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2011年12月21日(水)

『売ります・買います』

2012年版のJPS新中国切手カタログが届きました。猿が18万、パンダが25000なので、随分と、ド派手に値上げしています。今年の夏から秋にかけての勢いからは、この値段設定も分かりますが、昨今の本土での実需の相場ではこのカタログ値は通りません。今までにも何度か有った、値段調整の停滞期を過ぎて、エネルギーを増しての再上昇で、カタログ値は安すぎるよというデジャブーに出会えるのは何時のことになるのでしょうか。

直近の相場新聞の数字を出しておきましょう。2012年1月号です。月1の発行ですが、上げは早いのですが、下げには慎重になっています。有り体に言えば、相場の下落を反映してはいません。11月頭までは、この新聞の「買い」の数字に元/円のレートの12~13を掛ければ円換算になり、横浜国際展では商品を作る端から、目の色を変えた中国人同士の取り合いになって売れました。新聞の元に14を掛けて、値切られて、1割引いて商売成立がパターンだったのです。今は、見向きもされません。

銘柄・番号  売ります・人民元   買います・人民元

赤猿 T46 12500 11000=132000円

パンダ 革14 2000 1400=16800円

梅蘭芳小型 紀94M 250000 150000=1800000円

猿が13万、パンダが15000、梅蘭芳が200万というのが、まさに相場だったのです。

郵趣に広告を出している、ぱくちゃん=日中スタンプ商事、さとうくん=宇中(うなか)スタンプ、はるよさん=ケン・ベーカーが僅差で値組みの数字を出していますが、その根拠は正に相場新聞の数字です。直近まで、実際にその値段で買っていたはずです。相場の矢印が右上を向いていたならば、彼や彼女らなら約束は守ります。今は、弱っているでしょう。相場が急変ということで値段を下げざるを得ないのですが、結構エネルギーがいるのです。最初から広告主を疑って、喧嘩を売ってくる輩もいますから。上の数字で分かる通り、「猿」は1割の鞘の範囲での商売です。買います=は業者が買う値段、売りますは、業者が売る値段、最近の相場での13万で動いている猿は、利益5000円で100%本土のシンジケートに入ります。この値段で買えるコレクターは一人もいないでしょう。猿の5分・1割の利幅は極端ですが、他の物も「買います」で買って、1割オンして北京・上海へ即流してしまうのでしょう。コレクション目的でないのは無論ですが、投機とかバブルとかではないダイナミックなメカニズムで動いている雰囲気です。ヤフーを見ればよく分かります。猿が即決13万でウジョウジョ買い手を待って並んでます。来年2月はどうなっているでしょうか。消える時には一斉に姿を消すでしょう。

私にとっての中国切手は、サブのおまけ位の位置づけでした。でも、物が有れば相場と会話が出来るのです。横浜へ行く3日ぐらい前に、前触れもなく、旧知の道具屋のブローカーが売り込みにやってきました。手彫・小判は1種1枚、記念・通常のシートがカタログ値で2000万、それ以外に不発行4種完、おしどりの無目打銘付も有りました。相手もプロなのでギリギリの数字を要求します。飛び込める物には目一杯の数字を出して、何とかビジネス成立。相手は公私共に中国に深入りしていると聞いていたので、パンダいる?15000円・・と聞いたのです。やおら新聞を取り出して、いいですよと言ったので、不発行4種の代金は手持ちのパンダでまかなえました。貯めに貯めていた100何組かが綺麗さっぱり消えました。惜しくも何ともありません。本当に、パンダはどこにでも有るのです。特に、ポートピアでJPSがホルダーに入れて売ったので、関西には沢山残っているのです。

テレビで一瞬情報が流れただけで、7人から問合せがありました。「すまたん・ZIP」は次回です。JAPEXの直前に取材が入ったのです。

2011年12月20日(火)

『道は北京へ』

今日で、12月のオークションの清算業務が完了、ちょっと空き時間ができるので、直近の情報を書いておきましょう。2月の同業者の突然の訃報に始まり、間をおかずに500箱以上のダンボールが到着、優先順位を決めてのやっつけ仕事で何とか処理の目途が付きました。香港の2回のオークション=Robert M.Spauldingセールとで、平常の年間仕入れ金額を超えました。売る方も、大きい不定期のイベントとしては、夏の横浜国際展が入ったことで業務が全てがタイトになりました。こちらは1年ぐらい前から覚悟を決めていたので、初い商品は円滑に流れて、ビジネスとしては上手く乗り切れたと思います。

全ての郵趣のシーンに於いて、今年一年のキーワードは「中国」です。あらゆる道が北京へと通じているのです。前回に書いた旧小判12銭の田型は、無事にインボイスが来て、直ぐに送金、近日中に届くでしょう。最近の海外のオークションは、ギリシャでもオランダでもイタリアでも、目玉はみんな中国です。縁あって、ちょっと相場を勉強したので、戯れにビッドをするのですが、中国の大物や大きいロットは、どの国のオークションでも頑張ったつもりでも掠りもしないのです。以前は、日本にくっ付いて来たもので、結構なボリュームになったのですが、今やその可能性は有りません。バン龍の読めない使用済が、@3元=US$5=約400円で実際に業者の取引で売れています。清国時代の切手というステータスで、現地の末端での実需があるのです。旧中国と新中国、更には満州も含めて、どんなゴミの切手でも10円なら右から左へ動きます。これらの需要は川下でコレクターに納まっているので、突然途絶えることはないでしょう。覚えておいて損はありません。

今回の旧小判12銭田型のB銘版、片銘の使用済でも確認されていないようなのです。田型自体は幾つかの作品集と手元にある内外のオークション型録で、少なくとも5点、多分+2~3は有るでしょう。ただ、今回のPos65・66・75・76に確実に繋がる物は見出せていません。もう一つの片銘田型は夢の中で終わりそうです。

今回のセールでは、中国、主に旧中国で素敵な田型が沢山出ていました。でも日本は1点だけ、出品者が同じならば別額面も有ると思うので、次回に期待しましょうか。セールの数日前に、旧知のイギリス人から電話が来て、オークション誌が来てないなら教えるよ!自分と私以外は、誰も知らないだろうから降りるのでコミッションを寄こせ!みたいな話があったのです。でもその時点で、こちらはフロアビッドが出来る人を手配して、高くても落す手筈だったので、交渉に入らず、結果としては先方の出してきた数字の一刻み上で落ちました。参考値よりは、桁が一つ上がったけれど、ビッドした数字よりは一桁低い数字です。

中国は戯れに入れましたが完敗、アンダービッダー=2番札にもなっていません。本国は勿論、香港やアメリカ、欧州のメジャーどころのオークションでは私は中国はビッドしませんが、A5版のガリ版刷りのオークションハウスに出た中国切手ですら、私の数字では勝てません。しっかりと中国人のブローカーが見ています。逆に日本切手は、落すつもりで入れれば、歯ごたえなく落ちるのです。今回のセールで、旧小判12銭田型よりも高かった中国切手を画像に載せましょう。赤い切手と田型は何故か評価は高いのです。

昨年までは、中国切手の相場など全く把握していませんでした。ただ、たまたま縁あってやってきた、先達の遺品のダンボールに動物トピカルとしての6種のパンダが100組以上混ざっており、花トピカルとして15種の牡丹のシートが有ったのです。否応なく数字を覚えます。簡単で確実なのは、原色図鑑やヤフーのデータでなく、本土での相場新聞です。複数の版元から月1で出ています。

新中国切手の相場は、国際展~JAPEXまでが現時点では未曾有のピークでした。無錫のアジア展では2~3割ダウン、旧正月が明けるまでは回復は無理でしょう。その後にどう動くかは今は誰も判りません。そこらも含めて、数回話を続けます。

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2011年10月19日(水)

『スタンプショウ広島 残品即売』

リストの残品を先着順で販売いたします。

送料サービスメールにて在庫確認の上、お申込下さい。

ロットNo.
記事
金額
1 竜100文 大阪検査済 20万
2 小判5厘葉書 記番レ1号 5万
3 KG河内枚方 1万
4 ○酒 酒田不統一 4.5万
5 洋桜2銭ト 5枚貼 20万
6 改半銭4枚貼 KB2大津 5万
7 改桜6銭ワ 他貼 シ28号 5万
10 外郵十字消 12万
11 小型花型黒 5万
12 大型白抜十字 8万
13 白抜K HIOGO 10万
15 角型2銭に2種貼 5万
18 KB2日光町 封汚れ 10万
22 明治OSAKA 切手少タッチ 3.5万
23 米不足税混貼 2万
24 米→日本 不足便2点 4万
25 新小10銭貼 不足消し 3万
26 新小10銭貼 世界一周はがき 4.5万
27 新小1円貼 価格表記小包送表 20万
28 菊5厘 櫛型消 2.5万
29 丸二 台湾台北 売れました
30 欧文 TAMSUI 7万
34 朝鮮字入 元山 8万
35 KIUKIANG 4万
37 日中コンビ 丸一 重慶 8万
39 菊 軍事貼 SHANHAIKAN IJPA 25万
40 旧毛9枚貼カット 櫛サイパン 6万
42 日英コンビネーション 2万
43 台南 書留内容証明・配達証明 5万
44 TIEHLIN 鉄鎮欧文消 売れました
52 代金引換 漢口宛 5万
53 航空書留 朝鮮宛 2万
54 航空 大阪宛 1万
56 CANTON 2.5万
58 旧毛軍事 広幅 売れました
59 旧毛軍事 狭幅 5万
60 新毛コイル2種貼 6万
62 1次 富士鹿8銭貼 売れました
64 旧改富士鹿4銭貼 帯封 2万
65 震災完貼他貼 KOBE2 10万
70 ルイスFDC 6万
72 第六一野戦 1.5万
73 天津野戦 3万
74 原符 香港 売れました
77 灰勅 5枚貼 1枚キズ 8万
78 2昭 3銭 宮古収入印紙 8.5万
79 私葉の書留 2万
82 無透2円4枚貼 第5種 1万
85 水芭蕉45円貼 第4種 1万
86 紅枠半銭ハ 未使用 少汚 10万
87 紅枠1銭ロ 未使用 少シミ 8万
88 紅枠1銭ロ 東京→大阪 12万
90 1銭レに1銭ハ貼 カ1号 3万
91 書留新聞紙 未使用3点 15万
92 飛信逓送 みほん 未使用 見本4点 30万
93 5銭 ◎YOKOHAMA 20万
95 支字丸菊封緘 米宛 15万
96 支字小判封緘 大阪宛 8万
98 関東庁 点付楠公往復 28万
102 トンボ3銭貼 売れました
103 トンボ2完貼 絵葉書 5万
105 日タイ親善飛行 3.5万
107 不発行 記葉2種 特印ヤルート 売れました
109 FDC 落合長崎 22万
117 南洋飛行 パラオ 2万
121 月に雁銘付貼 売れました
122 切手趣味ペーン貼 FDC 4万
123 ヤップ郵便局 10万
127 耕牛5c貼 1.5万
134 ADVERTISED 3万
135 日露俘虜郵便 売れました
137 TIN CAN MAIL 3万
138 BCOF完貼 2万
140 旧小4銭 5銭貼布告 7万
142 在日米局 HIOGO 10万
143 48文1版 シート 130万
144 房1銭 シート シミ有り 24万
145 竜48文1版 6B 売れました
146 竜500文 6B 46万
147 竜半銭2版 6B 左少浅 10万
148 竜1銭2版 田型 20万
149 政府キ半銭 美 35万
150 政府10銭 3連 美 30万
152 旧小2銭狸油性木綿 極少シミ 25万
153 旧小4銭 E紙 一部にシミ 28万
157 NAGASAKI 2万
159 札幌ボタ 2万
160 45銭 閉じた裂 5万
163 菊外信用切手帳 売れました
166 KOBE 目打離れ 3万
168 CHEFOO 1万
171 AMOY 1万
173 TIENTSIN 5万
174 支菊5厘 外国局等6点 12万
176 支毛5銭 加刷大ズレ 未はOH 少シミ 25万
177 支毛5円 NH 極美 売れました
178 震災9完コーナー田型 売れました
180 新乃木帖 みほん 美 10万
181 採炭夫 5円帳 みほん 2万
182 採炭夫 8円帳 みほん 2万
183 SOOCHOW 1.5万
185 TIENTSIN 1.5万
186 CHEMULPO 3万
189 東京中央 初日 ⑩ 売れました
190 日本橋 東京都 1.5万
191 OSAKA ⑩ 2万
193 奈良法隆寺 初日 売れました
194 捕鯨無目打 8.5万
195 桜10円 色抜け 2.5万
196 久米島白紙 POS8 一字ズレ 25万
197 100円加刷 NH 美 18万
199 乃木未使用 ロット 11リーフ 20万

2011年10月12日(水)

『スタンプショウ=ヒロシマ ’11 ドラフト ルール説明』

今年も10月15日(土)に、広島県立産業会館西館に弊社がブースを出展、会場にて、日本関連の郵趣品、200点を「ドラフトシステム」にて販売いたします。

(90%以上は、今回が初お目見えで、全て消費税込みの値段を明示した即売品です。)

販売は、直接会場にご来場の方に限ります。当日の10時10分頃から正午まで、エントリーを受付、お渡しする用紙にて、ご希望品を「指名」していただきます。

まず、エントリーの際に、抽選機で「記号の玉」を引いていただきます。「A~Z、あ~ん」がガラガラに入っています。同時にエントリーの投票用紙を、一つの記号に対し1~10の番号入り「A1、A2、・・・A10」(ご希望によりそれ以上も可)をお渡しします。展示しております200点の商品の内、ご希望品ごとに1枚の用紙を使ってください、優先順位の高い物から若い番号にご記入下さい。投票締め切りは13時00分になります。

投票を開き、各ロットごとに集計します。投票がお一人の場合は、無競争でその方にお買い求めいただけます。投票の順位(番号)は無関係です。もし、特定のロットに複数の投票が入った場合は、①投票用紙の番号が若い方を優先します。1>2>3・・・>10になります。②同じ順位で複数の札が重複した場合は、若い記号が優先です。A>B>C・・・・>あ・・・>んになります。

優先順位は記号が優先されますので、「A」を引いた方の1位は100%のパワーですが、「A」の2位よりも、「ん」の1位の方が強いのです。他のメンバーの投票行動を読んで、賢く投票して下さい。

10時~13時00分まで下見可能です。

今までの実績では、200点のエントリー品のうち、約半数が指名を受けており、上位指名はかなりの確率で重複します。1位~3位あたりは本筋から外した物のほうが買える確率が高くなります。また、記号が遅い場合は1位チョイスでも安全ではありません。弊社は当ドラフト200点=即売品の抽選の結果には何らの特別な意思も反映させませんので、是非、当日ご参加の上、運と頭を使ってチャレンジして下さい。残品は、投票後、発表の値段で先着順で販売いたします。

商品のお渡しは、14時30分より、行います。

ジャパン・スタンプ商会会員様は、現品先渡し、口座通し、後日送金にて結構です。

200点の画像は、10月13日の夕方、当ブログでご覧いただけます。

2011年9月6日(火)

『好々婆と赤い花』
今回のセールでのJAPANは2つに分かれていて、一つはロイス・エバンスさんのネームドセール、ノンブル221ページのバイリンガルの立派な作品集兼オークション型録でした。同じことを私がやればコストは500万円位は掛かります。売り上げと手数料という数字だけで分析すればビジネスとしては厳しいのでしょうが、これからどんどん続く他の出品者へのプロモーションなのでしょう。スイスの豪華カタログとは雰囲気は違うのですが立派な仕事だと思います。かなり前に米国西海岸のセスカルで彼女の作品の展示を見たことが有って、クラシックで良い物も有るけれど、最後の締めが、菊切手の貯金台紙・・??というのが強い印象で残ってます。弊社への出品を仲介する、というお話も有ったのですが、具体化せずに終わっています。結果としては、今回のやり方で正解です。ご本人も香港へ来ていて、競りを見てニコニコしていました。
私の方は、1点だけ、彼女に敬意を表して値段かまわずに落としたいロットがありました。Lot2354 手彫封皮の研究のロット、American Philatelist誌に数年間連載された、オリジナルの版の分類記事の基の材料のロットです。マテリアルとしては不人気で、商売にはならないのですが、ちょっとした後悔の念があり、それをクリアしたかったのです。エバンスさんが最初で、川崎の吉田卓司さんが続いて、伊藤典昭さんがフィラテリストに記事を書いていたテーマでした。勿論、後になるほど完成度は上がるのですが、吉田さんのデータの資料は誰も持っていないのです。実は縁あって、ご本人から連絡を貰って、コレクションは随分前に私が丸ごと扱ったのですが、資料もそのまま記録せずに次の人に渡したので、数人の手を経て、どこかのタイミングで無くなっています。何人かからコピーぐらい残せよと、怒られました。
このテーマは、材料があれば料理はし易く、日本で研究は大きく進んでいて、今の知識で膨大なエバンスさんのロットを再検証してみたい思いがあったのです。スタート値から競らないかなと思ったら、あにはからず、3倍を超えましたが、下見もしてないノンリミットなので買値は既に忘れました。彼女には、日本のしっかりしたサクセッサーが、あなたの研究を続けるからと言っておきました。商売を抜きにしてもやりたい仕事だったのです。
後半の薄いカタログの出品者は3人だと書いていました。エバンスさんはほんの少し、封皮と二ツ折葉書ぐらいで、主たる出品者は、コードネーム『RedFlower』さん、更にこのオークションハウスの3月の第一回セールの全てが同じ出品者だと書いていました。伝を頼って素性を調べたのですが、一言、confidentialで逃げられました。でも、公表されている資料でも調査が出来たのです。ヒントは、前回の最初のロット、小判のコレクションで、1960年代のアメリカの国内展で賞を得ている、それを梃子に、JapanesePhilatelyを紐解けば、見覚えのあるカバーが出て来るのです。
ライシャワーやドナルド・キーンと同じような立場で戦後の日本と接した、ISJPの大立者。売りに出たマテリアルを逆に引けば、誰もが納得できる人物です。まだご健在と聞いています。彼のコレクションこそ、ネイムドセールでやれば、インパクトは強烈、『みほん』は、不発行・トンボ・制定・富士山を含めて完揃い、もしかすれば創始75年S/Sだけが無かったかも。弊社でやれば3倍にはなったでしょうに。旧小判の銘付やエラー・製造面のバラエティーの大群は、彼なら持っていて不思議はないのです。私としても、今になって分かった事、彼の名前を知っていればもっとやったかなと、今振り返るなら、幾分かの取りこぼしをしています。海外のオークションのビッドでも、情報があるかないかで大いに結果に差が出てきます。
セールとしては盛り上がりがなかったのですが、特記すべきは南方のパートです。表面上のマテリアルよりも筋のいい物がありました。大川如水=岡本金三郎とはご本人が接点が有ったのでしょう。魅力的なカバーが一杯ありました。勿体無いロッティングなので、ビッドする方は面白かったのです。持ち込みのフィリピン使用などはここにしかないかもしれません。ゴミ扱いになっていましたけど。
裏表紙の目玉扱いのアンダマン・ニコバルのCTOのカバー、頓珍漢な似非情報通の出鱈目話で、弊社で数年前に売られた現物が出品されたという噂が流布されたのですが、これは100%ガセ、よく似たものですが別物です。弊社のものは、出所は九州のコレクターでしたが、カバーと切手数枚のロットで、135万+15%で、南方切手収集グループの枠の外の人が落としてます。まさかのお買い上げだったので、インパクトは強いのです。アメリカのオークションに出品する訳はありません。逆算して、今回のカバーもその時の2番札の人に100万なら売れるのでしょうが、想定の人が横浜でオークション誌を手にして歩いていたので、邪魔をするのは止めました。ハンマーは84万円、高くはないのです。それ以外もこのパートは、メールの一声か、私が撥ねたかのどちらかです。こちらは、南方というよりも昭和の評価でビッドしたのですが、安くはないけれど結構買えました。基準は、昭和切手の無加刷か加刷貼、北ボルネオの日本宛の実逓カバー、宛先問わず、大川如水も浅野物産もOK、暫くは温めておきましょう。

2011年9月2日(金)

8月8日に送金、お盆休みが入り、先方の組織が丸ごとアメリカに帰国したのでしょう、メールもFAXも連絡が全く付かず、ちょっとイライラが入って来ていました。1週間ほど前に、旧知のAmyちゃんからメールが来て、発送の事務は、Phila Chinaがやってくれるとのこと、この時点で一安心、でも、Fedexを使うので余計なトラブルが起きるのです。こちらは数百回の経験があるので、的確な交渉は出来ますが、素人さんにはきついかも。日本切手の輸入なら、原産国=OriginJAPANとして、デコ=declareは絶対に、フルデコ=インボイスの金額=CIF(運賃・保険料込み)そのままでやるべきです。これでもお馬鹿なFedexの通関士は税関の名前を騙って邪魔をします。ただ、喧嘩をすれば100%勝てるので、勘違いしての無意味な過少申告をしてなければ、交渉の手段がありますから、同じ立場でお困りなら助けてあげましょう。再輸入の免税に「輸出証明書」を出せというのは、滅茶苦茶だし、法令はそれを求めてないのです。DYNASTYの場合は、インボイス上で、ロットごとにタイトルでJAPANが入っているので説明がし易かったのです。でも、外郵=郵便ルートの税関に比べて、民間の通関は要領が悪いのです。税関自体は絶対にうるさいことは言いません。丸1週間で通関でき、物も確認、これから次の作業にはいります。一区切り付いたので、書いていたテーマを続けてUpいたします。

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2011年8月11日(木)

『ライブの情報』
国際展が終わっての帰阪が8月2日夜、3日は会社で仕事、4日早朝から香港へ行き、8日に帰ってきました。DYNASTYオークションへの参加です。結果は既にWEBに公表されていますので数字としてはご存知だろうと思います。ただ、実際にフロアに出たものでないと得られない情報を一杯持っていますから、幾つかのテーマで何回か書いてみましょうか。
私のトータルの落札額は国際展での売り上げと誤差の範囲と言える位の数字で一致、直近の香港ドルで送金したかったので9日付けで送金を済ませました。
今回のテーマは、①出品者のエバンスさんに敬意を表すること、②エージェント=成功報酬5%の約定で、トラブル無く依頼を受けたビッドを完遂すること。③日本からの下見なしのメールビッドには負けないこと。以上の3点です。あとは場での流れ次第なのですが、下見に2日、ビッドが2日の必要十分条件を充たした仕事なので、アドバンテージは強烈、下見なし、値段の調整が不明?のメールビッドには負けるわけには行きません。
私の普段の取り扱い品目は、竜のシート・カバー~現行の銘付きとCM・・A1/B2まで・・。でも今回は、勢いで外国局、南方までもやりました。
南方はちょっと特殊ですし、異常なデータなのですから別項目で書きましょう。だからJAPANの2冊のカタログの内、メールビッドと場が競って、結果としてメールに落ちたのは恐らくはゼロだろうと思います。メールの一声、オープニングコールで落ちたのは、余程のゴミ?を除けば10点はなかったと思います。パドル番号をメモしたのでほぼ間違いはないでしょう。アナライズすると今回のセールの雰囲気が見えるのです。
ハンマープライスをHK$で書きますから、15%の手数料を加算して@12を掛ければ日本円になります。何れも、メールの一声、そのままで落ちています。
1627 HK$10000=房2銭ロット、宇佐検査⑩他・・単片なので・・。
1642 HK$11000=写真と記事がテレコで、ロットとしては記事が優先、写真の関駅検査済は前のロットに含まれます。
2001 HK$16000=写真の通りです。◎MEIJIのNIIGATA、鎌ヶ谷検査済等、物は良いのですが、コレクターの値段です。
2053 HK$40000=少なくとも大白切手帳の完本は入っていません。私の評価7万円が48万円で落ちています。2番札有ったかな?
2128 HK$55000=竜5銭田型、良い物ですが日本の小売りの2倍です。
2204 HK$10000=旧小判1銭茶 未使用15B、綺麗なものですが、私の即売の値段とほぼ一緒、まだ一杯ありますよ。因みに、小判切手関係の切手のパートは、メールに落ちた物はこれ1点、他も結構強いメールの札でしたが、全部フロアで撥ねて落としています。
2340 HK$8000=紅枠2種未使用・官葉研究会の摸刻なので、返品して下さい。まともな葉書と封皮はエバンスさんのライフワークなので、値段構わずに全部買いました。感謝されて写真をとられましたけど。
2377 HK$12000、2381 HK$1200、2382 HK$18000、菊他のカバー、下見すれば買いにくいロットでした。
エージェントとしての仕事は、オークションハウスが国際展の会場でプロモーションをやったので、皆が情報を共有しており、口コミの紹介で15人から頼まれました。皆さん、随分と強い札でした。同じロットに複数からダブった場合が困るし、実際に今回も起きたのですが、この場合でも調整はやらずに機械的に処理をしました。内部での事前調整や連絡は一切やりません。ただ、今回の場合、フロアスタートの時点で、この条件は解消されていました。私は、依頼されたものはその値段までの優先権を100%、依頼人に譲ります。成功報酬は5%、落ちなければゼロです。依頼値を超えれば、優先権は消えます。
結論としては、楽勝で全勝か、完膚なきまでに負けての全敗かのどちらかでした。中途半端はないのです。創始10銭版番号付田型は、ほぼ美品がHK$6000=72000円、同じく古色は31200円というのも、冗談でなく本当です。少しは場でのテクニックを使っていますが、記念切手の未使用は、今は誰も買いません。U小判1銭シート=極美がHK$26000、これは欲しい人が日本に4人、2人が既にお持ちでビッドせず、一人は事前調整で止めさせて、残りが一人になりました・・の値段、あまり安く落ちても後の処理に余計な手間が掛かるのですが、私なら何とか丸く裁けます。
負けたカバーの素性の分析が結構面白い結果でした。完全に一人のストロングビッダー=T23の電話入札、私自身のビッドも含めて、1勝10敗、次回に一本の記事に仕上げます。場でのビッドは「マイケル」爺さん・・、多分彼だと思います。昨今の欧米・香港での高値落札の疑問が解決、弊社の大竜コンビで900万で負けた人?
「猿」と「パンダ」と「Y1カバー」と「日中コンビ」は今すぐにでも売りましょう・・、「tomopuと福丸の市の竜のエンタ」もここで売れば大金持ち・・が結論になるのです。