2007年6月8日(金)

『行徳本を読み解く』

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終わったオークションのトピックを少し書きましょう。
「Lot 3174 旧議事堂5円に無透10円壁画貼区内航空便福岡宛 櫛西成28・7・2→櫛黒崎28・7・4 水害の為、郵便局で受け付けて呉れません・・・。」
最低値 30000 スタート 125000 落札値 270000
国内航空も随分出て来てます。かつては、鈴木康と日本裏地だけみたいな時代も有って、ちょっとひねった物は当たり前の如く30万、50万になってました。今は、余程理屈が通る物以外は6桁にはなりません。それどころか、昔の値段覚えで、人気を期待して「ヤフー」で買ったりすると、混貼なら原価でも売れないことも有るのです。
今回のロットは、収集家=故人に買い入れに行った業者からの問い合わせの電話がきっかけでした。国内航空の葉書が2枚有る。観音10円加貼で民間便、ゼロ付とゼロ無だった・・・。見て来て、値段で合わずの買い入れ品のお問い合わせでした。聞いてきた業者は、知識に於いては物凄くは正確ではないけれど、一応は物の説明を電話で出来る相手です。だから、即答で「絶対に買え!値段は問わずで大丈夫」。何の本も調べてはないけれど、直感で国内航空の円位貼は期間が短いと思ったのです。それに文面で、「洪水の為、通信途絶・・」。これは山口、九州あたりで一般便は途絶して、国内航空が機能したものをいい値段で売った記憶が有るのです。だからその時のものと、兄弟分かもと思ったし。結論的には2通共出品物としてやってきました。但し、ゼロ無は勘違いで、ゼロ付でしたが。データは全く一緒です。通信不全での念のための同時に2通出した物でした。
今回は綺麗な方だけ出しました。念のため、日専の料金表を調べたら、
26・10・24        第二種10円 実飛行は25日~31日の7日間
26・11・1-28・7・15 第二種15円
このデータと切手の発行日を重ね合わせれば、10円壁画の発行日は28・7・10だから6日間の組み合わせ、ゼロ無ならば大珍品・・・残念な見間違いだね・・で終わってました。因みにゼロ無は、1次円単位1円・4円・8円・35円・45円・50円・塔航空20円ならそこそこ可能性が有るのです。是非狙って探して欲しいのです。
オークションの当日に意外な話を聞きました。Lot 3174の国内航空、もしかしたらラストデーかも・・。私の認識では制度は7月15日まで、物のデータは7月4日、12日間残っている、だからポイントはゼロ付が超残念賞の認識でした。後期使用は人気はないし、日専のデータをメモで渡したら、「行徳本」に告示が出てる・・。7月4日で廃止になるとの返事でした。確認したらその通り、だから日専の日付は26・11・1-28・7・4に訂正が必要です。10円壁画と塔25円は発行が28・7・10なので国内航空の可能性は消えました。
今回のロットの日付が7・4の西成の午前印、大阪中央経由で伊丹に入る時間帯で当日の博多便が有るかどうか分かりません。着印が7・4の午前なので、3日便の可能性が強いでしょう。大阪―博多は1日1便のはずなので、正確には最終日で無いにしろ、その前日便、この日以降の実逓便はないでしょう。落とした人は随分強気の評価をしてましたが。
フロアの会場で聞かれたときに、もう1点の葉書のコピーも見せました。状態は終わった物の方が遥かに良い。だからこの結果には満足なのでしょう。
次回の出品物の画像を載せましょう。今日書いた理屈が分かったなら次もいい値段で売れるかも。それにしても、改めて「行徳本」の有用さを再認識出来ました。読み物としては面白いものではないのですが、マテリアルを読み解くには、必須の文献であるのです。第1巻は品切れ中ですが、2巻・3巻・4巻は十分在庫が有りますから、弊社の即売の情報を見てください。