ホットな情報

驚天動地な情報をお届けいたします。4月28日に開催された、アメリカの著名オークションハウスのセールで、それとは書かれずに、日本切手で世紀の珍品が出品されていました。日本語で説明致します。未使用の大きいブロック、状態はNHで美品。そして内容が、U小判1銭82枚ブロック(下部無)、新小判5厘96枚ブロック(銘版部分欠け)、新小判4銭上部39枚ブロック、菊5厘96枚ブロック(銘版部分欠け)、菊1銭96枚ブロック(銘版部分欠け)、最後が菊2銭46枚ブロック(銘版部分欠け)です。Web.で完全に画像が見られます。小判も菊も、低額で何れもシートが少ないながらも存在する額面です。何で銘版を切ったのかという、残念ロットに見えたのです。でも、吃驚ネタが有りました。

菊2銭が「黒印刷」なのです。目打は単銭12、これが、1点で出品されて、Web.で見て色が黒なら、ネットでの悪意なき色変化と思うでしょう。ところが今回の物は、6額面で1ロット、U小判1銭は緑色、4銭はオリーブ茶、菊1銭は茶色、そして残りの3種の新小5厘と菊5厘、更に2銭が「黒1色」なのです。Web.上のエラーで、菊の2銭の緑が黒に変わったとは考えにくいのです。ならば、日本切手の製造面のバラエティーとすれば、別の切手の印刷インキが使われたという初登場の大珍品になるのです。海外のケースでも、滅多にあることでは有りません。日本に限って言えば、乃木2銭の朱色の単線12=俗説では、東郷7銭の朱色での誤印刷が近いでしょうか。ステーショナリーの封緘葉書には、理解可能な誤印刷が有るのです。新議事堂5銭の色は紫ですが、その前の4銭時代の色が赤、この赤を5銭のそれに使ったのです。未使用しかないのですが、弊社のオークションとプラーベートで数回扱って、結構いい値段で売れました。出所がちょっとややこしくて、絶対にこれだけしかない・・という触れ込みだったのに、あとからどんどん出て来て、多分完封の一つは残っているはずです。物の素性が良いのですが、持ち主のマナーが気に入らないので、手元に来た10枚程だけをマーケットに出して終わり、にしていました。漏れ聞くところで、此のバラエティー、今年秋に出る日専のステーショナリーのパートに採用されるらしいのです。お話は面白いのですが、今となれば10日の菊、あんまり感動はしませんし、儲け話には興味はないし、欲ボケちゃんの為に、頑張って動く気にもなりません。

でも、菊2銭の「黒印刷」は、大いにソソラレルのです。オンタイムで情報を持っていて、勿論ビッドも出来たのですが、天使のささやきが有ったのです。変に邪魔をすることもないじゃないか、もっとやることが有るだろう・・・。2銭が誤刷のエラーの可能性と、何らかの間違いが原因でそう見える可能性、どちらが大きいかは誰も分かりません。それに菊2銭を抜いて評価してのビッドの数字は出せるのです。普通はそれで落ちるはず。2銭をいくらで踏んでオンするかは別次元で考えるということです。誰かが見つけていて本物と思えば、@5万円、46Bなら230万は入れるはず、それ以下の数字は無意味です。今回の条件なら、誰もが、知っているのは自分だけと思うので、事前の談合や調整は有り得ません。中途半端に入れれば負けるし、建設的な意味は何にも無いのです。誰も、知らなければ、菊2銭ゼロ円の評価で落ちるはず、一人が見つけて飛び込めば、私が出す数字は幾らで入れても、2番札=アンダービッドにしかならないのです。

私が落せば、躊躇なくぶった切り、菊のコレクターが買ったなら、独りで永遠に独占です。結果はWeb.での速報ですぐに知れました。物が届くまで、誰か一人は、ワクワク・ドキドキでしょう。今の私の関心は、物を見たいという事。自分なりに真偽の判断にタッチしたい気が有るのです。菊の2銭の「黒印刷」が、5厘又は1/2銭の刷色エラーなら、多分調べられると思います。XRFで元素を分析すれば、該当の試料が、5厘の顔料に一致するか、2銭=緑のグループに含まれるかの結果は出るでしょう。菊の色変化で有名な物が有るのです。3銭茶紫が、灰色に変わった物、使用済にしかないのですが、これはエラーでなく、アルカリ溶剤によるアニリン系顔料の脱色です。幾らでも作れるし、今回の未使用NH・美品の2銭には該当しないのです。別件ですが、XRFでの分析で、目に見えて成果が出て来ている物も有るのです。遠からず、手彫の和桜の分類と、議事堂5円の印刷所のバラエティーで決定的な論文が出るはずです。相当な量の試料を調べ、時間も掛けて分析が済んでいるのです。菊2銭の黒印刷は、入手から戸籍付まで、当事者としてでなく、オブザーバーとしての参加になりました。私の読みが当たっている可能性は、51%はあると思うのです。連休明けには、もうちょっと画像をお見せできるでしょう。それまでに、誰かからのメールも届いているでしょう。