいただけるはずです。

ジャパン・スタンプ商会会員様は、現品先渡し、口座通し、後日送金にて結構です。

200点の画像、簡単な説明は、6月2・3・4日の当ブログでご覧いただけます。

2010年5月19日(水)

『iPad』
数日前の新聞に、アメリカからEMSで送らせた、iPadが、受取人には封筒と外装だけで到着し、機械本体が抜かれていたというニュースが出ていました。EMSでは日本の場合、保険を掛けない場合でも、一般的には2万円は補償されます。ただ、郵便物自体は届いての、中身抜き取りなので、後のトラブルを避けるために、受け取った時点で開封せずに局員に提示するのが肝要です。局への持参は無用で、電話一本で課長代理さんか、総務主任さんが即座に来てくれるはずです。アメリカからのEMSの事故は、弊社でも水濡れの被害を受けたことがあり、航空機での水蒸気のせいということで、2万円の補償を受けました。高い保険を掛けていたり、より高額の補償となると、原則現品も戻されないし、中々大変な手続きになりますが、最低額の場合は普通はスムーズに通ります。
逆のケースも有るのです。ロシアから売り込みのメールが来て、値段を交渉して合意、先方からのオファーなので、当然商品は先に来ます。値段は異存は無い、ただ、どのように送金するかが問題なのです。この場合は、原則先方の希望通りにやりますが、この時はUS$のキャッシュがリクエストでした。当然航空書留で送ったのですが、封筒は届いたけれど、現金が入っていない、のクレームです。封筒が届けば、相手がロシアなら、事故調査も無理でしょう。イギリスですら書留亡失で調査請求をして最終の返事が来ず、最低額の補償になったことも有りました。ロシアのケースは、兎も角、その封筒を返送させましたが、変に開けた跡は全く無い、受取人が嘘を付いてなければ、正にキャッシュだけが見事に抜かれてしまったのです。結局この時は、2度払いで、再送金を銀行を通してしたのですが、銀行もT/Tの受け付けはしてくれるのですが、送金人による、リスクの同意、事故が起きても責任を取れない旨の通告を受けました。金額が大きければ、L/Cなり、商社を通すなりの手段も有るのですが、切手の商売ではそれは実際的では有りません。この時に買ったのは、支那字を中心の菊の消印のロット、CHEFOOのローラーとかの使える物も有りました。今度の広島の催事に出しますが、果たして2度払いの元がとれるのでしょうか。結構、面白いものを持っている相手なのですが、確実な送金手段が無く、一方的にこちらがリスクを負っては商売が続けられないのです。
海外相手となると、日本国内での取引では起こりえないトラブルが多発します。パナマにオークション誌を送ったのですが、航空便では1ヶ月で届きません。EMSは取り扱いが無く、FEDEXは3日で届くのですが、1万円以上のコストが掛かります。WEBでの情報のやり取りで、ビッドを受けるまでは出来るのですが、落札した場合の送品の手段がないのです。パナマ相手には、FEDEXはドキュメントしか受けません。郵便局も運が良ければ、その内着くでしょうのレベル。保険を掛けても、的確に補償されるとは限りません。実際問題、アマチュアの小規模ビジネスは無理なのです。 もう随分前のことになるのですが、郵政弘済会が東京海上火災とタイアップして、記録扱いの外郵に対して、通関の際の金額とは無関係で、差出人の申し出た金額に対して、1万円当たり60円の料率で保険を受けていたことが有ったのです。事故が起きたことが書類で確認できれば補償の対象になりました。亡失でなく、抜き取りとか、破損の場合は難しいのですが、郵便事故のリスクヘッジを引き受けてくれるという事実で一定の安心感が有りました。ただ、EMSの登場=1万円に対して@20円という保険料率が普及すれば勝負にならず、何時しかこのサービスは消えました。
弊社の場合は、イスラエルへ結構高額な送品があるのです。でも、彼の地の場合、切手の輸入には30%の関税が掛かります。税関への告知書に書けば、これがまともに取られます。受取人が同意すれば、幾ら税金を払うかは、こちらとしては関しないのですが、相手は当然高額の税金を嫌います。但し送品者としてはリスクを除去する必要が有るのです。数年前までは、EMSのデコ=declareを最小にして、それとは無関係の保険を掛けるという便法・・・、例えば鑑定依頼を受けた物が偽物だった・・・、実際の価値はゼロ、但し返品の義務を先方の申し出の金額で掛ける・・・みたいな理屈を口頭で言えば、然るべき部署に確認を取って、郵便局は受けてくれたのです。保険の書類は、郵便局に留まり、それを外した書類を基に税関で通関がされるので、申告額と保険の申し出額が一致しなくても、少なくとも引受の時点では通用したのです。郵政弘済会の保険が正にその精神でしたから。
でも、通関に関する手続きが厳格化され、20万円以上の輸出入には書類が要るようになってからは、この理屈は通りません。随分、大阪国際支店とかとやり取りをしましたが、通関の事務取り扱い規定をどう読んでも、便法が見つからないのが実情です。個々に、損保会社と交渉して、差し出した郵便物が亡失、破損の場合は、慰謝料を貰うというみたいな視点での保険を探すしかないのです。海外のディーラー向けには、ロイズを使った、その手の保険はあるのですが、日本の場合は聞いていません。結局、イスラエルの場合は、EMSの補償限度2万円で送るしかないのです。結構スリルが有りますが。
別件でも、思わぬ困難に見舞われます。パキスタンから、20年間続くストーカー攻撃、日本のビッグなコレクションがある。ホテルを用意するから、カラチに来てくれ・・・。何度、コピーを送れ、と言っても、2~3点の現行外信のSCANしか来ないのです。先方の一覧表の番号が正しければ、数千万のボリュームだし、相手はそれなりのステータスの郵趣家らしいのですが、どうにも相性が合いません。達者な人を推薦しても話は進まず、何度もこちらに同じ内容のオファーが来るのです。
トルコから突然書留が来ました。トルコリラ=TRYで1600、邦貨で10万円ぐらいの現金とWant Listが入っていて、普通の使用済みの1種1枚の大量の注文です。今年が、「トルコに於ける日本年」だとかで、その際に日本切手のコレクションを作る為に必要な物を買いたいということです。SAKURAの番号で来て、掛け率50%なら喜んで売ることが可能です。ただ、問題が有って、TRYのお札をどうやって日本円に換えるかです。しかも、1000と500。かつてやった取引で、かなりの金額のスイスフランを1000Fr.札で貰ったことが有りました。東京銀行とシティーバンクに持ち込みましたが、ケンモホロロ、S.Fr100でも、両替は困難、1000では相手にされません。昨今は、金券屋でも外貨が合法的に扱えるようになり、少しはましでしょうが、TRYでしかも1000は現金化できる可能性は薄いでしょう。取り敢えずは、返送して、US$か£かユーロのお札か、銀行送金して欲しいのリクエストを出しました。果たしてどうなるのでしょうか。
こちらの尺度に有った作業なら、損得のベースを除いても、幾ら手間が掛かってもやりますが、社会的に見て先方の期待と、日本における現実がマッチしていないケースを滞りなく処理するのは大変なエネルギーが要るのです。返事は全て英語が必須ですし、時間が有り余っている状況では有りませんから。海外の、恐らくはかなりのレベルのコレクター=切手展に出品するマテリアルが欲しいという人がオークションのメンバーに入って来て、驚きの高いビッドをすることも有りますが、全ての記事を英語で訳せ、状態を詳しく説明せよ、みたいな要求も有るのです。このケースは、無条件で断ります。弊社のオークションは、自己責任だし、日本語の説明が滞りなく理解でき、規定を遵守することが参加の条件なのですから。これは、日本国内からのビッドでも同様、自分は高額品を買う上客だから、特段の配慮をせよ・・というのは全く通用しない話なのです。この種の要求は、ストレートに除名への道に通じているのです。無論警告はするのですが。

2010年5月15日(土)

『JRコンテナ』
今回のオークション誌は、5月13日(木)の夕方、郵便事業株式会社・大阪支店の集荷で発送しました。本日(土)の時点で、ボツボツ到着の連絡が入っています。木曜の夕方の集荷で深夜に新大阪に入り、各地の中継局に流れます。「ゆうメール」の特割で法的な根拠は『ポスパケット約款』になります。義務的な規定としては、引受日の翌日を起点として、日曜・祝日を除いて3日以内=木曜の場合は翌月曜日、但し、大量差出し、料金割引の特割なので、更に3日の遅延猶予が要求されます。約款の遅延承諾を文字通りに読めば、20日の木曜日が、義務的な配達日になります。ただ、これは相当な余裕を見ての規定であり、株式・受験・税金等の大量郵便物の時期にぶつからない限り、木曜出なら、普通のペースで流れれば土曜日配達が普通です。実際の流れで、中継支店から配達支店に真夜中か早朝に入れば、その日の配達に回ります。配達支店で無意味に留まることは有り得ません。また、通常の中継支店でも留まることは有りません。
私の経験では、超大規模支店の「銀座」が一番の問題で、複合要因で遅れてます。ここが絡む地域の場合、かなりの運次第になってしまうのです。クレームを付けても無意味で、弊社の力ではどうにもなりません。ただ、より深刻なケースが数回前の発送で判明したのです。北海道宛のオークション誌が、例外なく遅れました。正に、1週間経過の、配達義務日の時点で、例外なく、全面的に届いていませんでした。新大阪支店の課長に、かなり際どい聞き方をして、事態が明瞭になりました。何時が起点か分かりませんが、北海道宛の「特割」は、航空機でなく、『JRコンテナ』による貨物輸送になったのです。
大阪支店→新大阪支店→JR大阪駅→札幌駅→札幌中央支店・・の流れです。そしてJRコンテナは2日に1便の運行、到着所要時間1日半・・ということです。大阪発のタイムスケジュールにもよりますが、北海道の配達局に入るまでに、4~5日が当たり前のこととして掛かります。それにプラスしての個別の要因が絡めば、正に運が良くて、配達義務日に着くかどうかの状況です。これが分かれば、北海道には「ゆうメール・特割」は使えません。だから、コスト云々でなく、北海道宛は特割外しの、一般のゆうメール、切手貼付=1キロまでで340円で出しています。このやり方なら、遅延承諾が非該当なので、郵政当局もJRコンテナは使いません。必然的に、デーリーの航空便での新千歳入りになるのです。暴風雨や雪での飛行機が遅れなければ、本州並みに着くはずです。分かっていれば色んな対策も取れるのですが、偶然性に頼る訳には行きません。
でも、今回の最速配達情報にはちょっとびっくり、木曜日のPM5時集荷で、金曜日の午後に着いているケースが有ったのです。以前、不着事故があったために、今回はEMSで出した「上海」宛、トレースを掛けたら配達済みになっていました。当日の便に間に合って、現地でもルート的に上手く流れたのでしょう。今の日本郵政では望むべくも無い現象です。海外との取引は本当にいろんなことが有るのです。ここ数ヶ月の問合せやディールでも、相手国はパナマ・インド・パキスタン・ロシア・トルコ・イスラエル・アメリカ・ドイツ・・それも個別の返事がいるのです。結構な作業量になってます。面白くも有るのですが・・。

2010年5月13日(木)

『鑑定委員会』
当ブログに3月2日に、南方占領地の「アンボン郵便局長」のカバーがRPSLの鑑定に「真正品」として通った旨を書きました。ところが、3月4日付で、意外なE-メールがやってきました。
Certificate203231は、正しくなく、結論としては、FAKEであるので、もし現物を送り返してくれれば、別の鑑定書を「無料」で発行するというものです。メールでの連絡であり、RPSLを騙った可能性もあり得ます。ただ、総合的に判断すれば、当ブログを見た誰かが、RPSLの鑑定委員会に影響力を行使して、現品を再確認するのでなく、活字上の情報のみで、違う結論を導き出したということでしょうか。それにしても、オリジナルの鑑定書の発行日は2009年8月19日、半年以上経過しての、客観的な説得力のあるデータも示さないオファーというのは、いかがなものでしょうか。物の真偽という以前に、世界に冠たる「鑑定委員会」の扱いとしては常識に欠けるように思うのです。
このカバーの場合は、元から商品として使うつもりは全く無く、参考の為に持ちたかったものなので、買った時と同じ状態で金庫に入れてます。でも、一般的には6ヶ月経ってのメール一本での訂正連絡というものはマナーとしては納得できる物ではありません。所有者が移動していても何の不思議もないのですから。この件は、私一人で解決できるし、これ以上のアクションを起こすつもりは有りません。でも、別件は深刻です。
昨今継続中の話題は、ヤフー・オークションを舞台にした、主として手彫の大珍品の連続しての出現なのです。具体例の列挙は避けますが、有れば良いなと思うレベルの珍品が、「父の収集品」として、「若い女性」の名前で継続・反復して出品されています。100万円レベルでの落札が、うろ覚えのものだけでも二桁になっていると思います。
全てが、誰も過去に見たことが無く、如何なる文献にも記録が無い、それでいて膨大な蔵出しでない収集品、希少性のみならず、状態も過不足のない完全品です。何点かは、落とした人から詳しくコアな話を聞きましたし、現物にも触ることが出来ました。実際、単独のマテリアルとしては、真正度を疑う情報が出てこない、言葉を変えれば、平成の業師では創りえない物も有るのです。何点かは鑑定に出して、真正品の結果が出ています。
ただ、私の今までのビジネスの経験で言えば、強烈な違和感と不快感を拭い去れないのです。一連の出現の異常性から、誰もが同じ事を思います。かなりの人は頭ごなしに拒否するし、それなりの根拠も色々囀ってくれます。それ以外の人の購入行動も他のルートに出た場合よりも、かなり抑制されてます。「竜5銭ぺルアー貼の角検、距離別時代の適正使用 極美」が100万未満など、本来は有り得ない安値なのです。でも、何物かが悪意で作った物を、金銭目的か、或いは自らの手腕に陶酔した愉快犯かは知りませんが、希少性の落ちる真正のカバーに紛れさせて、ヤフーで流通させているなら、事は重大です。
直近に終わったカバーのセールで、人並みはずれて「勇気があり、行動力に秀でた人」がいて、出品者に質問をぶつけました。ビッドしますが、もし偽物なら返品=返金できますか?です。答えは躊躇無く、イエス。住所も電話番号も分かっている出品者だし、今までに物の受け渡しには問題が無かったやに聞いています。該当の人物の出品物をこれから買うか、既に買った人でも、「日本郵趣連合の鑑定委員会」の鑑定書を付ければ、真正なら安心して所持するか転売も可能だし、偽物ならば返品は出来ると思います。やる価値はあるでしょう。実はこのパターン、数年前に、私が少しお手伝いした、「ヤフーの岡山のリガム」と全く同じケースなのです。岡山のケースでは、10数人の方が返品、中には1年以上経っての物もありましたが、全て受け付けられています。そして、誤解を恐れずに表現するならば、岡山の未使用リガムと東京の手彫の珍品カバーには、同じ人物の息遣いが聞こえてくるのです。出品者のIDも苗字も違うのですが、流通上のあり得べからざるステータスのマテリアルの継続出現では、完全に一致しています。普通のブツには、必ず有るはずのお釣りが全く見当たらないのです。ここらは私流の表現でご容赦願いたいのですが。

2010年5月5日(水)

『応札数ランキング』

連休前に、PA63・MA54の入稿を完了、オークション誌の発送は予定通りの13日の木曜日です。正規の入稿に間に合わず、それでもどうしても今回のセールで処理をしてしまいたかったのが、「収歴70年」のコレクターの遺品の内の膨大な量の文献類、単行本は今回が3回目の出品なので、今までにそこそこ片付いて来てました。でも手付かずの雑誌・定期刊行物・オークション誌がみかん箱で50個ほど有ったのです。これを処理しなければ、列を成す別口のマテリアルにチャレンジが出来ないのです。だから、何とか無理やりに分類して、「ぺラを1枚追加」して、別刷りで特別のADDENDUMセールにしたのです。

Lot6924~6951に、箱詰め=発送時の手間を考えて、30キロを超えないように区分したのです。最大のロットは「関西郵趣」で9箱が1ロット、「郵楽・漫歩」など戦前の雑誌は1箱に満たないので合併して、出来る限り、似つかわしい性質の物をグループ組みしての出品になってます。全て最低値は1箱@1000円均一、勿論この値段では落ちません。状態はパリパリではないのですが、経年相応です。どの文献(オークション誌)がどの程度揃っているかは、想像してもらうしかありません。捨てられない人の所有物ですし、立場上第1号からの完揃いが多いに期待できるのです。ただ、本を書く際に使って戻してないとか、資料として切り抜いたケースもあるのです。これを調べるのは無理なので、それも承知で山を掛けてビッドして下さい。Lot6952は多分戦前の郵便配達夫が使っていた郵便かばんと通信事務送付用の木箱、これは性質が違うのですが、28ロットの箱入り文献は相当な取り合いになるでしょう。このグループで応札数ランキングのベストテンを独占するかもしれません。落としきるのは大変だし、相場は全くないものなので、なめると怪我をしかねません。馬鹿になって放り込むのでなく、賢明な数字でのビッドをお願いしたいのです。

前回のセールの応札数のトップは、メールの表紙、Lot6059だったのです。大仏145円単貼 1種・書留・引受・配達証明=10・35・50・50=料金適正のカバーです。少し解説すれば、数年前に東京の切手商の店頭で、同じあて先の物が@100円で大量に出ていた物の一部でしょう。一瞬、同じものが同時差出で大量にあるかと思ったのですが、鉱区申請のカバーなので、同じ日の複数差出はないはずです。追えるデータで調べても、同じような体裁のものは4~5通はあるのですが、差し出し人と受け取り人名は同じですが、全て年度が違うのです。払い下げ時に纏まって違う年度まで一括に市場に出たので、存在数が誇張して推測されてしまったかもしれません。最初に扱った時は25~30万位ですが、こんなへんな料金体系は作りようがないし、もう別口でも出ないでしょうから、オークションでの反応が見たかったのです。最低値8000円は、出品者の指値です。別に8万に変えても良いのですが、8000円だからこその、メールの表紙に出来るのです。

金曜日の仮締めの時点で、ビッドは13名、2番札の一声上の暫定値が62000、メールの暫定値は、フロアに来る人へのちょっとしたサービスで、Web.を見られる人も全く同じ利便を享受出来るのです。追加も変更も出来るデータなので、2番値の一刻み上の数字は、最低値の合理的な訂正以上の意味は有りません。金曜の正午に締めて、実際の締め切り=翌週火曜日の午前9時までに、多分200人からのビッドが入ります。この内の9割以上が、暫定値のリストを見てのその値段以上でのビッドです。随分とWeb.の情報利用の密度が上達しているし濃くなっています。

このロット、最終的には応札26名、落札値は16万になりました。ビッドの数字も8~9人が15万と15.5万、1番札が16万、見事なまでに集中していたのです。このロットに対しても、フロア会場で配布の印刷物とWeb.で情報が発信されてから、そのデータを元にしてこれだけのビッドが入ってくるのは結構素敵なことでしょう。

そして、私の当ブログ、海外の、それもRoyalPhilatelic Society の鑑定委員会までもが見てくれていて、予想外のメールが送られて来たりするのです。このお話は次回に書きましょう。

2010年3月17日(水)

『観音350円電子菱形』 

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今回のセールでは、カラーマークで注目に値する動きが有りました。何れも10Bなので必ずしも一般的ではないのですが、専門家が欲しがるマテリアルが随分と高いのです。
Lot1112 松20円下A2逆櫛 LH 応札5 落札値135,000、Lot1130 狛犬250円下暫定版濃淡逆順 応札9 落札値220,000、Lot1132 観音350円下コンベンショナル 応札8、落札値 370,000。一時の値段の倍ぐらいですし、嬉しいことに、接近した札が複数続いていました。単片なら逆順やコンベでも、7~8万で喜んで売る位の手持ちの在庫もあるのですが、10Bとなると美品は少なく、それ以上に目打形式と絡んでの需要が強いのでしょう。売る立場としては嬉しくなる良い傾向です。
もっと得をする情報を差し上げましょう。発端は、昨年の11月28日に開催した、弊社のPA61回セールのLot3116、そのアイテムが公式な分類手法で表現され、真正面からの記載でオークションに出たのは初めてでした。
物は、観音350円電子菱形CM下単片、胡散臭い、余計な解説を付けずに、最低値30,000で表紙に掲載、これで必要十分条件は充たされます。結果は応札6 落札130,000、同じ回のLot3114のコンベが、応札4 落札90,000なので、きっちりと評価されていました。ただ、この時点ではビッド(少なくとも強い札)は、記事の情報を信じてくれた下見無しのメールビッドだったのです。この結果に対しては世間的にも、私としても、へ~え~程度の受け止めで、真面目に探せば見つかるかな?でも、一般人が見ても分かるのだろうかで終わっていました。人から教えてもらった知識とはその程度のものなのです。
今回のメールMA53のLot5635の銘10、CM下10Bが正にそれだったのです。札は3人、フロア当日の時点では札は1、だから最低値=暫定値で7,600、ギリギリのタイミングで下見した2人が落とす気でビッドして、2番札が54,000、落札値は56,000だけれど、1番札は倍以上の数字で入ってました。落とした人の許可を得て改めて現物を見ましたが、その気になれば割と簡単に探せます。なぜ今まで出て来なかったかが不思議な位で、この切手に関しては、コンベと柵とワインレッド以外は最初から探す人がいなかったのでしょう。カタログに書かれたり、内輪の情報でも有れば探す術も有るのですが、ゼロからの探索はやる人は少ないのです。
出現時期は、恐らく350円の最後期、糊はロータリーの時代の物、これでコンベ=暫定との区別が完了。色の特徴はさて置いて、30倍のルーペで見れば、スクリーンのセルが明らかに、緻密な正方形でなく、隙間の多い、表現としては言いえて妙の菱形です。数多くの350円を手探りで探すより、360円が正にそのものなので簡単に覚えられるでしょう。念を入れるのなら、スクリーンを測れば良いのです。250線なのですが、コンベ・正方形とセルの角度が違うので、横読みでは1ミリには7でなく、6強の数字になるのです。30倍ルーペを使える人が、このポイントで探し出せば、今なら大いにチャンスは有るでしょう。弊社の場合も、出品者の記載の有無に拘わらず、肉眼で分かる分類は原則として書きますが、ルーペで全ての出品物をチェックすることはやりません。正直なところ、希少性は全く分かってないのです。銘10やCMは結構、色んな時期の物が人知れずに残されている場合がありますから、これから暫くはこのテーマで賑やかになるでしょう。
序でながら、おなじオークションでの、地味な掘り出しをもう1点書きましょう。Lot5012、桜連合4銭ジャワ宛 櫛麻布10.1.1 薄印、これが実は「林式」、下見で見つけた人が教えてくれて、データを確認すれば、OK、薄いけれど希少度はかなりの物でしょう。でも、これだけのアドバンテージを持っていても、意気地なしには落とせないのです。2番札は林式は抜きにして、連合はがきの年賀状でビッドしただろうの人で1万円。一番札はもっと上、下見無し隅から隅までオークション誌の写真を見直して、でもボケボケの写真だけで、読み切ってのビッドでしょう。これはご立派。写真だけでこれだけの情報を収集出来る人が結構弊社のオークション誌を見てくれているのです。記事の方はもっと真剣に読んでくれているのでしょう。これからも文字や写真に現れない部分を含めて、真剣に編集に掛かりましょう。行間を読める人が結構いてくれるはずですから。

2010年3月16日(火)

『オークションのトピックを』
お約束の記事に入る前のイントロで、PA62・MA53のトピックを幾つか書いて置きましょう。まずは、正統派の目玉の2点から。
Lot 3057の大日本郵便切手沿革志 最低値 100万、スタート 125万、落札 155万、メールの1番札が145万、2番札が120万、メールビッドは4人、場でお二人が手を挙げて、メールをクリアで150万、場での2人の競りの更なる一声での155万の落札です。マテリアルとしては、弊社だけでも2年に1回は扱っているし、マーケットトータルでは、年に1点は売り物が出ています。今回の落札者は、一度は持ってみたいという覚悟を決めての、海を渡ってのお越しの方、昨今の相場は120~125万位だけれど、落札値との差は、機会を得て念願のマテリアルを入手出来た喜びが容易に埋めてくれるでしょう。わたくし的には、2番札の150万、メールのトップの145万のビッドが極めて貴重。十二分に留意する価値がある数字なのですよ。
Lot1652U小判2銭貼 那覇ボタ カバー。最低値 30万、スタート 74万、メールは7名 1番札は140万でした。フロアでメールの1番札を一声超えて、145万で落札。コンピュータのシステム上、このケースはビッドの数がプラス1としかカウントされず。実際はフロアでオープンの74万の上で、90万+、100万+、125万+とファイナルの落札者の4人以上のビッドが有りました。ハンマープライスの145万は、赤二のボタのカバーの値段としては、最高記録でしょうか。これも、落札者は、遠路はるばるお越しの、オークションは初めての方、開始前にルールの問合せを戴きました。赤二のボタカバーを熱心に集めていて、これで完集?になるので、覚悟を決めてのお越しでした。このクラスになると、冷静に値踏みしたメールビッドではまず落ちません。仮に予算を超えたとしても、数十年の念願が叶って大満足だと思います。
このカバーは、消印のボタはタイド無、でも全くといって良いほど、真偽は話題に上りませんでした。かなり知れ渡っているお話で、昨年にヤフーで出た、九州の蔵出しやルートの初出しの「薩摩・伊集院・有馬家宛」の一連のカバーの最後の一山だったのです。那覇が5通、宮崎が沢山、鹿児島系も結構有ったようです。弊社に来たのは、本当に最後の最後で、突然、「○○県の△△です。ある人の紹介で・・・。」地名と紹介者のお名前で一発に判りました。先方が用件を切り出す前に、「那覇ボタ?」と聞いていました。ひとしきり話をして、お急ぎでないのなら、オークションが良いですよ、とすすめて、驚くような値段で売れることを約束しました。この結果なら、ご満足戴けるし、紹介者の顔が立つし、先に動いた4通の現所有者もお喜びでしょう。わたしのビジネス上のポイントは、2番札の140万のビッドですが、この需要を充たすのは容易でないかも知れません。チャンスがあれば、具体的には、おなじ山のカバーを2通持ってる人が、賢明に判断して1通を出すならば、いつでもお手伝いできるのですが、その確率は低そうです。
この2点は、ある意味、想定の範囲での動きであり、驚きネタでは有りません。でも、メールオークションの方で結構なドラマが有ったのです。

2010年3月2日(火)

『アンボン郵便局長印加刷切手』 

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半年程前にここに書いた、蘭印旧女王121/2C封皮に航空30C、各アンボン郵便局長印加刷貼りのカバーのThe Royal Philatelic Society の鑑定結果が出ました。Philatelic Useの注記はありますが、間違いなく真正の結論です。
このカバー自体は、かのR.Boekemaのセールで随分と立派な値段で売られた記録があり、時を経て私の手元に来ています。何せ、 日専からは、全てが偽造として追放されており、それを検証できる資料も明瞭には示されてはおりません。私としても、あわよくばというよりも、もしかしての確認の意味で入手して、恐らくは世界で最も信用できる機関の判断を仰いだのです。このケースに於いては、RoyalのGenuineの結論が全てであり、否定するならば、説得力のある資料を開示していただきたいと思います。
日専からの追放の詳細は存じませんが、「日専」を読み解く「南方占領地」P123を読む限り、土屋理義氏が判断されたと推測されます。・・・現在ではこの加刷切手は、アンボン郵便局長の鄭忠孝が戦後になって作った偽造品であることが確定している。・・・とあります。偽物として同書に示されたのは赤加刷、私のカバーは黒加刷ですし、消印の印象も異なります。また、カバー上には鄭局長の名前も出ていません。出所が全く違うのなら、100余種の偽物の他に、少数の真正加刷が存在して、郵趣家便が残っているという位置づけになるのでしょうか。次回の日専・日本関連地域編の訂正されての採録を待ちたいと思います。
このカバーがきっかけ、という訳でもないのですが、オークショニアという立場の役得で、一般の世間の常識では情報不足ゆえに、色眼鏡で見られている郵趣マテリアルに関しても、真正さを証明するのに、結構説得力の有るデータを持っている場合があるのです。画像に出す資料を見つけるのは手間が掛かるので、オボロゲ記憶を文章で表現するしかないのですが、ちょっと書いて見ましょうか。理屈で考えれば、真正性には絶対に自信は有るのですが、説得力の有る資料を提示出来ていないマテリアル・・だから時として随分冷たい扱いをされることものです。オークションの出品物として来たならば、料理の仕様も有るし、現実には私以上にコレクター的なセンスで、飛び込める人達も複数います。
更には、もし持っているなら見せてよと、一声掛ければ、きっちり持って来てくれる人もいますから、最大限に敬意を表して幾つかの情報を出しましょう。
SPECIMEN+ULTRAMAR=UPU見本、消印では年2字SEOUL(局名下)IJPO逆向き・JN3上海日本郵便局、実際に私が扱った物なのですが、ちょっと時期尚早という評価になっているのです。「20銭リ」は、私の感性では、2枚目云々でなく、1枚目で挙証責任を果たせている、でも2枚目や、連れが有って始めて陽の目を見られるケースも多いのでそこらを書いていきましょう。

2010年2月4日(木)

『現行切手即売』
第62回フロア他の3月のオークション誌の入稿が完了、12日に確実に発送できます。ちょっと時間が出来たので、次の即売品の整理に掛かっています。バザールの目玉は、現行切手の銘10、相当なボリュームで新規商品をお見せできます。
郵趣の2月号の現行切手シートの即売広告にも、予想以上の反応が来ています。10Bでなく、シートなので、ちょっと足が遅いかなと思っていたのですが、オークションでの10Bの落札データを基準にすれば、大いに割安感があるのでしょうか、高い物からかなりの勢いで売れています。中には現品限りの物も有りますが、大部分は10Bをベースにオークションでも後日ご案内できると思います。こちらは色々準備が必要なので、長期の仕事になるでしょう 。
11月のバザールと、2月の郵趣の広告に引続き、銘柄を変えて、シートの即売をゲリラ的にやりましょう。最初は2月13日(土)の「オール関西 郵趣家のつどい」・関西郵趣連盟主催=13時30分から16時30分まで、大阪駅前第三ビル17階で開催されます。
その次が、2月21日(日)、弊社オークションの東京下見会、目白の切手の博物館で、下見の時間中に行います。
何れも、全て新規商品で、目打形式をベースにしたシート限定です。郵趣の広告の値段を基準にして、ありふれたオシドリ5円なら@2000円、桜10円なら@3000円程度になる予定です。おおもとの出所が、著名な目打形式に力を入れた製造面バラエティーの収集家の物なので、非常に歩留まりが高いのです。まだ、細かくは見ていませんが、CMでは、50円緑は圧倒的にコンベが多く、200円赤は、電子よりも暫定の方が多いような初期に強い内容です。松20円のA1や、逆櫛A2と思えるものも見つかってます。
今回のシートの即売は、目打形式ではまず見落としはないし、1次円単位のスクリーンも調べています。ただ、版は殆ど手付かずなので、それに価値を見出せる方には絶好のハンティングの機会になるでしょう。シートで売りに出しても、残れば10Bと額割れにしてしまうので、興味をお持ちの方は、是非チャレンジして下さい。この2回の機会なら、競争相手も少ないと思いますから。

2009年11月25日(水)

『現行切手』
この程、数年越しの交渉の結果、「知る人ぞ知る・現行切手・目打形式」の膨大なボリュームのコレクションの処分の依頼を受けました。アルバム、ファイル、特注のバインダーから切手をはずして、セロケースに移す作業だけでも数日間かけましたが、著に付いたばかりであり、全貌は殆ど確認できておりません。長期に渡り、あらゆる手段を用いての売り立てになりますが、量も半端でなく、内容も空前絶後と言って大げさでは有りません。1次円単位は発行初日からライブで集め、末は国立銘まで入ってます。ただ、分類手法は昔のままで、目打形式をメインにして、糊と紙を組み合わせての収集です。切手の保存にはブロック、単片でもマウントは一切使わず、古いところはグラシン紙を折り曲げて保存、4次R次以降は、4角をヒンジで貼ってます。今の30倍ルーペの知識で言えばちょっとはズレが有るのですが、目視できる糊・紙違いで異種を集めることにより、結果としてのスクリーン線数違いも集まっているのです。
円覚寺30円の普通全型を発見して、当時お付き合いの有った方に額面で分譲され、巡り巡って、私が今までに扱った関西の大御所中心の4~5点は全部この人の物が出所です。極美のシートも残ってました。スクリーンも定量の数値で集めてはいないはずですが、桜10円逆櫛180線、弥勒50円逆櫛200線も有るのです。正一連1はオシドリ、桜は当然あり、南天は非常に微妙です。4段抜けは充実しており、連柵は抜け段違いで集め、横波と正四(逆四も)も良く揃ってます。ここらの目玉は数が限定されており、慎重に値付け致しますから、売りにだすのはまだまだ先になるでしょう。ただ、確実に無かったのが、新藤と松の正二連1、オシドリ3版、八橋の定変です。CMも、熱心な分類手法ではないのですが、出現初期から集められており、350円のコンベ、各額面の暫定、複合などが相当量入ってました。何れ基本パターンで分類して即売でご案内出来るでしょう。
今回の第24回大阪駅前第三ビルバザールでも、大急ぎで値付けした分を特価で提供いたします。初日の土曜日は、「シート」限定です。青風神90円は20万、平等院30円は15万、1円普全は5万、松20円下全6は3万、貝4円CM淡は1万、オシドリ5円、桜10円の平凡品は@2000です。4次R次、慶弔、財務省のシートは、殆どが額面売りになってます。CM付も画像80円、イヌワシ90円、棟飾り150円あたりで額面の1000円増しです。シート故に割安の値段設定になってます。
「銘付10B・CM付10B」は2日目の日曜日に店頭に出します。即売値としてはかなりのお買い得値になってます。量は相当なボリュームで、全てが即売に出すのは始めての初心い商品です。ヒンジ跡有りも含んでますし、ルーペも自由に使っていただいて構いませんが、全部を見切るには相当な時間と根気が必要です。混雑回避の為に、両日ともに開場は10時厳守です。取り置き、予約、業者割引は一切適用いたしません。同じルートでの新入荷の記念切手、PR・ふみの日・緑化のシートの額面売りも大幅に増やしました。こちらも楽しんで頂けるでしょう。