japanstamp Archive

文献のお取次ぎ

佐々木義郎氏のJAPEX’15 金賞受賞作品の作品集です。8フレーム128ページをオールカラーで作りました。

頒価は3500円・大阪駅前第三ビルバザールでも販売いたします。郵送ならば送料は300円です。

パソコン=カラーコピー機にデータを取り込んでおり、ご注文に応じて出力・製本できますので、品切れのご心配は不要です。

ベテランコレクターの郵便史のアルバム作りをお楽しみください。

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SPINK INSIDER

数日前に届いていました。パラパラ見ると、半年前から噂になっていたセールの情報が出ていました。

2016年1月17日・Hong Kongでの売り立てです。超豪華カタログでしょうから、大事に残しておきましょう。

興味が有る方は、SPINKにお問い合わせください。

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面妖・父の遺品です。

11月23日深夜終了のヤフーオークションで注目に値する大ロットが4点出品されていました。出品者は東京の女性と思われ、IDはsnishi5556です。4ロットの内訳は、①中国切手ボストークアルバム1~4・落札値3,049,100円・②JPS日本切手アルバム1巻と2巻・落札値1,043,000円・③棚2つ分のアルバムと箱20個・落札値1,666,005円・④アルバム青=スコットアルバム17冊・落札値302,005円です。終了が月曜日、火曜日に連絡して、金曜までに入金、土日で発送の手はずだそうです。だからまだ、取引は完了していないので、落札者の評価は入っていません。

デジャブ―なのです。評価で見れば、この出品者の落札実績は120件・切手の「きの字」もなく化粧品のサンプル等です。出品実績は2件、ボストークの3巻と5巻、良い出品者の評価です。今回の出品物は、お父上の長年にわたる収集品、最低値は@1万円、画像を見て行間を読んでの勝負です。結果を見ればお分かりのように、ソソラレル内容です。画像は、結構出ていて、アルバム全体と、別窓のJPEGで、数十ページを載せていました。中国だけは何故か、全体の赤いアルバムと、数ページのリーフだけ、当然中国人は目の色を変えるのです。質問は嵐の如く来た筈です。下見したい、画像を見せろ。他のロットは100ページの画像付き、でもこのロットへの情報提供は、梅蘭芳の小型シートは入っていないようです、の一言だけ。正規の質問には一切無回答。高く売りたいのなら、牡丹と猿と文革は見せるでしょうに。Fixの活字の情報は、ボストーク1~4巻の年代の説明と、未使用が6500枚有ることだけ。でも、中国人は飛び込むのです。数枚の図入りアルバムの写真には、セットの未使用が写っている。総合計が6500枚の未使用が有る。確かに有るでしょう。でも小型シートや文革はどうでしょうか。質問に返事が無いのでビッド人数は少ないのでしょうが、2人で競れば300万、未使用の@10円のブロックがクリアファイルにギッシリ有って、ボストークは写真以外はカスカスでも、詐欺で訴えることは出来ません。ご愁傷さまかな。

日本切手は随分画像が出ていました。1巻に制定・冠は入ってます。2巻も結構埋まっている。琉球は100円加刷のページは見えません。情報としては、ボストークの1巻・2巻他、未使用中心、カタログ値は1500万+琉球が70万です。アナライズ致しましょう。2巻はコンプリで、型価200万、琉球はコンプリで70万、1巻の記念・特殊で200万弱でしょうか。善意に解釈しても、残りの1000万は、手彫~昭和のパートでしょう。でも、この部分の画像が一切無いのです。質問にはノーアンサー。Fixの情報通りのロットだろうと思います。でも、性格の悪い人が裏読みしてくれました。型価は未使用で1500万とは書いていない。波消しが箱一杯ということも有り得るよ。画像に出ている未使用は、型価で100万位かな。状態は問わずですが。残りは、20年程前のホリデーインの米国サンフィラセール、昭和毛紙10銭の万束が沢山有ったことを思い出すのです。5000束で型価1000万、落ち値が100万なので、未使用の面子次第では、ギリギリセーフかも。でも奴がやった仕事なら、優しいことはしないでしょう。どう転んでも、夢見た内容ではないでしょうが。

外国の2ロットも似たり寄ったりです。ガラの量は凄いのです。ギッシリ入っていれば、大丈夫。でも、画像で判るのは、アルバムの外面だけ。某公益財団法人のメールのパートを狙えば、ボソトーク(ユニ含む)なら、幾らでも買えるでしょう。合計で200万出す気なら、スイスのメジャーオークションのアキュムレーションでも、相当なボリュームの物を買えるでしょうに。妙齢のご婦人のお父上(謳い文句は故人で実はご健在)の出品には十分ご注意なさいませ。

追加の情報

昨日の変なメールでのオフーですが、実在のディーラーからのお話だと思えます。スイスのバーゼルで、切手や絵画の珍品を扱っている会社で、Galerie Dreyfus Drouotです。スウェーデンの黄色の3スキルバンコの写真が値段付きで出ていました。切手も、投資か投機目的で幾つかある商品の一つとして、扱っているのでしょうか。現時点では、即売品目に日仏コンビネーションは出て来ていませんが、私に25万ユーロのオファーをしたということは、この会社がフランスのオークションで仕入れたということでしょうか。世の中広いし、日本切手も捨てた物ではないとうことでしょう。でも、バーゼルの「小鬼」を相手にビジネスを取り行う余裕は、今の私には有りません。今回のオファーには返事も要らないでしょう。

プライベートオファー

今しがた、フランスからメールが届きました。付き合いのない相手です。内容は、例のカバーのプラーベートオファーです。値段は25万ユーロなので3450万円位です。添付ファイルはJAPANESE  PHILATELYの記事、其のものなので、このカバーの持ち主のオファーかどうか分かりません。直感ではボーカスだと思うのですが、兎も角面白いカバーです。もし本気でお入り用なら、何時でも連絡先をお教えします。

 

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ミステリー

XRF=蛍光X線分析装置での精密偽造郵趣品の摘発ですが、近日中に事態を大きく動かします。私及び親しい人だけで知っている問題、という括りでなく、須らく情報を公開して、今後の行動を意義有る物にしたいと思います。何を優先するかはこれからの課題ですが、事実の解明=偽物の摘発・被害の回復=損害賠償請求・情報の公開と保存=再発防止へと、公に行動する準備しています。残念ながら、最後になった『日本切手専門カタログ』「2011=2012戦前編」の巻末に17ページの「記事広告」を書きました。『珍品カバーを検証する』のタイトルで、一人の異能な人物の長期にわたる悪行を告発したものです。私自身の実体験なので、事実に基づく告発です。対象が特殊で限られたテーマなので、一部では話題になったかも知れませんが、小説として読まれたに等しく、或はメディアとしての小ささ故に、少なくとも郵趣界の目に見えるコンセンサスとしては、私が望んだ結果は得られていません。最早、過去のエピソード扱いです。相手は反省して大人しくなるどころか、むしろ悪意の技がレベルアップして、仕事が巧妙かつ高額に進化して来ているのです。その凝縮が、本年1月の「日本フィラテリックセンター」のフロアセールの一連の珍カバーの出現でした。ちょっとやりすぎだし、異局差出しのカバーで、同じタイプライターを使ったという、足が付くチョンボが有ったので、結果として、該当の出品者の出品物は全品WDになりました。処理の仕方としては、それで一話完結、余韻なしです。そして、このケースでさえ、オークション誌の記事を見た時の違和感、不快感は、現物を手にすれば消え去ってしまうのです。一連・一群で、全てが初の、大量の珍品が並ぶことは有り得ない、だからそれは、奴が作った偽物だろうというのが、私なら直感で感じる拒否感ですが、グループとしては有り得なくても、単独のマテリアルとして見れば、どこがダメかが言えない物が多いのです。オークションの出品物なら、あいまいな理由で拒否できても、鑑定という立場でなら、ダメを出すのは相当な勇気がいると思います。今度の場合、余りにも極端だったので、スルーは出来ず対応策が取られたのですが、今までにやったように10回に分けて売られたなら、ストップを掛けるのは無理だったかと思います。それに、過去の数十倍の悪事の検証と、対抗しての未来に続けるべき措置は何も為されていないのです。郵趣界に於ける行動力とはこの程度のレベルなのです。

縁あって、XRFに巡り合い、それを使うことにより、現物に接する事が出来たなら、想像以上に結果が明瞭に見えて来ることが分かりました。しかし疑惑のマテリアルを手にすることができない場合は、印刷物で過去のデータを俯瞰しても、果たして、真なのか偽なのか、分からないケースも有るのです。「日専」の記事は、結構厳しいタッチで、正鵠を突いているはずですが、今となれば相手に優しすぎる部分が多いのです。悪意の輩に対して、私が推理した動機の部分が、ある種、そうであって欲しいという知的な挑戦でなく、単に金目当てに過ぎないことが分かってしまったのです。悪事の発端として、1通のカバーを書いています。画像でお見せする、竜1銭1版 横浜検査済 壬申8月18日 最初期データ更新カバーです。MSA183号 MAY 12 1997締め切り Lot 2011 最低値 270万、落札値 320万。何分にも、18年前の出来事なので、時系列の並びが正確かどうかは分かりません。ただ、複数のメディアで活字になっている事実を元に話を進めて行きましょう。1997年の8月か9月、私の前の事務所に、水口正春が突然やってきました。商売上の付き合いは殆ど切れていたし、オークションの会員でもなくなっていたはずです。因みに、私が関わったオークションに、彼は一度たりとも出品はしていません。嫌われていましたから。来訪の要件は、自分が編集を任されているMSAに、自分の所有物=竜1銭1版貼のカバーを出品したところ、金井宏之氏が320万で落札、その後偽造だと返品して、しかも全日本郵趣に偽物と断定して記事を書いた、その理由は消印のズレ=空間だけれど、切手を一度はがして貼り直した際にズレタまま貼ってしまったので、物は絶対に本物、剥がせば元から押された消印が、切手の下から出てくるので、金井氏の面前で剥がすから、その交渉をして欲しいというものでした。私に仲介の労をとる力はないので、当然断りました。時は飛びますが、MSA192号 JAN.22 2000 Lot1120 270万で再出品がそれであり、偽物として指摘された要因のズレは、水口自身により貼り戻されています。竜1銭1版のカバーは、500文2版に匹敵する希少性です。それ故に、初期使用のデータも、長期に亘って壬申=明治5年9月14日のままになっていました。水口のそれは5年8月18日です。専門家にとっては、この更新はビッグニュースで、金井氏の正面切っての告発も有り、水口のそれが、本物か否かが真剣に議論されたそうです。金井さんは「神」なので、出した結論を屈返すことは有り得ません。時を経てなら別ですが、出した結論を、即座に自ら訂正することは望めません。でも、手彫切手研究会の有史で真剣に議論され、「真正だろう」の結論になったと漏れ聞きました。本来なら、2007年発行の手彫切手専門カタログに、初期使用データとして水口が出品して、金井氏が落札・返品した5年8月18日が、採録される予定だったのですが、新カタログの発行以前の2000年頃に、タカハシオークションに7年7月12日の横浜検査済消しのカバーが出たのです。最低値5万で不落札なので状態は推して知るべしですが、データとしては生きるのです。MSA192にも、水口の出品で、同じ組み合わせで7年7月25日の物も記録されています。初期使用更新競争というよりも、データが少ない1銭1版で、横浜使用のエンタが3通ということは、松田1銭の横浜配給と絡めれば、面白いデータが見えるかも知れません。

前置きが長いのですが、論点は一つ、水口が出品して、金井さんが返品したカバー、本物か否かが知りたいのです。日専の記事で、私は本物と書きましたし、手彫研の意見も同じです。頭に来た水口がやったのは、MSA192号への再出品、記事を載せて置きましょう。結果は不落札でした。彼の評価は、『無地紙』の希少性を強調していますが、オンカバーの場合は、然したる意味はないし、初期使用というデータも、値段には影響ありません。私の評価では100万+かなと思っています。その後に、売られた記録がないので、本人が持っているかも知れません。XRFで調べて、Tiが出ないならば、扱ってみたいカバーです。気になる点が一つあって、東京の干支印に油の滲みが有るのです。この特徴は水口の偽カバーの共通点としてよく見られるのです。真か偽か、現時点では分かりません。私が、本物と信じた大きい理由は、水口が私に、金井氏との仲介を求めてきたことです。理屈は通ります。本物の自信が有るのでしょう。まさか、自分が作った快心の偽カバーで、この行動は無いだろう、と信じたのです。彼が悪事に手を染めたのは、この件が大きいきっかけ、重要文化財に指定されて後に偽物と分かって取り消された、「永仁の壺の加藤唐九郎」と通じるのではのニュアンスで書いたのです。でも、それは私の買い被り、大いなる誤解だったのです。改めて検証すれば、それ以前から、野別まくなくやってますから。金井マターが動機とか発端では無かったと断言できます。この時に彼が発した、「年寄連中の目が落ちている」の意味は、良いものをダメとしたという怒りでなく、偽物を見抜けずに、間抜けな高値で買っているという自信が元になっていると、今なら分かります。この時の文章で指摘した、彼の悪事に関しては、間違ってないと思います。でも、彼を信じて、字数を割いて、本物として例示した3点のカバー、500文2版貼 佐久山、河西務の欧文消の葉書、野戦郵便局の初日消カバー、再検証が必要だと真剣に思ってます。知れば知るほど、調べれば調べるほどに、彼奴の仕事の凄さが分かって来ているのです。機械抜きの1点勝負では、誰も太刀打ち出来ません。

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本物でした。

ようやく、8月のオークション誌が入稿出来ました。引き続き、JAPEXセールと12月のPA/MAの編集にかかります。懸案のXRFの分析も随分進歩しています。文献の精読は終えたので、後は自分のテーマに必要なごく一部の要素を纏めれば良いのです。これからは現物に当たってのデータ採りなので、少なくても1000単位、実際は1万点ぐらいは調べます。基礎となるポイントを幾つか押さえれば、その後の分析の説得力が増すのです。この件は、回を改めて説明いたします。

しばらく前に、興味深い一群のマテリアルの分析依頼を受けました。「但馬国の初期消印」20数点でした。何点かは、ダメを承知で資料集めのために買っている。何れは、地元の郵便印の本を出すので、真偽の確定をしておきたいというご要望でした。XRFでの分析は、特定の一人が作った、極めて精緻なカバーや単片に限って、偽物の判断はできるのです。追々説明しますが、世の中に商業物質として存在しえない時代の元素が、その人物がマーケットに出した郵趣マテリアルから検出されれば、それは当時の正規な使用でなく、後年の偽物又は変造品に違いないという判断になるのです。その元素はTi=チタンであり、何時から正規の郵便印に使われたかを、月単位まで突きとめようとしているのです。印刷インキとの絡みや地域性でもう少し調査が必要です。でも、1920年以前には世界のどこにも無かったことは、あらゆる文献で等しく触れられています。確定している事実です。だから、現状でも竜から菊の時代にチタンが出れば、そのマテリアルはアウトです。この判断データはもっと後年まで使えます。ただし、Tiが出なければ、すべて真正になるかは確定できません。U小判2銭の後期12の、那覇ボタは偽印ですが、Tiは出ないのです。それを作った時代のインキに、Tiが入ってなかったからなのです。元より、私は最終の結論としての真偽の判定に関わるつもりは有りません。分析結果をチャートで提供するので、それを元にして、判断してくださいがスタンスなのです。この条件での分析をしたのですが、今回の一連のご依頼品からは、1点もTiは出ませんでした。

①は2010年1月の日本フィラテリックセンターのフロアオークションの出品物です。洋桜2銭チ貼 但馬大屋市場発、但馬竹田宛、消印は抹消印だけで、□但馬大屋町土田屋吉兵衛、出も受けも、実在の名前なのは、現所有者も確認済みです。但し、マーケットに売りに出た場所と、ルックスからして、本物の丁稚便に、本物の切手を貼って、偽消を押したとの疑念を持ったのです。局の沿革を言えば、大屋市場も土田(はんだと読む)も、7年12月16日の開局です。別の単片②の表示も、□但州土吉大屋だし、大屋市場か土田のどちらかで押した消印と考えても矛盾はないのです。出品者が誰なのかも分かりません。カバーとしては、情報が不十分なので、鑑定に出しても、意見は貰えても真実の保証は得られません。所有者の「照れ」でしょうか、駄目の証明が欲しいのニュアンスだったのですが、分析結果は「良し」になりました。このカバーの場合、Tiが出ないので、偽物とは断定できないという表現でなく、ポジティブに考えて良いと思います。その上に、立派な傍証が有ったのです。「フィラ関西・2010年5月号」③、高野昇郎氏の「最近のオークション誌から」です。2000年11月のKen Bakerさんのオークションに、2銭ホの単片に同じ(と思われる)消印の物が出ているというレポートです。この単片は上半分ですが、もう一点の単片と、同じ思想での作りになっています。偽物師がこの全てのデータを押さえて、偽カバーを作ったとは思えません。Ti無しが確認できれば、説得力も大いに増すのです。2004年・2008年に同じルートで入手された、但馬の初期のカバー類④⑤も、黒印からはTiが出ず、朱印からはHgが出ているので、XRF分析としては、全く問題は有りませんでした。地元印の場合は、偽を作る場合も、辻褄合わせの材料を見つけるのが容易ではないのでしょう。買う人がしっかり知識を持ち、データも押さえているのを偽物師も知っているのでしょう。

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ニセモノはだ~れ?

8月のオークションの入稿日が迫って来ました。ネタはたくさんあるのですが、本気で書けば4000文字コースです。今は時間が取れませんので短めで何度か軽めでやり過ごします。

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ニセモノはだ~れ?
正解は、KAGOSHIMA君でした。お買い上げ額は80,000円、時を経て、最近別のオークションに出て来ました。善意でのディールなので誰も責められません。作った人物を除けばですが。2次流通が始まっています。
久しぶりに、チャートをお見せしましょう。K・Caは印刷用紙の元素なので除いて考えます。それ以外の元素も、灰色の印刷インキをかなり読んでます。でも、Tiは、消印に起因して、この時も正規の郵便印には使用されていないと思われます。だからこれはダメ。ほかの物は分析の機会を得ていませんから、コメント出来ません。全部がダメではないのでしょうが。罪な話です。

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四者四様

XRF による分析ですが、対象とする試料によっては、強力な威力を発揮します。恐らくは、人の目で必死に見ても分からない物さえも、機械が提示する冷徹な数字で、確定できてしまうケースもあるはずです。ただ、それが可能だからと言って、私は人様の懐に手を突っ込んで、黑い物を抉り出す気は毛頭ありません。真偽の判定が必要なマテリアルをお持ちの方で、私が開示した情報に接した方でも、大雑把に言って、四種の反応が有るのです。①は積極的に、事実を知りたい、結果は受け入れるし、公の益の為なら、その事実を開示しても構わない人。②は事実の検証には協力する、但し、嫌な思いは忘れたいので、結果はオープンにしないで欲しい人。勿論、それはご希望通りにしています。だから、20点+のNGマテリアルを押さえても、ほぼ半数しか表ざたに出来ません。この制限が有っても、説得力の有る論文を書けると思います。数の多さには然したる意味は有りません。様は、事実を提示して、第3者を説得できるかですから。ここまでの人の場合は、該当のマテリアルは、黙ってそのまま持っているか、参考資料ということで私に永久に貸与してくれるかのどちらかです。ずっと一人で収集して来て、今の状況をご存じなければ動きようはないでしょうが、今後も別のメディアを含めて更なる情報を出しますから、遠からず世間的にも周知の事実になるはずです。それでも、③知らないふりをしているのか、あわよくば、売り逃げを狙っているか知りませんが、何の反応もない人が、人数的には最も多いのが残念です。更には、④完全にお一人で収集をやっていて、世間の情報にも一切接する機会をお持ちでない方も結構おられます。その収集マナーは物凄く寂しいでしょうに。

MSA・ヤフー・日フィラと、外形的にはオープンなマーケットで売られたものが多いので、何れも資料はかなり残っていますし、人の記憶にもインプットされています。このルート以外の物でも、今改めて見つめれば、筆跡とか、消印の滲みとかで、顔つきに特徴の有る物は、今後は表で売り物にすることは出来ないでしょう。知っていて売るのは論外ですが、100%善意であっても、最終の所有者が切手展に出せば審査員のチェックが入るし、遺品としてオークションへ出品する場合でも、今度は数多くの人の目を完全にスルーは出来ないでしょう。私のポリシーは、まず情報を公開して、その上で何をやるべきか考えましょうなので、自分が得た事実は、前提条件として、直接当事者のキャップが被さっていない限り、独り占めする気は有りません。分析機械も、無料で提供しますし、アポさえ取ってくれれば、立ち会って、その場での解析も可能です。こちらでは日程的な都合以外の条件は付けませんから、必要と思われる方はお申し越し下さい。前回の同一額面異種貼の不統一カバーの1年後のセールでした。日本フィラテリックセンターの第67回フロアセールのLot1958 2次昭和27銭単貼速達です。昭和20年には不釣り合いな綺麗で上等な封筒に、達筆の墨筆書き、冷静に見れば、この字体、どこかで見たような気もするのですが、それは思い過ごしの因縁です。最低値は6万円、20~30万でフロアで落ちました。2人で競ってましたから、まずまず相場ぐらいでしょう。結論に進みます。封筒の部分の消印と、切手上の消印からTiが出ました。速達の朱印からはHgが出ませんでした。昭和12年以降に酸化チタンが実用化された可能性は否定できませんが、今までの実績から見て、昭和20年の郵便印にはTiは入ってないと思います。結論としてこのカバーは、真正でないと判断せざるを得ないのです。墨筆の宛名文字と中身の手紙からは、Tiは出ていません。この部分の真偽は分かりません。このロットにはフロアの競りの時点でエクステンションのリクエストが掛かってました。このオークションの場合、鑑定は自動的に日本郵趣連合に回ります。2014年2月8日の「真正」のペーパーが付いています。関係者と問わず語りで話をしたのですが、差出人も受取人も、実在の人物であることは確認出来ているそうです。それは最重要のファクターでは無いのですが、逆にこの消印だけをフォーカスして、真偽の判断を求められても、可否を決するのは困難でしょう。特にダメを断定する根拠が無いのです。この位の印影なら簡単に作れる輩を相手にせねばいけないのです。もし、運よく、上甲子園局のデータが有ったとしても、比べても、寸分違わぬ同じ物という結論になるでしょう。単片上の未発表の消印なら、資料不足で「意見なし」も有りですが、カバーの場合、判断材料は十分なので、この逃げも打てません。突き詰めれば、消印一つの真偽のみで全体像を語らねばならない鑑定は、極め付けの達者な悪意を前提にはしていないのです。だから、現時点では私の機械の出番も有るでしょう。あくまでも、結論に導くための参考資料の一つとしてですが。

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次にお見せできるのは、有馬・切手博物館の所蔵品です。事実の公表の許可を頂いているので、包み隠すことなく書いていきます。今までの特別展示で、毎回話題に上っていたカバーの検証です。手元にあるMSAのオークション誌と、金井宏之コレクション集を対比して、4通のカバーの検証のオファーをしました。3通は、MSAの出品物、1点は、将来、別のカバーを調べるための比較データとして必須になるアイテムです。MSAの3通は、金井氏がご健在で、日本郵趣連合鑑定委員長在任の時の落札品なので、コレクションに入っているのは、鑑定書付と同意味です。179回 1996年5月18日締め切り。①Lot1126 竜500文貼 福山検査済 落札値220万、②Lot1127 竜半銭2枚貼 山形・和徳消 落札値65万、183回 1997年5月12日締め切り。③Lot2012 竜200文・2銭貼 西京検査済 落札値130万。姿からして、②半銭の山形は問題ないと思ったのですが、出所と時期ゆえに、分析に掛けました。抹消印2種からと、筆書き部分からはTiは見つからず、朱印からHgが出ました。問題ないと思います。①500文の福山です。福山検査済の封筒部、切手部、東京郵便役所印、十一月二日印、「未発表」タイプの郵便御用備後福山印からは、全てTiが出ました。墨筆からは出てません。封筒自体は真正か、白封筒の後書きかは、このケースでは不明です。消印は、全て偽物と思えます。念のためということで、福山の豊田陽則氏にお願いして、福山検査済のカバーと切手を3点見せて頂きました。何れも、当然ながらTiは出ていません。③200文・2銭です。西京検査済を世界で一番見ている人と雑談で話したことが有りました。正面切って聞いても、ストレートのご意見は聞けません。まあ、問わず語りの雑談でしたが、あれは駄目だよのニュアンスでした。西京の特有の針穴や、那覇ボタでも面白い話も有るのですが、こんがらがるので止めておきましょう。②ですが、西京検査済の封筒部分、200文上の消印部分、麹町郵便仮役所の消印部分から、Tiが見つかりました。干支印の東京郵便役所、墨筆からは、Tiは見つかっていません。朱印の西京郵便役所、午後便、朱筆書きからは、Hgが確認できました。この結果をアナライズして纏めれば、真正の使用済カバー=明治5年8月使用=西京・東京間400文料金の筆書き部分と、西京の証示印、東京郵便役所の中継印を生かして、切手2種を後貼りして、偽物の西京検査済で抹消、着印の麹町も偽印ということになります。出来はいいですよ。この人物の作品の特徴ですが、黒印の印油の滲みが有る物が多く、それが一つの指標になっているのです。このケースは微妙です。出来栄えからして見抜くのは無理でしょう。今から思えば、出来の良くない、500文の福山に、海外のコレクターからの依頼で私もビッドしていました。200万なので多分2番札でしょう。勿論エクステンションは掛けていません。まさか、カバーで偽物を作れるとは思っても見ませんでした。この機械と出会うまではですが。

fukuyama yamagata saikyou

『スタンプショウ=ヒロシマ ’15 ドラフト 余韻の即売

スタンプショウ広島2015 「ドラフト」余韻の即売
先着順に即売します。
金額には消費税を含んでいます。送料サービスです。
メールにて在庫確認の上、お申込下さい。

1 紅枠 半銭 イ 未使用 極小シミ 18万
2 紅枠 1銭 ロ 竹ヶ鼻検査済 30万
5 八日市検査済 1万
6 改桜1銭 ホ 2枚貼り 不足税 3.5万
7 ”封皮”長形2銭 イ KB2 加賀美川 6万
8 ”切手”角形2銭 ホ KB1 新潟 3.5万
9 和桜 半銭貼 イヘ1号 2.5万
10 新在家 売約済み
11 黄2銭貼 税不足 2万
12 東京ボタ 鏡字 8.5万
14 イヌ6号 売約済み
15 広島検査 5万
16 ナ18号 3万
17 ノ25号+上前板鼻宿 5万
19 洋桜2銭 ツ 早嶋 不統一 10万
20 洋桜2銭 子 吹屋検査 10万
21 改桜6銭 子 公用書留 6万
24 3種便 朝鮮仁川 空欄 5万
25 信濃御嶽山 2万
27 仏 船内印 2.5万
30 年2字 NIIGATA 6万
31 TACOMA PAQUEBOT 売約済み
36 朝鮮字入 10銭 SEOUL 30万
38 関東都督府絵葉 支菊1円貼 2万
39 菊5銭、大白5銭貼 売約済み
40 楕円紫満鉄印 5万
41 旧毛6銭 NAGASAKI 2万
43 印紙貼 書留 見なし通用 売約済み
45 台湾総督府 逓信局貯金台紙 4万
46 支毛20銭貼 4万
47 新毛7銭貼 FDC 4万
49 1次富士鹿4銭貼 YOKOHAMA 売約済み
50 1次富士鹿8銭貼 YOKOHAMA 売約済み
52 風景6銭貼 売約済み
56 海軍省副官 穿孔 売約済み
58 米宛 航空便 YOKOHAMA 売約済み
60 白抜 サ 2.5万
61 小判連合往復葉書 返信片 2.5万
63 薄墨連合往復 HANKOW 3万
64 支字桜連合 TSINGTAU 検閲 6万
67 菊軍事 櫛型 連奉間 3万
69 日露俘虜郵便 封上少裂 4万
70 ウラジオ 軍事郵便物 1.5万
71 チェコ切手貼 封緘紙貼 2万
73 教育勅語4銭貼 比島正刷混貼 売約済み
75 バタアン・コレヒ2完貼 名古屋宛 3万
79 3昭 50銭他貼 OSAKA 1.5万
80 秀山堂他貼 米宛 1.2万
81 1新昭他貼 TOKYO 売約済み
82 1新昭1円淡 田型貼 4万
84 2新昭2円ペア貼 OSAKA 1.5万
85 豪宛 OSAKAHIGASHI 1.2万
87 TOKYO CPO2? 1.5万
88 TOKYO CPO3 1.5万
89 126円貼 英宛航空便 1.5万
92 印刷物 航空便 米宛 2万
93 印刷物 航空便 米宛 2万
94 538円貼 航空書留 米宛 2.5万
95 機関車500円2枚貼 3万
97 平等院30円貼 1.2万
101 青風神90円貼 書留速達 2万
102 発光7円貼 機械年賀 5万
103 絵はがき 米宛 サイズオーバー 1.2万
104 旧ふじ貼 1万
106 松20円貼 FPO宛 売約済み
107 芦ノ湖 18銭貼 航空便 福岡宛 売約済み
108 KARUIZAWA 1.5万
109 0付立山75円貼 エアフラ便 4万
112 0無塔25円貼 受取人払い 速達 1.5万
115 大仏80円貼 機械 TOKYO 4万
116 日韓併合 資料とハガキ 3万
117 1回国勢 神宮鎮座 貼 米宛 2万
118 2回国勢 貼 独宛 1.5万
120 教育勅語2銭他貼 書留 独宛 1.5万
128 日本平24円他貼 航空便 米宛 2万
136 備中国 不統一 4点 売約済み
137 白抜 七日市駅 売約済み
138 紀伊国 不統一 3万
140 記番類似 大第壱号 8万
142 金沢ボタ 鏡字 2万
145 鹿児島ボタ 3万
146 那覇ボタ 売約済み
147 盛岡ボタ 1.5万
148 シニ8号 3万
149 富山ボタ 1.5万
151 金沢子ボタ 3万
152 佐賀ボタ 3万
154 白紙11L 3万
155 長野ボタ 3万
156 岐阜ボタ 3万
157 墨点・みほん 1万
160 佐賀ボタ 3万
161 奈良ボタ 4万
163 新小5厘 初日 2万
164 八重山島 2万
167 ANPING 売約済み
168 菊50銭 丸二 時刻入り 2万
171 目打ちズレ 1万
172 支毛25銭 A欄三ツ星 1万
179 初日印 2点 1万
180 イワテ 胆沢 2万
181 連続柵型 2万
182 1000円s/s みほん 8万
183 完 銘付 3万
184 ヤルート 海軍軍用郵便所 3万
185 創始10銭 版番号 5万
187 木津川分室 切手とハガキ 1万
188 機械 + 標語 1万
189 大きい定変 売約済み
191 縦書ローラー 岡山 1.5万
192 群青 右にズレ 1万
193 標語逆植 全国発売前 1.5万
195 左書き 復活Z型 2万
196 欧文三日月 売約済み
197 ヒョウゴ西宮北口 売約済み
199 欧文機械 TOKYO 2万
200 穿孔 山一 1万