『ハリケーン・サンディー』
最近、必要に迫られてですが、新しいビジネスを始めました。広告を出す程までは完成度が高くないし、ある意味、肝要部分は人任せで、最初から最後まで私の裁量と責任で完遂できないので、手探り状態でのスタートです。アイデアとしては悪くはないと思います。
弊社の顧客がお持ちの外国切手のコレクションを、海外のオークションハウスに出品しての現金化です。ビジネス的な手間とコストを考えて一定のボリュームが必要です。最低でもコレクションに使った金額ベースで1000万円、売れて数万ドル、出来れば国際展への出品作品か、せめてJAPEX・全日展での金銀賞以上のコレクションが対象です。原則としてクラシック、郵便史として評価の高いカバーは○、トピカルやゼネラルの切手は×です。既に、口コミでの依頼を受けて、5人ほどのその類の物を扱って、すべてお支払いまで完了。幾つかの予想外の軋轢もクリアして、一応の結論も得ています。US$が360円の時に買ったコレクションなら、為替レートの変化や、市場の実態を考えれば、外国切手の場合、中国以外は、数分の1の戻りでやむを得ません。日本国内では売る場所すらないでしょう。
弊社を始め、日本切手を日本のオークションハウスで売るのとは、全く基準が違います。フォークランドのペンギンとか、オーストリアのWIPAはどこでも、1点で出せるのですが、数百ドルレベルの単片なら、何枚有っても1ロット、逆に言えば、アルバムに整理したコレクションが有ったとして、数点をシングルロットで出して、残りは一括みたいな売り方が基準です。香港で売られた「水原明窓」の旧韓国コレクションのような、ネームドセールなら、シングルロット+リーフ1枚売りも有り得ますが、それは非常にレアなケースです。有力なフロアセールを運営している会社の場合、金額的には平均して、1ロットで1000ドルぐらいのボリュームでの扱いです。各国の代表的なオークションハウスは皆共通です。手間隙かけて、懇切丁寧にうす造りをやっている、日本が異常だし、顧客にサービスをしすぎなのです。日本のオークションの基準は、国際的には全く通用しないビジネスモデルです。一般的なコレクターが、コレクションの不用品、しかも数千円=数十ドルの重品を売れるオークションなど、日本以外にはないのです。オークションハウスの献身的な努力の結果、オークションのマーケットが辛うじて保たれているのです。お分かりでしょうか。
今回の仕事を始めるに当たって、データを取る意味もあり、また最初に依頼されたマテリアルがヨーロッパと英領が中心の、型価数千ドルがゴロゴロという、グレードも高かったので、今までに私が長い付き合いのある各国の代表的な会社に出品してみました。送付は原則EMSで、品物を明示しての真っ正直なデクレアでやりました。相手はコレクションの母体国としての、アメリカ・イギリス・フランス・スイス・ドイツ・オランダ・スウェーデン・カナダ・香港です。やってみてわかったことなのですが、ユーロ圏の諸国は、日本=EU域外から、出品するのは現実的ではありません。ガットが発展したWTOは条約で、各国共に当然批准もしているので、関税定率法の概念は各国にあり、原産国商品の再輸入免税とかになるはずですが、慎重を期して、瑕疵の無いきっちりした書類を出して、その旨を申告しても、フランス・スイス・オランダで消費税が掛かりました。更にフランスの場合、EU域外からのオークションへの出品には6.2%の税金もオンされるのです。
物流に関しても、届くまではイライラがつのります。EMSで送っても、通関に1ヶ月かかることもあるし、ドイツの場合、Webで配達状況の検索を掛けても、100%の確率で、「ご不在の為持ち帰り」からまったく動きません。別件も含めて、郵政経由の配達完了のメールは一度も貰っていません。日本郵便のフリーダイヤルは全く役立たずですが、大阪国際局が非常に親切に対応して、的確な情報をくれるのです。ドイツの場合、国際税関=フランクフルトに入って、各地方税関に流れます。この時点で独郵政から民間委託になるので、Webの問合せには一切反応がでないのです。実際は配達されているのですが、いずれのケースでも「ご不在・持ち戻り」の表示しかでないそうです。日本郵政のせいではないのですが、ユーザーとしては不快感しか残りません。だから、Web頼りでなく、直接相手に聞くしかありません。着いた?
マテリアルに対する評価という意味でも、ハードルはかなり高いので、我田引水的な、安易な気持ちならお断りいたします。自分が幾らで買ったというのは、何の意味も有りません。幾らで売りたいという希望も聞けません。それに拘るのなら、後生大事に抱えて、腐らせて下さい。オークションというマーケットに売りに出した場合は、そこで付いた値段に納得するしかありません。だから、大金を投じ、年月を掛けて魂のこもったコレクションを作った方ご本人より、その方から買い取ったディーラーの方のご依頼が有り難いのです。日本物や、アジア関連は、弊社でも魔法の粉を塗せるテクニックも使えます。日本国内で何とかお金に変わります。でも、外国切手は物が溢れている、世界の市場でのディールなので、全てにおいて甘くないのです。お知り合いに売れるとか、他の手法が有るならば、是非そうして下さい。海外のオークションハウスへの出品取次ぎは、過剰な期待に応えられるビジネスでは有りません。他に手段がなければ、お手伝いいたしましょうというスタンスです。10分の一になってけしからんとクレームを付けられても、何らの対応手段は持ちません。また、一度私の手を離れてしまえば、キャンセルや修正も利きません。このやり方では、結果に関しては、オークションで付いた値段だからそれが神様の数字だと納得してもらわねばなりません。
実際に終わった仕事なのですが、スイスのクラシックのコレクション、バーゼルの鳩や、チューリッヒの4・6も有って、ツームステインの評価で10万フラン=邦貨で1000万円位の、ゼネラルのコレクションでした。状態が混合ですが、使った金額は数百万円のはずです。アルバム1冊をスイスのオークションハウスに送って、掲載されたロット数は5、参考値合計は3000スイスフランでした。100%売り切るオークションハウスなので、見え見えの安い参考値になるのです。フロアでは結構伸びて、落札額で約100万円、当方の手数料は10%で、先方に日本円で支払って、商売完了になっています。
私の仕事は、物を相手に繋ぐだけ、それなりの経験を積んで、ストレスの少ないパターンを作りました。出品先は国ごとに細かく分けるのでなく、全世界のクラシックや高級品を幅広く、隔月でフロアオークションをやっている、アメリカのオークションハウスに絞ります。事前の交渉成立で送品は原則、FedEXの着払いでドキュメント扱いで送って、相手が掛けているロイズの保険で担保してくれます。発送料は負担ゼロです。最低値、ロッティングは一切一任、希望は全くリクエストできません。原則売り切りの安い値段の参考値を付けて、アメリカのオークションハウスの基本的な決め事で、残った物は参考値の半値で買ってもらう。返品を原則ゼロにするのです。普通の結果で、落札率は90%を超えており、10キロのカートン1箱1ロットという手抜きでなく、それなりに分割してくれています。平均の落札額は@1000ドルなので、双方にとってメリットのあるディールができています。小さいボリュームでは動けないのですが、何百万円かになるコレクションなら、何時でもお手伝いはいたします。一般的に言って、お預かりして、6ヶ月ぐらいで日本円でお支払いしています。当方の手数料は成功報酬10%の差引きなので、現金化できればOKだと納得して頂ければ、手間もストレスも、こちらがお引受いたします。
海外取引なので、全く予想だに出来ないトラブルも起こります。実は、かなりの大きいコレクションを、アメリカのオークションハウスで売って、昨年の11月始めに、10万ドル以上の小切手を受け取ったのです。本来の依頼者にはチェックを貰った時点で、TTBで円転して精算してしまいます。実務上はドル→円の手数料を節約するのに、円転でなく、私のアメリカの銀行のドルの口座に入れるのですが、航空便の書留で11月頭に送った郵便が、12月末で届いていないのです。心配になって、通訳付で電話したり、必死で調べて判明したのは、「ハリケーン・サンディー」のせい。ジョン・F経由の郵便がベタ遅れ、こちらは何の対応策も取れません。ただ只管待つしかない。事故で紛失ならば、再発行も要求出来るし、6ヶ月の有効期限が切れれば同じ措置もとれるのですが、直ぐにはどうにもなりません。結果としては、本年1月頭に書留郵便が届いたことが確認できて、やっとクリア。相手がアメリカの場合、郵便局も銀行も極めてルーズだし、日本の行政にも駆け込めない、全て自分の自己責任で解決しないといけません。日本国内と異なり、他人様はこっちの期待通りには結果を出してはくれません。日本では有り得ない、こんなストレスは大変なものなのです。一般の素人さんでは無理でしょう。
これ程のケースは想定外、宝くじが当たるよりは珍しいかも。でも、ニュースを慎重に見ていれば、小切手の送付に郵便を使わなかったかも知れません。FedEXなら、ジョン・Fでなく、メンフィスへ専用機で入るので、このリスクは防げたでしょう。プロとしてはちょっと後悔、でも、海外との取引には、これ以上のリスクなど、幾らでも潜在しているのです。トラブルをネタにしての、サービスの宣伝は気が引けるのですが、一般の方が的確には動きにくいこのビジネス、結構需要があるかも知れません。お心当たりの方は、まずご相談して下さい。Yes・Noをはっきりと説明いたします。甘い期待は絶対にご法度ですが。
『スタート値一覧表の一部変更のお知らせ』
PA76・MA66も無事終了いたしました。ご出品・ご応札の皆様方に感謝いたします。両セールを合計して、出品ロット4640・落札ロット3082・金額(手数料含まず)61,056,000落札率66.42%でした。何時ものパターンというよりも、今回も既に、不落札品の8%加算での即売のお申込が多数来ており、4~5%は成約率がアップして、最終的には70%を少し超えるのです。返品は恐らくは数点になるはずです。
ここらの動きには、全く紛れる要素は有りません。数年前ならば、75%+-数%、近年は70%+-数%、テーマでまとまったものが出れば全勝も全敗も有るのですが、平常のセールなら、この数字は不思議なぐらい動きません。
オークションは、売れてこその手数料商売、だから売れない物は元から排除するし、値段の設定も、同じものが繰り返して出てくるメカニズムからして、→右下に見るのです。最低値が一任の場合でも、売れる可能性の皆無の値段は付けませんが、100%の落札率を狙っての、自分で買い取れる値段設定にも致しません。売れて然るべき値付けで、尚も30%のロス=無駄働きが出るという見方も有りますが、物に対しての頭に入っている評価の数字は中々替えることは難しいのです。それに、オークションの場合、高いから要らずに、安ければ買うのでなく、要らないから買わないという因子が強いのです。これを覆すのはオークションのポリシーから変えないと困難です。全て売れて当たり前、値段は二の次というのは日本では難しいのです。
弊社では、システム面で、他社に先駆けて、幾つかのアイデアを実現してきています。スタート値を開示、メール+の応札人数を明示、不落札品の手数料減額での販売・・等です。実務上も上手く回るし、紛れる要素もないのですが、予想外に少し歪が出てきたケースも有るのです。
スタート値一覧(フロアセール)・暫定値開示(メールセール)=何れも、Webで、フロアセールの前日の金曜日に開示、土日のフロア当日にも会場で配布しています。特に、弊社のフロアのコールは1時間で500+、かなりのスピードなので、このリストが無いと、ミスビッドが相次ぎ、苦情の嵐が吹き荒れます。情報をオープンしても、フロアオークションとは、オークショニアが預かっている、最高値(秘匿)と場での競りなので、不利益を被る人はいないのです。メリットのみが有ると判断して良いでしょう。
メールセールの暫定値も、発表されたデータを見ての、値段切り上げの修正も受けるし、数字を参考にしてのビッドを、落ちない物はあきらめるという意味での、予算配分を的確にゼロからやる、つまり不利益を被る人なしで、利益を受ける人が出るというコンセプトでした。ただ、この効果が有り過ぎで、想定外の歪が出ているのです。
今回は、暫定値オープンの金曜日でのデータで、MA66の出品1869ロットに対して、応札ありは902ロット、率で48.26%です。土・日・月の丸3日で最終的に62.60%(不落札即売含まず)になるのですが、Lot4748など、金曜日で応札8・締め切り時で応札15です。増えた7名全員が、暫定リストを参考にされたのではないでしょうが、かなりの方が、Web待ちになっていると思われます。情報を得てのビッドの、有利・不利は深刻化しては発生していないのですが、別件でどうしても、想定外の不都合が発生するのです。
暫定リスト発表後の値段の変更=切り上げは認めます。そうでなければ、かなりの有利不利が出ますから。実際、かなりの人数の方がそうされます。再入札の際に、「値段を切り上げて再入札」と書くか、最初のビッドが1番札で無いのなら問題はないのですが、1番札にも拘わらず、同じロットへの値段を切り上げる方がいるのです。弊社で人の目でチェックして強い札を生かします。出来るだけ注意して、ダブらずに、自分と競らないようにはするのですが、フロア終了後の火曜日に、100人以上のフロアでのデータ入力と、150件レベルのメールセールの入力を短時間でやるために、オークショニアの義務として、自分と競らないようにするサービスは、お約束できません。入力時のエラー音とかも可能なのですが、同じロットへの同一人のビッド入力のケースは色んなケースで、数限りなく起きるので、プログラム的にはつくれないのです。
ビッドされる方は、押しなべて、自分ひとりがお客であるという思い込みをお持ちです。この前提を変えることが出来ないなら、そのことにより起きる軋轢を除くには、根幹の原因を除去するしかないというのが結論です。メールオークションの暫定値を開示するメリットは有るとは思いますが、それ程大きくはない、注意喚起を繰り返し、ダブって自分と競るのは自己責任と言い切れる自信は有りません。殆どの人は、私の想定しているルールを理解してくれているのですが、未だに、毎回FAXを裏表逆送、メールの誤送、締め後の応札が有るのです。対応に努力はしますが、結果は保証できません。特に、一番嫌なのが、ビッドのロットを、EX○○○と書いてくる、お馬鹿さん。EXはExsample=一例として写真を載せています、の意味で、この写真に対してビッドをして下さいでは有りません。もし写真と記事が違っていれば、記事が優先になるのです。これは世界中のどこでも共通のルールです。オークションへのビッドで、写真版のマテリアルを指定しての、EX○○○にはトラブルを起こすという以外の、何の意味もなく、自分はオークションの規定を全く読んでいませんの愚かさの証明になるのです。このビッドが有ったとしても、EXを外して=写真版の現物をFixでなく、書かれた数字でのロットに対してのビッドに変えます。記事と写真が間違っていれば、記事が優先で、写真とは違うロットとして扱うことをお含み置き下さい。オークションの全てのシーンで、間違えないように努力はしますが、ミスは必ず起こります。注意喚起をしても、オークショニアの想定どおりに動けない方がいるという現実から、そのことで生じるトラブルのネタは少しでも除いておきたいのです。繰り返しになりますが、今回のシステムの修正は、スタート値の開示関しての、「メールセールの暫定値公表」を止めるのであって、「フロアセール」に関しては何の変更も御座いません。
『JPSは切手会』
今回のFDCの大家のコレクションですが、時代を区切っての蒐集のポリシーがはっきり見えて来ます。境目が昭和23年9月9日の3回国体・水泳、渡辺版のNo1が出てからは、これに特化して蒐集されています。チェックはしてないのですが、渡辺は、恐らく限りなく完集です。その後は肉筆にも力を入れて、「ミヤコ」とかの、限定版の上顧客だったのでしょう。
渡辺の3国水泳は、ダイビングカシェが普通ですが、少女の浮き輪カシェも渡辺です。通常切手のNo1の数字1.5円+3.8円の孔版カシェも、はねつきのコロタイプ、44年年賀・とりの「鷹ぽっぽ」も有りました。渡辺以外でも、小型シートがほぼ完集、「制定」は実逓で極美だし、うなぎも完貼、京都は消印違い、犬山は完シートの渡辺、憲法は丸ごとではないのですが、切り抜きで普通シートのそれと混貼の外信・・カシェや日付でも、まだまだ楽しめるものが一杯です。徐々にオークションでご案内していきます。
渡辺版が発行される前は、基本的にカシェ違いというか、白封的なものも含めて、版元違いで何でも集めていました。この膨大な集積物を俯瞰して、初めて見えて来たこともあり、疑問が氷解し、目から鱗が落ちました。昭和23年以前のFDCで、この人がお持ちでないのは、存在しないか、有っても殆どマーケットに出て来ていないものだけなのだと考えて良いでしょう。収集品がFDCの歴史を逆に示してくれるのです。
私はオークションの記事編集の際に、必ず版元を書くのですが、1997年版のFDCカタログ(それ以前の物も当然)をベースにすれば、強烈な違和感が起きるのです。昔は活字の記載を信じていましたが、昨今は自分の感覚を重視しています。それは戦後の記念切手・創始75年~競馬法までの版元の分類です。
FDCカタログの図版の内、司法・2国・社会事業・全国緑化・教育復興・競馬法、それと図版には出ていない鉄道75年S/Sの版元が、「JPS」になっており、評価欄にもすべてJPS版が採録されていることが、マーケットの理屈に合わないのです。落ち着いた木版カシェで、ロゴにはJ・P・S・の文字は有っても、これらは明らかに一連の物で、その版元は切手会でしか有り得ないと思ったのです。これらをJPS=日本郵趣協会版とするならば、切手会版が世の中から、全て消えてしまいます。
JPS版は、憲法(22.5.3)がNo1、民間貿易は凹版の立派な物が有り、小型シートで雑な大阪展とか、ホンの希に見るものを除けば、本格的な出現は、4国冬~になります。今回のコレクションにも正にその通りで、そしてそれ以外は皆無だったのです。
付随するデータで言えば、切手会版のFDCでは、昭和10年前半からの、昭和切手、記念切手、国立公園の桜と文字の簡易カシェ封の流れが、戦後も少し続きました。3次昭和10銭の富士桜は例外ですが、3次昭和50銭、1次新昭和5円、2次新昭和10円横、5円、創始75年4完貼の、鳩と桜と縦書きJPSの文字封筒もJapanPostageStampAssociationと見て不自然ではないし、日本郵趣協会とすると、存在年代やカシェのポリシーで理屈に合わなくなるのです。
切手会の憲法は朝陽会の有名な凹版で、郵趣協会も別にあり、民間貿易の文字はJPSAで木版(郵趣協会は凹版で別のものがある)。この2点が切手会と郵趣協会が共存と確定しているので、司法=JPSA、鉄道S/S=JPS、2回国体=JPS、社会事業=PSJ、全国緑化=PSJ、教育復興=JSP、競馬法=英語無しと、ギャグの如く3文字(4文字)を並べ替えているもの全てが一つのグループで括れて、そしてそれは、切手会なのです。何となくは感じていた事ですが、今回の大コレクションを分析して、この推論が確信に変わりました。でも、憲法、民間貿易を除けば、競馬法までのJPS(郵趣協会)版は少ないと思います。直ぐに頭に浮かんで来ないのです。有るか無いかもそうですし、値段に繋がるかは別ですが、密に蒐集されている人がいれば、大いに尊敬いたします。
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『ルイスと山デブ』
直ぐに出てくる文献ということで、鳴美刊・初日カバーカタログ1997をベースに書いてみます。図版を中心にバカ程、間違いだらけのカタログですが、参考文献としての叩き台に使うのなら許されます。でも、そのデータを信じれば恥をかくし、FDCコレクターは誰も信用してはいませんが。
そこにルイスの一覧表が出ていて、それは概ね合っています。1934.3.1の芦ノ湖91/2銭がルイスのNo1というのは良いのですが、(カシェなし)はNGでしょう。カシェ有りのNo1に訂正して下さい・・・非常に少なく、私も今回、初めてお目にかかりました。ルイスの絵入りFDCを希少性で言うならば、今回のコレクションに入っていなかった、1次昭和の1円が一番かもしれません。他のFDCは、押しなべて、オークションで5~10通は扱っているのですが、これに触れた記憶は有りません。1次昭和50銭と芦ノ湖91/2銭が次いで少なく、今回始めて手にしました。富士箱根は落札値段では、10万を超えていますが、ここ数年で3通扱っていますし、比較的少ない以上に、切手会のそれが無いためのプレミア需要もあるのです。FDCカタログの白封の方がルイスよりも高いというのは、当然ながら誤植でしょう。ルイスの存在数では、国立と1次昭和は銘柄でも存在数にそれ程は差がなく、ちょっと多いのが年賀と愛国、紀元、勅語ぐらいかもしれません。
買いたい値段と売りたいそれのバランスが良くて、手に入れば直ぐに売りに出し、売れ残ることは皆無です。商品としては非常にありがたいのです。今回のコレクションには、驚きの新発見が1点だけ有りました。画像に載せた大山瀬戸内S/Sのそれです。端っこのカシェで別物かなとも思ったのですが、裏のラベルで信憑性も担保されるでしょう。ここ30年位のオークションでの国立公園の出品・落札データを完璧に押さえている、この分野のオーソリティーが近場にいるので、ルイスで小型シートが有るのを知ってる?と聞いたら、右端に小さいカシェが入って、初日でないものが何点かあります、自分で持っているのが阿蘇、もう1点、日光が直近の鳴美のオークションに出ていて、何れも発行後の後使い、カシェは3点で共通・・という即答でした。流石に、2011年のJAPEXでの国立公園の特別展示の前で、一人で勝てる?と聞いたら、余裕で、にっこり笑っていただけに、お持ちのマテリアルにも自信があるのでしょう。そろそろ、作品として表に出して欲しいのですが。最低でも「金」、初出品で「グランプリ」でも驚きはいたしません。あと1点、葉書の使用例が入れば出します、ということなので、それを頑張って探しましょう。因みに、小型シートのルイスのFDCは初見とか。1点有るということは、日光~台湾まで可能性はあると思います。
ルイスと言えば、進行中のお話で、ISJPの誰かが熱心にカシェ違いのデータを取っているらしいのです。去年ぐらいに、突然メールが来て、終わったオークションのルイスの画像が欲しい、落札者に連絡して、スキャンして送れ、みたいな話でした。オークション開催中なら、なんとか便宜は図りますが、終わって所有権が移ってからは無理、ISJPの名前で何でも出来るわけでは有りません。今回も必要ならばお早めに連絡して下さい。
ルイスに関しては、日本一を自負していて、10年以上前に郵趣に記事を書いていた彼に、ISJPが何か言ってきてない?と聞いたら、郵趣出版経由で資料を欲しいと言われたとの返事でした。親切な彼のことだから、きっちり協力したのでしょう。カシェ違いで、更にはFDC以外のトンガのティン・キャンや、富士山、南洋、船内印まで私の評価の20倍ぐらいでベーカーおばさんのフロアで手を挙げているのを思い出しました。持ってないものは幾らででも買います、だけど、もう欲しい物が出ないんです・・。その彼は、もういない・・・。
せめてISJPがモノグラフを出版する時には、協力者=YAMAMOTOTOMONAGAとして最大級の敬意を表して欲しいのです。
今度の日曜日が弊社の東京の下見会、毎回必ず、9時半に目白駅から学習院を左に見て坂を下れば、リュックを背負ったデブが、にこにこ笑って手を振って待っていてくれて、一緒に荷物を運んで、セッティングの手伝いをしてくれていたのです。よりによって、今頃ちょっと自慢できるルイスが出てくるとは、更に淋しくなるのです。
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『創始75年FDC』
戦後直ぐ、昭和20年代前半のFDCには世間的に未解明というか、体系立てでは研究されていない部分が数多くあるのです。戦後最初の記念切手のこの創始75年は、4種貼った解説書に特印押しは、ゴミの如く残ってますが、使える状態のFDCはかなり少ないのです。普通に見られるのは縦型の白封筒に4種貼、特印東京21.12.12、不鮮明でシミが出ているものが多いのです。FDCカタログの情報では、白封以外にはSPAN=学生郵便切手会=①、志ん万=旅の趣味会・蒐集時代社=②、のみの掲載です。J・P・S=③は日本郵趣協会のそれではないのですが、これは項を改めて書きます。
面白いのが白封の④・⑤、どこかで見覚えがあるでしょう。昨年のJAPEXの戦後記念の特別オークションセールで出品された、創始75年S/Sの使用済が、ドンピシャなのです。あの品物は色んな本に出ているし、数年前のJAPEXの特別展示にも出ていました。所有者は超高名なコレクター、謳い文句は、「唯一の初版の使用済」、でも、展示で見た人は誰もが・・私も自称小型シートの専門家と、自称記念切手の専門家と並んで見ましたが、異口同音に、「初版じゃね~よな、色がダメだよな」で一致、だから人を介してお持ちの方にそれとなく伝えたものの、「大丈夫ですよ」の返事だったとか。
もう一つのポイントが、欧文印のTOKIO・NIPPONが本物か否かという点、これは真っ二つに分かれました。悪い派は、見たことが無い異形な印影、色黒々で鮮やか過ぎるという点、良い派は、印圧が有る、記念切手の初日・しかも戦後最初のエポックメーキングな出来事への特注品ということ。この印が、正にこの日しかないのか、別の日にも使われているのかは未解明ですが、④・⑤のFDCには嫌らしさは有りません。間違いなく真正の消印でしょう。
オークションでの記載は、小型シートが再版という表現は使われてはいないものの、少なくとも、初版としては売られていません。唯一かどうかは知りませんが、この小型シートに欧文印が押された物は希少なのでしょう。随分立派な値段で落ちていました。私が画像の物=⑤を売るとして、剥がして3種連刷のカットにする方が高いと思うのですが、流石にそれは出来ません。FDCとして、その内に出品いたしましょう。
異形の消印が、切手の初日に使われたケースがあると考えた場合、幾つか同様の例があるのです。明治銀婚・日清戦勝のFDCの丸一印、印色は鳶色でなく漆黒、字体も材質もちょっと違う、局は大局、今回のFDCの大家とは全くの別ルートから来た物で、二級品を使った、戦前偽FDCとは繋がらない、それ以外の戦後の物でもちょっと違うな、FDCだからかな、みたいなカバーを複数点温めています。こちらはもう少し精査してから、時が来ればお見せ出来るでしょう。立派な鑑定書付の物もありますから。
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『FDC アラカルト』
突然、梅田の税理士法人さんから電話を貰いました。弊社のお客さんのお医者さんが亡くなって、相続の手続きを手伝って欲しいとのこと。アレンジして下見、ダンボール15個のアルバムを引き取ってきました。知る人ぞ知る、FDCの大家で、20年以上前にルイスの30通のロットとかをプライベートの取引で買ってもらっていた人でした。菊・田沢・風景・富士鹿あたりで、FDC型録に出ている物の大多数はこの人の物でしょう。収集対象は、戦前は持ってなければ全部買う、戦後は渡辺版に特化、文化部は皆無、JPS・NCC、松屋も数えるほどしか有りません。肉筆がお好きなようで、MCC=藤井は限定番号1番、研究会、FKK、郵趣東京、瀬戸口もそれなりに有りました。平成15年ぐらいまでだと思いますが、ボストークで100冊は有るのです。お遊びでの収集でしょうが、葉書の未使用コレクションが有って、脇付1銭、関東庁濁点楠公往復、支那字分銅往復左書まで入っていました。スポルディングの分銅葉書の軍事郵便5号加刷(鑑定付)を含めれば、組合の未使用は完集になってしまいました。当分温めておきましょう。琉球も中々よさげです。残念ながら未使用なのですが。
20年前のFDC型録では綺麗に写っているものでも、ちょっとシミが出掛かっていたり、ご近所のお友達が、戦前記念の偽FDCの流通に責がある人だったりとか、嫌なことはご存じないまま今年の6月に亡くなられていました。もしかすれば日本一のFDCのコレクターかもしれません。私がコレクションを拝見したのは今回が最初でしたが、想像を遥に超えていました。
台湾行啓と飛行試行は残念ながら手に入らなかったのですが、発表されている物のうちでは、朝鮮字菊20銭と大白多数貼を除けば、通常はパーフェクト、ルイスも1次昭和1円以外は有ったと思います。制定シートと支那字入婚儀は極美の状態です。
売り方はじっくり考えますが、体系だったコレクションを眺めていると、絵になって見えてくる情報があるのです。ここらを何回かで書いてみたいと思います。
昨年のJAPEXで売られた戦後記念のコレクションの、創始75年小型シートの使用済のステータス、元の姿が見つかりました。異形のTOKIOの欧文印の素性も知れるかも。
多分新発見でしょう、大山瀬戸内小型シートのルイスの実逓カバー、「山デブ」に見せて自慢したかったのですが・・。
戦後直ぐの記念切手の版元、切手会とJPS、現物を並べてみれば綺麗にアナライズできて、JPS=日本郵趣協会(常に)でないとわかります。
JAPEXから戻ってきて、落ち着いてから遊びます。
『中国は要注意』
前回の更新から、丁度2ヶ月開いてしまいました。PA72・MA62は予定通りのスケジュールで終了、締め切り後の約2週間での精算は、世界最速だと思います。
不落札品の即売で、200ロットが売れ、金額は186万円+伸び、最終の落札率は70.49%でした。受け付け期間は2週間ほどとってはおりますが、Webに速報をUpして、次の日の朝9時までの同着期間で、80%以上が決まります。この期間内のお申込は先着順でなく、何とか1点は分配で優遇しますから、是非ご利用下さい。
今日までで、PA73・MA63の準備は完了、8日のオークション誌の納入、9日の発送になります。Webのダウンロードでの下見開始は、7日火曜日からです。7日(火)~11日(土)は平常どおりの営業で、12日(日)~17日(金)は夏季休暇になります。
今回は、ちょっと出品ロットは少ないのですが、密度は濃く、MA63の方も含めて、面白いセールになると思います。前回のセールが終わった後、スポットの大きい仕事が複数件入ったため、平常業務が押してしまいました。日本切手は何とかなるのですが、100サイズの箱で100個以上の外国切手のコレクションとディーラーのストックを早急に捌く必要がでて来たのです。面白い仕事なので楽しんでやっています。
コレクションは、極めてハイレベルで、鳩(バーゼル)が飛び、宣教師(ハワイ)がいて、ブラックスワン(西オーストラリア)とビーバー(カナダ)が群れを成し、木版の△(CGH)で1リーフが埋まっていました。CGHとUSA、GBはかなりの物だと思います。同じ出所の旧中国と旧韓国は大分前に預っていて、弊社のオークションで売り立て、オーバー10ミリオン円の成果でしたし、韓・中ともにタイミングもピッタリで売れたのですが、それ以外のパートは、有ることは知っていても、積極的に動いていいものか、躊躇していたのです。評価しての買い入れは、外国切手の場合は市場性が薄く、売り手も買い手も情報が無い為、数字を出せないのです。縁あって下見して、レベルの高さが分かったので、海外のオークションハウスへ出品して売ることで話をまとめました。物が手元に来て初めて、見えてくる要素があるのです。私の今までの経験で、どの国でもお勧めのオークションハウスがありますから、国を地域で別けて、各国共にナンバーワンクラスに拘らず、私との付き合いの度合いから、無理が利く相手を選びました。
アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・スイス・オランダ・スウェーデン・カナダに振りました。結果が出るのは秋から冬ですが、金額よりも扱われ方に興味があるのです。高いものは単品で出し、それ以外はロットで、売り切りの値段で安くしてのリクエストを出しました。欧米のオークションの市場の場合、出品者の意向に拘わらず、ロット組みを大きくされて、アルバム1冊1ロット売りはよくあります。日本のように、1000円単位まで区分して、事細かな単品売りは望むべくも有りません。希望を出しても、せめて@200ドル位は要求されるでしょう。ロットを売るのがスタイルのオークションハウスに、単品を売らせるのは不可能です。まあ、日頃の相手の編集方針を考慮にいれての選択だし、メインのアメリカは、付き合いのあるエージェントに仲介・紹介を頼みましたから、然るべく仕事をしてくれるでしょう。
自分のオークションは、手の内に入っているので当たり前の如く動くケースでも、海外のオークションハウスでは予想外の事態が起こります。如何に弊社が顧客に優しいか、改めて認識した次第です。送料はFedeXが想像以上に高くつきます。EMSの5倍ぐらいでしょうか。10万ドル+の出品なら、交渉次第でFedeXの、着払いの相手持ちもOKだし、書類扱いで送って、先方のロイズの保険で20万ドルまで担保出来るのですが、それはあくまで出品物に価値が有ればです。EMSの保険付は安いし、安心だし、送る方は楽ですが相手国の法律で、税金が掛かるケースがあるのです。原産国を相手国にすれば、WTOの条約を批准している国ならば、関税定率法の規定で、内国消費税は免税になると思っていたのですが、フランスとオランダはNGでした。VAT番号漏れとか、何かの原因があるかもしれませんが、前もって聞いておかねばなりません。
今回の出品以前にもちょっとしたトラブルが有りました。弊社をはじめ、日本のオークションでは起こりえないのですが、落札者の未払いの場合の扱いです。私の考えでは、手数料を払って仕事を依頼するならば、ハンマーが叩かれれば、正当理由の返品以外は出品者には何の責もなく、期日が来れば手数料を引いて、精算されるばずです。代金回収はオークショニアの最重要の仕事です。ところがアメリカのオークションハウスの場合、未払いなら、売買不成立で出品者に戻すという規定が有るのです。このケースが発生すれば容赦は有りません。規定に有るでしょうという言い草で、平気で返してきますから。精算も60日~75日後です。弊社の考えでは、返品受け付け期間が終われば早急に精算すべし、15日で入らない人は60日でも払わない、だから15日で払ってしまって、後のことは別個に考えましょうというスタンスです。私がそれでやるので、他の日本のオークションハウスもそれに近いやりかたをするでしょう。
あくまで今だけの特殊事情だと思うのですが、中国人が絡むオークションは悲惨です。又聞きですが、香港で一番の、現時点でなら、恐らくは世界でも一番の売り上げを誇る、1回のセールで10億円以上のハンマーを叩きだす会社が、26人のビッダーを出入り禁止にしたそうです。中国本土在住者が25人、香港在住者が1人、スッ高い値段で、主にメールでしょうが・・落として、連絡すれどもそのまま音沙汰無しだそうです。ケースバイケースでバリエーションが有るのでしょうが、オークショニアはたまりません。香港在住者は訴えられているそうです。弊社も安全圏では有りません。中国系3人と揉めています。
本土在住・香港在住・日本にいるブローカー各1です。香港人は前述と同一人、5000万程の未払いがあるそうです。幸い弊社は、発送ストップして、その後に入金がありクリアできました。以後の取引はいたしません。本土の人はコレクターで、満州・南方を相場の10倍で入れてきます。勿論引き下げの調整はするのですが、それでも落ちる値段は競られるので、相場よりかなり高いのです。発送ストップしても数百万は直ぐに溜まります。去年のJAPEXで中国関係を大分出しました。野放しにすれば数千万円のクレージービッドが入ります。この状態での立替精算はかないません。だからビッドするなら、フルのデポジットを入れろの要求を出しました。その後音沙汰有りません。日本にいる変な名前のブローカーは、前回のFDCを大分買いました。最低値の10倍で上から下まで入れて来ました。初期のFDC,日本郵趣協会あては、製作数が限られて、本土で極めて評価が高いのです。切手加貼りの日本宛が最高です。だから、メールビッドも8人が全ロットを入れてきました。場での競りも有って、きっちり現地の最高値の相場で落ちるのです。10倍で入れてきても、落札率は20%ぐらい、それでも落ちた値段は目一杯の数字です。限界ギリギリまで競られるし、それは恐らく想定外だったのでしょう。信用できない変な名前のブローカーには前送りは致しません。半金は送って来ましたが、状態でお馬鹿なクレームを付けて、残りを支払いません。でもこの動きは前もって読めているので、事後の処理も想定済み、何とか被害を最小限に留めることができるでしょう。出品者には何の責任もなく、オークショニアはストレスを与えてはいけませんから、そしらぬ顔で処理をするのです。
アメリカのオークションハウスの規定でも、今の中国人のビッドマナーと金額は想定していないと思います。旧中国のコレクター、水原明窓さんや、ベッケマン、呉楽園、アンディー・ホルツのお客などなら支払いで揉める恐れは有りません。でも、今の新中国のビッダーはコレクターでなく、投機商品のブローカーなので、オークションのルールでは予想も出来ない動きをしてしまいます。心して掛からねばなりません。
『オークション・ライブで中継11』
セール自体は6月2日・3日のPA72・フロア開催と、5日のMA62・メール締め切りで完了です。6月1日の正午時点の受け付けNoは634、この時点で締めておれば、落札額はほぼ4900万円でした。このタイミングでの数字が結構重要で、最低値の合計額に達することが一つの目的です。フロアでの競りと、MAの最終盤のビッドでこの指標値の3割増しが何時ものペースです。序ながら、フロアオークションのスタート値(札が入った物+無入札は最低値)の合計額55,685,400円、及びフロアセールの一番札(ビッドが有った物のみ)の合計額60,696,100円も直接のリンクはしていませんが、結果として、フロアで競ればここら当たりの金額にまで伸びることが多いのです。メールでの札の状況が正確にフロアの結果に繋がります。今回はこの指標を充たしていたし矢印は明らかに上向きだったので、フロアでのホットな競りが予想できていました。因みに、5日朝9時のMA62のビッド締め切り時の、確定受付番号は779でした。時期をずらした2度入札もダブルカウントなのでこれを除き、フロアのみのビッドの人を加えて実ビッダーの数字が出ます。
数字での総括に入ります。本来ならば、PA・MAを分離して分析したいのですが、プログラムの都合で合算でしか上ってこないデータも有るのです。出品数4921に対して落札数3269、落札率は66.43%です。(PA72は2494→1831、率は73.42%、MA62は2427→1438、率は59.25%)落札額は手数料を含まずに64,748,150円です。セールとしては今日中にUPする落札結果速報で、不落札品の残品売りをスタート、明日の朝9時までが優先受付=同着扱いなので、20~30人からオーダーが入ります。19日までの残品売り期間の販売を終えて、返品を処理して、精算してオークションは完了です。残品売りで3~4%は率が伸びますから、最終的な成約率は70%を少し超えると思います。何とか思惑通りの数字を今回も達成できそうです。800名+のご出品者・ご応札者の皆様に感謝いたします。
因みに、PA・MAを合算してですが、場で落ちた物は528ロット、金額は29,319,000円、メールで落ちた物は2741ロット(PA・MA合わせて)、金額は35,429,150円です。落札手数料は15%均一です。弊社の出品手数料は、基本的に10%ですが、10万円以上はより安く、しかも幾ら高額でも一点で3万円がMax、但し5,000円未満は@500円です。今回のセールでは落札額647,48,150円に対して、頂く手数料は5,503,580円です。如何に高額物が多かったか分かります。
次回は、マテリアルをアナライズいたします。
『オークション・ライブで中継10』
フロアセールの、メールビッドの締め切りは本日正午きっかりです。早朝から作業を進め、12時5分で完全に締め切り、作表作業に進みました。メールセールのビッドは来週火曜日の午前9時まで受け付けますが、フロアセールの追加ビッドは、オークショニア扱いでは不可能で、フロアに来られるか、フロア出席者に代行を依頼していただくことになります。
スタート値(フロア)、暫定入札値(メール)は午後2時半にはHPにUPしています。表に出た数字は、現時点でビッドが有った物で、応札者がお一人なら、ビッドの数字に関わりなく、全て最低値、お二人以上の場合は、2番札の一刻み上=フロアオークションの場合はスタート値になります。各ロットのそれは、一覧表を見ていただくとして、オークショニアしか分からない興味深い数字を出しましょう。
コンピューターの処理は、最終的にはPA72・MA62を同時に行うのですが、現時点ではフロアでの競りの有る無しで、PAとMAで分かれての数字が出てきます。フロアセールとメールセールでは途中経過では扱いが異なります。メールビッドのみをされる場合は、区別の必要は有りません。こちらの作業のタイミングだけが違うというだけで、1枚のビッドシートで構いません。データからはPA72・ロット237はWDなのでこれを除きます。
PA72は出品数2494点、現時点でビッドが有ったロットは1686点、率では67.76%です。最低値の合計は40,199,800円、ビッドが有ったロットの一番札を合計すれば(無入札はゼロとして)60,695,100円、因みにスタート値の合計(無入札は最低値)は55,685,400円です。ビッドが有ったロットのみのスタート値の合計は、プログラムの関係で不明です。
メールセールは出品点数2427点、ビッドありは1226点、50.52%が現時点での数字です。PA・MAを合算すれば、成約は59.17%になります。フロアセールでは、場に120~130名が出席しての競りになり、メールはあと3日+で更に150名位から札が来ます。経験則でなら、落札率は今の数字から10%は伸び、金額ベースでは30%ほど増えるはずです。更に不落札品の即売で3%は売れますので、最終の落札率は70%前後になるはずです。昨日も書きましたが、日本物の高額品は状態が良いせいもあり、大体埋まって、いい値段が入っています。まだまだフロアでも数字が伸びるでしょう。新中国の古いFDCは、きっちりと5名~7名のビッドが上から下まで有って、パーフェクトに埋まりました。まだまだ、フロア当日には2~3人の中国本土がターゲットのブローカーが場で競るはずです。メールセールの率はいつもより悪いのですが、現時点ではノービッドでも、ズラリ並べた官白と未使用のシート・小型シートへは固まった札が来るかも知れません。お一人のビッドの有る無しで随分と結果に差が出て来るのです。今回はこちらの都合で、フロアの点数が何時もより500ロットは少ないのですが、セール自体は密度が濃くなりそうです。時間もたっぷり有るので、山場はゆっくり読みましょう。
バザールの情報です。2日間での開催の催事の場合、どうしても初日に人が固まります。当然ブースも初日の土曜日に集中してしまいます。平均化を図るために、ブース代を各日@4000円から、土曜日6000円、日曜日2000円に変えました。結果として日曜日のブースホルダーが増えています。今回は、買い入れ等で増えてしまった文献類を大放出します。土曜日の朝一の混雑が引いた辺りから、ご自由にお持ち帰り下さいを開始、少し良い物は、日曜日の「ガラポン」の当たりの景品に、更なる貴重な物=少なくとも3000円++の価値の有る物は「ガラポン」外れ5枚をお持ちの方に進呈します。その他は平常どおり、今回も二人が初出店、一度出された方はレギュラーへ定着してくれるケースが多いので、商売的にも成り立っていると思います。では、明日お待ちしています。