2012年11月22日(木)

『ルイスと山デブ』

直ぐに出てくる文献ということで、鳴美刊・初日カバーカタログ1997をベースに書いてみます。図版を中心にバカ程、間違いだらけのカタログですが、参考文献としての叩き台に使うのなら許されます。でも、そのデータを信じれば恥をかくし、FDCコレクターは誰も信用してはいませんが。

そこにルイスの一覧表が出ていて、それは概ね合っています。1934.3.1の芦ノ湖91/2銭がルイスのNo1というのは良いのですが、(カシェなし)はNGでしょう。カシェ有りのNo1に訂正して下さい・・・非常に少なく、私も今回、初めてお目にかかりました。ルイスの絵入りFDCを希少性で言うならば、今回のコレクションに入っていなかった、1次昭和の1円が一番かもしれません。他のFDCは、押しなべて、オークションで5~10通は扱っているのですが、これに触れた記憶は有りません。1次昭和50銭と芦ノ湖91/2銭が次いで少なく、今回始めて手にしました。富士箱根は落札値段では、10万を超えていますが、ここ数年で3通扱っていますし、比較的少ない以上に、切手会のそれが無いためのプレミア需要もあるのです。FDCカタログの白封の方がルイスよりも高いというのは、当然ながら誤植でしょう。ルイスの存在数では、国立と1次昭和は銘柄でも存在数にそれ程は差がなく、ちょっと多いのが年賀と愛国、紀元、勅語ぐらいかもしれません。

買いたい値段と売りたいそれのバランスが良くて、手に入れば直ぐに売りに出し、売れ残ることは皆無です。商品としては非常にありがたいのです。今回のコレクションには、驚きの新発見が1点だけ有りました。画像に載せた大山瀬戸内S/Sのそれです。端っこのカシェで別物かなとも思ったのですが、裏のラベルで信憑性も担保されるでしょう。ここ30年位のオークションでの国立公園の出品・落札データを完璧に押さえている、この分野のオーソリティーが近場にいるので、ルイスで小型シートが有るのを知ってる?と聞いたら、右端に小さいカシェが入って、初日でないものが何点かあります、自分で持っているのが阿蘇、もう1点、日光が直近の鳴美のオークションに出ていて、何れも発行後の後使い、カシェは3点で共通・・という即答でした。流石に、2011年のJAPEXでの国立公園の特別展示の前で、一人で勝てる?と聞いたら、余裕で、にっこり笑っていただけに、お持ちのマテリアルにも自信があるのでしょう。そろそろ、作品として表に出して欲しいのですが。最低でも「金」、初出品で「グランプリ」でも驚きはいたしません。あと1点、葉書の使用例が入れば出します、ということなので、それを頑張って探しましょう。因みに、小型シートのルイスのFDCは初見とか。1点有るということは、日光~台湾まで可能性はあると思います。

ルイスと言えば、進行中のお話で、ISJPの誰かが熱心にカシェ違いのデータを取っているらしいのです。去年ぐらいに、突然メールが来て、終わったオークションのルイスの画像が欲しい、落札者に連絡して、スキャンして送れ、みたいな話でした。オークション開催中なら、なんとか便宜は図りますが、終わって所有権が移ってからは無理、ISJPの名前で何でも出来るわけでは有りません。今回も必要ならばお早めに連絡して下さい。

ルイスに関しては、日本一を自負していて、10年以上前に郵趣に記事を書いていた彼に、ISJPが何か言ってきてない?と聞いたら、郵趣出版経由で資料を欲しいと言われたとの返事でした。親切な彼のことだから、きっちり協力したのでしょう。カシェ違いで、更にはFDC以外のトンガのティン・キャンや、富士山、南洋、船内印まで私の評価の20倍ぐらいでベーカーおばさんのフロアで手を挙げているのを思い出しました。持ってないものは幾らででも買います、だけど、もう欲しい物が出ないんです・・。その彼は、もういない・・・。

せめてISJPがモノグラフを出版する時には、協力者=YAMAMOTOTOMONAGAとして最大級の敬意を表して欲しいのです。

今度の日曜日が弊社の東京の下見会、毎回必ず、9時半に目白駅から学習院を左に見て坂を下れば、リュックを背負ったデブが、にこにこ笑って手を振って待っていてくれて、一緒に荷物を運んで、セッティングの手伝いをしてくれていたのです。よりによって、今頃ちょっと自慢できるルイスが出てくるとは、更に淋しくなるのです。

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