2005年8月20日(土)

 「立ち枯れた松」
今回のセールの表紙の「霧の中の鹿」、又聞き情報ですが、だいぶ前に九州の南の方の郵便局で見つかって、関係者5人で縦2列に分割されたとか。時効?なのでその一部が最近出て来たとのことなのです。図版で判るとおり、最上部が半分色抜け、90枚は完全に1色抜けです。理屈では100枚丸残りで今後もドンドン出てきそう?でも、価値を的確に知ってる人達ではないし、既に年月を経て、20枚お持ちの5人も散ってしまって連絡がつかない状態なので、業者が押さえての「分割販売」みたいにはなりません。良くて2人分、分母は40が精々でしょう。
2色刷りの1色抜けは、地図10銭、尾長5円、桜10円は見落とされて、窓口から出た雰囲気です。でも、見れば判る、その後のエラーは何れも、局まで来て、売りに出される寸前でストップがかかって、「関係者」が額面で押さえているのでしょう。毬藻55円・新金魚7円・鹿10円がそれに当たります。
発生の原因は、2色刷りの後印刷の色を刷る時、紙がカブッタカ何かで、一部が無印刷で完封の中の1シートとして紛れ込み、上部は正常なので印刷所のチェックの際は上部の一部を見て、OK扱いになったのでしょう。ただ、派手なエラーなので局員は気づくし、窓口からは出ず・・・・、ま、その後はご愛嬌で、その立場に居られた人の僥倖を妬んでも意味の無いことなのです。収集家とすれば、有る物は欲しいし、業者の立場なら、扱って見たいと思います。
部屋を整理していたら、コピーが出てきました。15年ほど前に旧知の人の紹介で、「元郵便局長」さんがお持ちで、そろそろ出して良いのかなとのご相談でした。上から5列は正常、6列目は半抜け、7~10列は全抜け、何れも「緑漏れ」、ネーミングは常緑樹の葉っぱ落ちなので、「立ち枯れた松」。
その時の相場でもかなりの数字でオファーしたし、今数字を出すとしても、同じ値段を言うでしょう。完全な無目打シート位の値段を付けたのですが、まだ時期に非ずで残念ながら成立せず。出て来たとは聞いてないので、まだそのままの状態なのでしょう。「霧の中の鹿」の結果が出れば、そろそろ再チャレンジしましょうか。15年と言えば、全てに於いて「時効」になっている期間なのですから。