2005年10月14日(金)

「皇室切手展」
エッセイやプルーフの類の評価の基準など、定量的に量れるものは有りません。1点ものですから。切手そのものの場合は、その存在数や、カバーとしての希少性と重要性、他額面や他シリーズでの同種の物との比較で、有る程度の基準が出来てます。その物の「格」という表現で売り買いの場合の値段を評価するのです。それ以外の重要なポイントは欲しい人が複数いるかという「人気」をどう読むかで行くか止めるかを決めてます。
物がスイスに出た、5月の時点では、今持ってるほどの情報は入ってません。それに、資料で見るのと現物を手にして調べるのとでは、気合に雲泥の差が出ます。今回の場合は、直感の評価では@30万円、それが売りか・買いか、また需要と競争が有るか、といった人的な要因をそぎ落としての裸のマテリアルとしての評価でした。ビッド以前の段階で、「富士箱根」はガチガチに売れていて、しかも欲しいという人の思い入れは、私のそれの数倍以上に強かったのです。他のテーマも、1次昭和と記念なら、好みに合いそうな人は複数いましたし、1点ものの場合は買ってしまえば、その値段が一つの基準として通るのです。そうなると、ビッドは幾らまでで無く、実質的に、落ちるまでというか、誰かの一声上までで構いません。それに、色んな条件で、こちら以上に、強い人は出てこないとも読んでましたから。的確な前宣伝でも有れば、別ですが、ゲテモノに飛び込む人は多くは有りません。
記憶の片隅に有ったのが、もう随分前ですが、確か「サンケイホール」でやった、弊社のフロアオークション。物は、新毛?10円の試刷の無目打、台紙に貼って担当者の個人判が確認の為に一杯押してあったもの。印象的なのが「樋畑」の名前、サマーペックス2001の、見返り・月雁と同じようなつくりの物でした。あの時の出品者は、郵政関係か軍関係かは判りませんが、それなりの素性のものという印象を持ちました。最低値は安くして、カラーに載せても、実際相場が幾らかなど誰も判らないものなのです。でも、きっちり2人で競って、落ちた値段も安くはなかったと記憶してます。
落札者は、完成出来ない田沢のコレクターというか、波長に有った珍品を愛でる人。大将はいても、兵隊が居ず、3フレは無理、1フレなら騙しが効く程度のコレクションを作れる人。だから、今回の昭白5円・10円の原版1枚刷りは、きっちり好みに合うのです。でも、こんなものがスイスのオークションに出てるけど・・・、は野暮なこと。落とせたらどうヒネッテ、からかおうかと思ってました。
流石というか、予想よりも遙かに早くメールが来てました。こんなものが有ったよ、と載せた瞬間に「昭白5円・10円」をプライベートで欲しいとのこと。値段とかでなく、この前の試刷と並べて貼る為に、とだけ書いてました。値段は二の次で、この感性は判るので現物が届く以前に取引は完了してました。
18種の小型シートを並べても、一番気に入っているのが、この2種です。出来映えからして、くり抜けば、まず発売されたものとの区別は出来ません。透かしが無い事のみが違うだけ。現物は、早くもJAPEX期間中に、目白にて開催の「皇室切手展」に登場とか、眼にされたなら、この意味が判るでしょう。
「プラハの乃木」のテーマも、あと少しで終わりです。画像漏れは、愛国3種だけ、そして、「制定シート」の在り処も、発見出来ました。それの画像もお見せできるのです。

昭白5円・10円(869KB)