2007年2月9日(金)

「柘植寿治作Ⅱ」

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柘植さんは、大正時代に海軍が力を注いで開発した写真植字の文字を書いた人で、日本写真印刷株式会社の技術者でした。切手の「日本郵便」の文字も書いたことがあると言っていました。オフセットと凹版印刷の専門で、戦後の切手展の小型シートの模造も作っていますが、これは出来が良すぎて、今となっては区別できないかもしれません。横透かしや加刷の偽物も作っています。ご本人は、腕自慢のつもりで作ったので、偽物師と呼ばれることは、不本意のはずです。昭和切手のプルーフと言われているものも柘植さんのところからでたものが多く、本当のところは故人となられているのでわかりません。昭和切手の図案審査委員会の資料も(昔鳴美で復刻)柘植さんのところにあったものです。
上記の情報をいただきました。タイミング良く、手許に来ている出品物の中に該当の「横透し小型シート」が3点有りました。次号に出品いたします。私が貰った情報では、市川市在住ですが、一般的には「名古屋の柘植さん」の方が通りが良いかもしれません。画像の左側が本物、右側が「柘植の横透し」です。切手展の作品としては使い方が難しいのですが、収集品としては昔から人気があるものです。