japanstamp Archive

復帰しました

5月のオークション誌は昨日発送いたしました。本来なら、5月25日-26日の2日間のセールの予定だったのですが、やむを得ない事情にて25日(土)1日だけに変更させて頂きます。融合開催の大阪駅前第3ビルバザールも同日1日のみの開催になります。

オークション誌に同封いたしました案内に書いております『緊急の事情』の説明を致します。4月4日の早朝5時に起きて仕事にかかる準備に入ったのですが、意に反して捗りません。胸に痛みを感じ、治まる気配が無い為、家人を呼び救急車を依頼しました。循環器専門の病院に搬送され、心筋梗塞の診断で即刻カテーテル・バルーンの手術を受けました。最速で適切な措置が受けられ、2週間の入院にて既に復帰しております。4月6日にはICUを出て個室に入りましたので、編集途中のオークション誌の仕上げを電話にて指示出来ました。面談の予定も幾つか入っていたのですが、ご迷惑をおかけしてしまいました。フロアの2日目の分も、タイムテーブルを組み、逆算にて期日には余裕で仕上がるはずだったのですが、予想外の発症にて申し訳ない事態と相成りました。

心筋梗塞なので以後の通院も期間が空いての事になります。投薬と日常生活の注意で付き合うしか有りません。従来は私の拘り故に、オークション誌の編集記事は100%自分で書いており、それがかなりの負担になっておりました。それは最早不可能ですから、今後はやり方を改めて、仕事量をセーブしたいと思います。私がビジネスに係れる残り時間を有効に使います。弊社のオークションでなら、時間を掛けてロッティングすれば、どんな物でも売り切ることは可能です。それ故に、本来オークションにて扱うべきで無い物も、今回だけは的に救っていたのですが、今後はクールに判断いたします。オークションに出せない物は遠慮なく返します。遠からずフルタイムの業務に戻れると思いますが、アポを取っての毎回のご出品前の面談とか、文献出品に関しての重ねてのお問い合せ等の判り切った件でのご連絡には対応できませんのでご承知おき下さい。5月25日のフロアオークションにてお目に掛かれることを楽しみにしております。

鯛道治

二次流通のメカニズム

完全な思い込みで間違った視点で議論を進めてしまう事が有る事に気づきました。ヤフオクの静岡製の手彫の偽物の第三者による出品、所謂二次流通のバックボーンです。思い起こすのは、【東芝ゼロ円】です。法的にはお咎めなしで、東京地検が結論を出していますが、「主犯」=正確には幸運にもこの商品を手にした人が、千載一遇のチャンスと見てヤフオクに出品、小遣い稼ぎができると見た複数人が入手して、再度ヤフオク!に出品、警視庁保安課が総務省郵便課に問い合わせたものの、そこの顧問弁護士がチョンボして郵摸に抵触すると間違った回答をしたために、関係者数人を摘発、地検に書類送検したものの、不起訴になった事案です。結論に至る事由は長くなるので割愛しますが、この件ではヤフオクで買って、売った人は警察が見れば、主犯と同罪なのです。まさに二次流通で、単なる細やかな転売行為を為した人にすれば、晴天の霹靂で、さもや生きた心地がしなかったでしょう。今となれば笑い話で済ませられるのですが、ボタンを掛け違えれば悪意なき第三者にも類が及ぶ恐れも有るのです。責を負うべき輩とは何の繋がりが無くても結果のみを抜き出されて。責められる可能性が有る事を覚えて置いた方が良いでしょう。

直近のヤフオクで、小さい事件が起きました。洋桜2銭への未使用と竜200文2版の未使用の出品が有ったのです。我々が見れば一目瞭然、静岡製の偽物だと判ります。出品者は埼玉県の人だし、他の履歴を見ても、変な物は売ってません。たまたま今回の2点が目立って怪しき光を発したのです。直ぐに気づいた人がいて、質問欄で【だめでしょう】のメールを送って、ちょっとしたやり取りが有って、出品から取り下げになりました。出品者を調べたら、弊社のヤフオクのお客さんだったのです。偶然にも別件で数回電話を貰っていて、かなり話し込んだ人でした。複数、少なくとも2名の静岡の相手から結構高い物を買っています。話だけで、物を見なくても駄目だと判る物で100万は軽く超えているのです。登場人物が交差していて、起きている事実と当事者の認識が入り混じって、説明を詳しく書けばこんがらがるので素っ飛ばして先に結論に向かいます。

2銭のヘと200文2版の購入先は、牧之原の風雷坊です。こちらは本丸ですので何をやるにせよ慎重に扱わないといけません。ヤフオクに再出品した埼玉の人は、転売しての鞘抜きを狙ったのでは有りません。ご本人としては、信じたくはないけど、真偽を疑って、自分が本物としてヤフオクで買ったのだから、同じやり方で売りに出したのです。厳しい人なら、それでも同罪だと断じるかも知れませんが、私の気持ちとしては同情が禁じ得ないのです。ヤフオク質問での遣り取りの結論は、切手の博物館=水原フィラテリー財団の鑑定を取ります・・だったのですが、それは止めさせました。100%、偽物ですの鑑定結果は出るのですが、そうであっても売主は絶対に返金しませんから、重ねての無駄金を遣うだけなのです。

この人が、私に聞いて来たのは、和桜20銭イの墨点を58万で買った・・件でした。去年の12月、そういえば見た覚えが有ったのです。水原財団の鑑定に出したら、偽物の結論でした。買った相手は、出品地域東京ですが、送付元の住所は静岡市清水区・・で、牧之原の風雷坊では無かったのです。鑑定書付で返品したら、当然ながら書類不備で拒否、次に牧之原のK-Coinの鑑定を取ったのです。驚くべきことに、その結果も偽物だったのです。12ページの落書きペーパーの鑑定結果で、手彫銅板印刷で無いから偽物だと書いてあったそうです。水原財団の鑑定書は、科学的根拠不記入だから、鑑定書として無効、ならばとK-Coinの【科学的根拠付き】の偽物の鑑定書を付けたら、何と私がそれを全否定しているので認められないとして蹴って来たのです。変なとこで私の名前を出されて大いに迷惑しています。ヤフオクで、出品地域東京で出て、落札後の発送や連絡先が静岡のケースが複数あるのです。牧之原・・の自作自演か、周囲の一味の仕業かなと思っていたのですが、今回のパターンでは辻褄が合いません。何時もならK-CoinはOKのぺーパーを出すのですが、今回はNGのペーパーで、それを否定するのにワンクッション入れて、私を名前を使っているのです。

好奇心が沸々と湧いて来ています。偽物の摘発と返金要求にとどまらず、事実を探求したいのです。ちょっと動いて見ようと思います。瞬間的に思いついたのですが、結構いいアイデアだと思います。結果が出るまでには少し時間が掛かりますし、中間報告はご法度です。

駄目でしょう!

つい今しがたヤフオクのページを見ていて気付いたのです。数日前にご新規の出品者から、駄目な手彫が2点出ていました。洋桜2銭ヘと竜200文2版の未使用です。確認はとっていませんが、牧之原の風雷坊が出所かと思います。この2点の出品者IDでヤフオクでの弊社の上客さんだと判ります。取引実績も結構有るし、何の問題も無い方なのです。推測ですが、一見儲かりそうな未使用を買って、悪意はないけれど転売狙いで出品しているのかと思ったのです。

メールで教えようかと思ったのですが、既に出品終了になっていて、質問が2件残っていました。質問者も良く知っている人で、【だめでしょう】を起点にして、即、WDになっているのです。結論めいた表現が、【切手の博物館】に鑑定に出します・・は、ちょっとお気の毒。2か月待たねばならないし、コストが1点毎に5000円+往復送料がいるのです。結論は100%【真正では有りません】になることは私が保証いたします。それ以上に、鑑定書付で売り主に返品しても、歯牙にも掛けられず、鑑定要因を充たしていないとして返金を拒否されるのですよ。お金の無駄だし、ストレスなので無駄な事は止めた方が良いでしょう。

牧之原の風雷坊と、そのご一党のあろんさん他の出品物に同じことをやっても、絶対に返事は来ないでしょう。都合の悪い事を他人に読まれたくないでしょうから。確信犯としての悪事なのですよ。でも、悪意が無く、小遣い稼ぎ狙いの転売屋さんの場合は、少しは同情の余地が有るのです。手彫切手の珍品の未使用単片をヤフオクで掘り出して儲けるなんてことは、絶対に有り得ないのです。素人さんには手に負えない世界なのです。でも日本全国、どこにでも、それが出来ると勘違いしている愚かな人がゴマンといるのです。知ってか知らずかは兎も角として、二次流通で更に被害者を増やしてはいけません。

ヤフオクで、偽物の手彫を見つけたら、質問欄に書き込みましょう。【駄目でしょう!】これだけで良いのです。根拠を尋ねるお怒りの返事が来たならば、どこで買ったのですか?静岡方面に繋がりは有りませんか?で続けましょう。長く余計な事を書く必要は有りません。色んな人がやってくれれば効果は有ると思います。少なくとも、主犯と目される、牧之原の風雷坊の一味と、直接は無関係の第三者の転売屋の区別が出来ますから。真偽の判定に迷っても、鑑定に出す必要は有りません。金と暇を掛けて、見返りがあるなら良いのですが、徒労に終わることが確定しています。結果を知りたいのなら、画像を私に送って下さいよ。即刻で返事いたします。費用はもちろん無料です。5,000円払って得たペーパーも実際問題、何の価値も生み出さないのです。ならば、ご自分が諦める為の結果のみを知りたいのが動機ならば、私の返事で大丈夫だと思うのです。

消費者センターに連絡を!!!

オークション業務がひと段落したので書いてみます。【郵趣】3月号は、この件の情報に疎い人にすれば有益な物かも知れませんが、何時もながら、現状を認識していたとしても、それに対しての対処法を示していないのが歯がゆいのです。ヤフオクは自己責任だから、注意しなさいよ、解決法として水原フィラテリー財団の鑑定を活用しなさいよ、で終わるのでなく、せめて公益財団法人を仰々しく標榜するなら、明らかに詐欺行為を放置しているヤフオクに対して、注意喚起して改善の申し入れ位はするべきでしょう。実はこの記事のゲラを見せて貰っていたのですが、最後の締めのパートに、真偽が判らない物を買う場合には、水原フィラテリー財団の鑑定書を取りなさいという表現が有ったのです。何時ものお得意の表現手法なのですが、今回の相手は、次元が違う価値観で、善良なコレクターを洗脳している悪魔なので、その魔法を解くことからやらねばならないのです。だから強く申し入れて、後半部分は全面的に直して貰いました。現実を直視して、理論でなく実践を元にして動かないといけないのです。実際に玩具みたいな和桜20銭イに、掘り出し物と夢を見て50万払ったり、墨六のレアシラビックの未使用が10万位で短期間で二桁の枚数がヤフオクで流通してしまっているのです。完全に同一のIDでは無いのですが、流通に関しての共通点は【静岡】です。近日中に【たんぶるぽすと】4月号に刺激的な記事が出ます。ヤフオクディールでオープンになっている情報を纏めた物で、キッチリ裏取りしての精査はされていませんが、大いに参考になると思います。

それなりに情報が流れているのでしょう。ビジネス上のお付き合いが無かった色んなレベルの方からも、お問い合わせを頂くことが増えています。荒っぽい言い方をすれば、【静岡】の風雷坊やが出処の物は本人が手彫銅板で作っているのでしょうが、図案に関しては随分とレベルが上がって来ています。でも、手彫切手の真贋は、印刷図案だけでなく、もっと幾つもの重要な要素で判断が出来るので、郵趣界の然るべき組織が出す鑑定書なら切手自体の真贋を間違うことは有りません。ヤフオクレベルの物ならば、一般の手彫のコレクターでも現物を手にすれば簡単に判断できますよ。偽物師達は、常套句として、旧来の鑑定機関の鑑定書には一行の結論以外の詳細な理由がないから信用できない、唯一の絶対的に保証できるのが、牧之原のK-Coinである・・の言い方をしています。それは偽物を作っている輩自身の落書きペーパーで笑止千万だし、良識あるコレクターにすれば、誰も相手にしない妄言なのですが、残念ながら、それを信じている人も少なからずいるのです。郵趣に限らず一般的には鑑定の場合は、結論のみが全てなのが普通です。鑑定結果の詳細の理由を知りたいという気持ちは分かるのですが、それが無いから信用できず、自分の12頁の落書きこそが信用あるという論拠は通用しないのです。

真偽に関するお問い合わせなら簡単に結論は出せますが、それ以上の金銭的要素に関しては絶対的な結論は出せないのです。刑事事件にするのは極めてハードルが高いのです。それが正しいかどうかはともかくとして、事件化するには一定の明瞭な被害金額が必要でしょう。以前に問題になった、皇朝銭の偽造の方は、本物の傷物を溶かして鋳型に流されれば、元素分析では区別が困難なので、刑事は無論ですが民事の裁判でも勝てるとは限りません。古銭の場合は本物の証明を感覚でやるしかないでしょうから疑わしきは罰せずになりかねません。でも、切手の方は民事の係争なら真偽の証明は出来ると思います。但し訴えること自体が大変でしょうが。

ヤフオク!を舞台にして、特定の人物が反復、継続して、詐欺行為を働いているのは明らかです。出品時の付帯条件として、偽物の鑑定が出れば返金しますと謳いながら、身勝手な理屈を捏ねて約定を守らないのは、ヤフオクのレギュレーションに反していると思うのです。ストレートにヤフオクに申し入れても、望むような結果が得られないかと思います。最終的には民事訴訟で損害賠償請求をやる可能性を含みつつ、地元の【消費者センター】に連絡してはどうでしょうか。買い手には何らの瑕疵は有りません。ヤフオクで詐欺的行為に依り被害を受けています。相手も完全に特定できます。相手への注意喚起と、同時にヤフオクの詐欺行為の幇助の責任の追及を依頼するのです。単独なら良く有る事だと見捨てられる事案だとしても、各地から一杯同じような苦情が寄せられれば、事件化できるかも知れません。純粋培養の価値感に基ずく郵趣界マターで終わらすのでなく、社会的な事案だと知らしめる事が有効かと思うのです。【消費者センター】さんは、警察と違って、具現化事案が存在する事が判れば電話位はかけてくれると思います。

鑑定書

静岡の御仁の表現で幾つもの気になるフレーズが有るのです。郵趣界の構成員なら余りにも当たり前に身に付いている常識をもろに否定しています。真偽の判断に係る鑑定に関してなのですが、彼はよく骨董商組合のそれがいい加減だと書いています。過去にそれに近い業態の人と、何らかのトラブルが有ったのかと思いますが詳細は不明です。また、骨董商と切手商との違いが分かっていない様なのです。混同して使っています。元から骨董商組合という名前の組織は無いと思います。強いて探せば、東京・大阪等にある、美術商協同組合か美術倶楽部の事かと思うのですが、何れも厳しい資格検査を経て加入できる業界団体で有り、突然に降って湧いて来た素人さんには何らの関係も無いでしょう。また、美術系の鑑定は切手や古銭とは異なるルールで、極めて限定した範囲で為されていると思いますからここでは議論の対象になりません。

古銭は、日本貨幣商協同組合さんが鑑定書発行業務をされている旨周知されています。一般的には古銭界に於いてはステータスを得ていると思います。切手の方は、日本郵便切手商協同組合さんは、【組合カタログ】掲載品のオフカバーに限定して、真偽の鑑定を行っています。切手そのものの真偽であり、目打、糊、消印等の専門要素に関しては対象外としていますし、依頼も切手商組合加盟店のみから受け付けています。他の組織に比して結論を貰えるまでの期間が短く、費用も割安な設定です。専門的なマテリアル、大雑把に言って【日本切手専門カタログ】に掲載されている物への鑑定は、全日本郵趣連合と水原フィラテリー財団が、国際機関から認証を受けて実施しています。限られた人員が判断する結論が、将来に亘って、100%正当で且つ正確かを法的に保証されるか否かは真正面からは論じられていないのですが、郵趣界のコンセンサスとしては客観的に認知されています。国内外のオークションでの取引や売買に於いては、十分な説得力を持って通用しています。但しそれは、【郵趣界】という限定された価値観の中でのルールで有り、民事又は刑事事件化した場合の法廷で通用する決定的な証拠能力は保持してはおりません。でも、それで生じる不都合な事案は郵趣界内部に限定されていたのです。人が為す判断なので、間違いも起こりますし、鑑定機関に依り異なった結論が出る場合も有り得ます。でも悪意なき結果でのミスならば訂正も出来るし、受け入れねばならない場合も有るのです。但しそれでも全てのケースで免責になる訳でなく、元から鑑定者としての能力に欠けたり、他者と議論できない人物に過大な権限を与えたりした場合は、組織として善意注意義務違反の責めを負う場合が有る事を心得ておかねばなりません。無事では済まないケースも起こり得ます。

今回の静岡ディールの場合は、上記の事案からは元から逸脱しています。【鑑定書】という言葉を曲解して弄んでいるのです。用語の使い方の齟齬はさて置いて、ヤフオク等の取引で、買い手の無知と誤解を、自らの詐欺行為の手段に遠慮なく用いています。買い手は、郵趣界での常識を前提にしています。お買い得な商品を見つけた人は、多少の疑念は有ったとしても、コレクターの買い意欲に誘われるです。悪意の詐欺師の商品なのですが、作っているのは概ね一人でしょうが、売っているのは無知な提灯を付けた第三者も含めて結構な範囲に広がっています。そそられるセールストークで謳うのです。『鑑定書を付けますよ。偽物なら返品出来ますよ。』ノーリスクで買える旨の強調です。Web.の画像でなら分かりにくい物も有りますが、現物を手にしての鑑定ならば、看板を上げている鑑定機関は間違えません。偽物師が知らない情報は一杯有るので、簡単に見破って偽物の結論を出すのです。売り主が知識不足の本来は善良な人物なら、偽物なら返金の条件も充たされる場合も有るでしょう。でも、今回のケースは、騙すことを前提にした詐欺師の所業なのですよ。最初から承知の上で準備をしています。郵趣界の真っ当な鑑定機関の鑑定は、ペーパー1枚に、結論を1行だけ書いています。『真正では有りません。』本来の鑑定はそれで良いのです。世界中どこででも、どのマテリアルでもそれで通ります。コンセンサスが出来ていますから。但し、悪意の主は、当然の如く突き返して来るのです。返品物への【鑑定書】は、書式として不十分、だから返金は出来ません、お望みなら、日本で最高の鑑定機関を紹介いたしましょう。

12頁の詳細なレポートです。走査顕微鏡で撮った拡大写真、紙の透視写真、XRFでの元素分析、無意味だし、Fakeなのですが見てくれとしては一見立派な【検査結果報告書】です。表現用語とすれば、贋作である証拠の発見はされませんでした・・かな。このペーパーのお値段は1万円、簡易版は3480円だそうです。お作りの如何様書類とすれば、結構高いかなが印象なのですが、本当の分析器具を用いた【鑑定書】なら、10万円はかかる筈なのです。でも、見栄えに騙されてしまう人がいるのです。絶対に信じてはいけません。疑って冷静に判断して下さいよ。勿論、静岡県牧之原市の、コイン屋名の【分析鑑定結果表(切手用)】なる物は本人作の偽物の証明書だと思っておいて良いでしょう。相手にしてはいけません。

at random

書きたい事や書かねばならない事は一杯有るのですが、それなりに準備や調整が必要な事案が多いのです。出来るだけ慎重に動きたいと思います。だから今回は、順不同で思いつくままでの羅列です。ターゲットの人物はブログを二つ持っています。ブログWTは、2008年10月スタート、ブログKCは2013年1月開始です。当初は真面目だし、大人し目だったのですが、何時しか本性を現して来ています。ノーガードで書いているので、まめな人が遡って探れば意外な情報が見て取れてしまいます。顔写真も出ていますが、年の頃は40前後、手先は器用で、その使い道を誤ってしまったのでしょう。かなり公共性の強い機関から、平成後半に事業資金の融資を受け、令和に入ってから、フラット35で高級住宅を新築しています。自称、美術作家だそうです。一連の偽造品の金銭的な被害額は確認できていませんが、ヤフオクはほんの入り口で、飛びつく上顧客を見つければ、仰々しい鑑定書付で売り込みにかかるのでしょう。被害額は空恐ろしい数字になりそうです。どう決着が付くのでしょうか。手彫切手のマーケットが壊れてしまう事を憂慮します。

悪事の方は、当初は古代の美術工芸品のレプリカを本物と謀かって売り、作製の容易さと利益の大きさに気づいて、皇朝銭の偽造に手を染め、今や手彫切手に入って来ているのでしょう。ブログに出ているし、同人が力の源としているご自慢の、2億円の計測機器も既にお里が知れています。大きい物で、所持しているのは、走査電子顕微鏡=(株)日立ハイテクノロジーズ TM3030、蛍光X線分析装置は、セイコーインスツル(株)のSEA2110です。何れも正規品を新品で買えば、数百万レベルですが、XRFの方は、中古品ならばヤフオクのデータで1万円で落ちていました。素人さん相手のコケ脅しの如何様【鑑定書】に添えるFakeのチャートは作れるかもしてませんが、民事裁判になれば一発で襤褸が出るでしょう。切手はミネラルモードで計るべきなのですが、合金が対象の金属モードの表を載せています。馬脚を現しているし、詳細を分析できる人にすれば、無意味な大チョンボ以上の意味もない物なのです。

思い立ったことが有ったので、ユキオスタンプさんにお願いして、古銭を2点借りて、弊社のXRFで分析したのです。小売値段が100円の寛永通宝と、かの御仁が、かつて流通させた皇朝銭(乾元大宝)の偽物です。古代の貨幣は銅がメインの合金なので、XRFでの分析は金属モードでやるのです。分析結果の数値は限りなく合計で100に近づきます。出現元素は圧倒的にCu=銅です。でも、時期によっては異物の割合や、銅の含有率も違っているはずです。乾元大宝は西暦958年からで、寛永通宝は1636年からなので、相当な差が出てくると思います。でも、計測結果は、極めて近似値と出たのです。古銭は私の専門では有りません。また突き詰める自信も有りません。本来なら、乾元大宝の本物と比べるべきなのですが、それは容易では有りません。あくまで見つけたデータを根拠にした推測ですが、寛永通宝を溶解し、後で作った乾元大宝の型に流し込んだ偽物かなと思うのです。この条件でなら、本物を基準にすれば、XRFの分析で見抜けるかも知れませんが、皇朝銭の本物の内の格安品か、傷物を材料にされたならお手上げになってしまいます。これ以上は、古銭界のプロにお任せいたしましょう。

4点のXRFのデータを並べます。①寛永通宝の分析=弊社のXRFを使用、②乾元大宝の偽物=弊社のXRFを使用、③寛永通宝と称する物の分析結果=ブログKCから引用、Cu=銅の比率が少なすぎるし、Pb=鉛が多すぎるため、古銭とすれば不自然です。Ti=チタン検出に依り、戦後の物と判断できます。④和桜30銭イ=静岡物を同人所有の機械で分析した物で【鑑定書の付属物】です。切手は紙であり、ミネラルモードで無いと正確なデータは取れません。結果を見る限り、金属モードでの分析であり、Ca=カルシュームが不検出故に、切手を分析した物で無く、何か合金製の物質(戦後の物)を切手のデータとして謀ってチャートを作っていると推測します。

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手彫銅板印刷

当ブログへの反応を沢山いただいています。中でもここに載せる情報は4人の方が送ってくれました。或る意味衝撃的な内容です。偽造手彫切手の製造者と目されている人物のブログにて、手彫銅板印刷の実際の作り方を載せているのです。流石に、手彫切手の偽物を作って大儲けしているとは書いていないのですが、それに近いスキルを保持していることは判ります。機械一式揃えるには、資金も能力も必要なのですが、それを持っているのでしょう。

ヤフオク!で彼の出品物、和桜6銭ハの未使用を買った人が、全日本郵趣連合の偽物の鑑定書付で返品したのです。本体の鑑定書には、当然ながら1行で、この切手は真正では有りませんの記載だけでした。でも、親切心からサイドペーパーに判定理由を書いた物を出したのです。あくまでも委員の私的な見解としての私信でのぺーパーをです。その内容は、図案の相違、紙の相違、目打の相違と共に、【凹版印刷では有りません】の表現も有りました。落札者が、このペーパーを出品者に送ったところ、強烈な反論が来たのです。根拠は、印刷が凹版だぞ、それすら分からない鑑定機関とは何なんだ・・みたいな調子だったそうです。本人が手彫凹版で作ったから、それを否定されて頭に来たのかも知れませんが、一連の偽物はもしかすれば、まさに凹版印刷その物の可能性が出てきたのです。このスキルを持っている相手と対峙するには、注意してかかれねばならないでしょう。

私の場合も、同人から買ったことが確定している手彫切手を数十枚預かっているのですが、トータルの出来の悪さからして、真偽の判断に迷う物は有りません。手にすれば幾つもの要素から容易に分類は可能です。ルーペー見て、色分解しないので、コピーやグラビヤ系の機械で無い事は判ります。そして話の流れと希望的観測込みで、凹版では有り得ないと思い込んでいる部分が有ったのです。凸版か平版か石販か、もっと原始的なやり方かな・・に思考が走ってしまうのです。でも今回のこの記事を読めば、奴は手彫凹版が出来るのだという事をインプットせねばならないでしょう。印刷の版式で凹版ではないから偽物だという思い込みでの断定は避けねばなりません。

緊急情報 ヤフオクですら対応の可能性が・・

XRFでの分析データでかなり詳しく書けるのですが、より優先度の高い情報が入りました。ヤフオクでの対応の可能性が出てきたのです。現時点で判っている情報を開示しておきます。かなりラフなメールなのですが、そのまま載せておきます。偽物を購入したことへのお見舞金が、実際に払われます。どの条件で実行されるのかは不明ですし、聞いてもヤフオクは返事をしないでしょう。『弊社の規定により適切に対処する・・個別の案件への返事はしない・・』ということでしょう。必要な証明書類が何か、金額制限が有るのか、申請すれば結論を貰えるのか・・等々詳細は不明ですが、兎も角そういうシステムが有る事は事実なので、該当者は申し出て欲しいと思います。現物の返品とかでなく、ヤフオクでの偽物購入に対する【慰謝料】のお支払なので、同じ出品者で続くなら、ヤフオクも利用停止とかの対応を取るでしょう。

もう1件は、ガイドライン違反の申告です。心あたりが有りの有る出品者の行為に対して、ヤフオクへ申告をして欲しいのです。同じ輩へ、複数の、深刻な事案が申告されたなら、ヤフオクですら動かざるを得ないでしょう。取りあえず、今できる事からやって、ヤフオクとメルカリへの件の出品者の出品を止めねばなりません。

この件に対して、公益財団法人や、郵趣家の組織、切手商組合が主体的に動くことは期待できません。意に反して、偽物を購入した方がご自分で動いて貰うしか無いのです。それをやってからもっと別の解決策を考えたいと思います。

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Prussian Blue

切手の顔料で代表的な物を説明いたします。手彫切手インクの顔料に関しての立派な論文が英語で書かれています。コレクターの荒木修喜先生他の研究の成果です。それを読みやすく和文化した物が、『手彫切手研究37号』に採録されていますので載せておきます。この論文をヒントにして、荒木先生と高野昇郎氏に私も協力して、和桜1銭・2銭の中間印刷の分類の為の顔料分析をやったのです。試料は100点位有るので、完璧に分析が出来る事が判りました。今回は詳しい説明を避けますが、一部の元素の有無と多寡で松田と政府が分類でき、中間は政府に含まれる事が実証・確認出来たのです。静岡のご仁の製品の分析に移ります。ここに載せております上記の論文で、竜文・竜銭・青一松田印刷に於いて、顔料はプルシアンブルーで有る事は確定しています。紙に起因するCa=カルシュームを除けば、最重要な元素はFe=鉄で有る事が明瞭です。そしてFeは、直ぐ後の和桜政府印刷の時でさえ、劇的に減少しているのです。ましてや恐らくは令和、早くとも平成末期の作業と思しき、静岡製の竜文・竜銭に於いては、一切姿を見せなくても当然なのですよ。勿論欠片も見出せませんでした。だから、偽物だと断定できるのです。法廷に出ても裁判長を理解させられる証拠だと思います。印刷時の原料なので紛れる要素は有りません。有るか無いかが問題なので、誤差とか測定時のエラーの可能性は排除出来るのです。

論文と共に、静岡製の竜切手①と同人の鑑定書の不思議な元素分析表②・その現物を弊社のXRFで分析した③・弊社所有の真正の竜切手④・それを弊社のXRFで分析した物⑤の順に載せておきます。Feの有無が、完璧な証明になると思います。図案に関しては、一瞥すれば特徴部は完全に真正品と一致しているように見えますが、細部では微妙な差異が見つかります。危険な出来栄えです。現物を手にすれば見慣れた人なら区別は可能ですが、画像だけでは見分けるのに苦労するやも知れません。

この手法は、他の種類の手彫切手でも使えます。例えば、赤色の場合のHg=水銀の有無とか、商業的な実用化が戦後であるTi=チタンの含有の有無等で偽物の摘発などを、説得力の有る理由を示して証明チャートが作れるのです。念の為に他額面でも作業を進めたいと思います。

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蛍光X線分析装置

事実の立証のポイントはXRF=蛍光X線分析装置だと思います。機械は嘘をつきませんので、裁判長を納得させられるはずです。静岡の人物の鑑定書に付いている計測機器の一覧ですが、彼は、総額2億円の機器を使っていると記しています。強ち大げさでは有りません。もし実際に持っているならばですが。紙の分析は私の分野では有りませんのでここでは触れません。でも、XRFでの元素分析は説得力を持って論ずることが出来るのです。弊社も1台持っていますから。それは彼のリストにある、Skyray Instrument Genuius 5000XRFその物です。今となれば、かなりの旧タイプですが十分目的を達する事が出来るのです。島津や堀場の1000万円クラスでは無いのですが、元素記号Al~Uまでは計れます。切手の元素分析には、これ1台で十分です。彼のように5台は要らないのです。もし揃えれば数千万掛かるし、何らのメリットも無いでしょう。彼のチャートを見てわかるのですが、弊社のそれとは違う機種です。最初は、機械その物を持っているかどうかも疑ったのですが、チャートの日付が最近なので、どれか1台は有るのでしょう。

XRFの導入の流れを書いて置きましょう。放射線が出るので、管理区域が必要です。ただそれば、何とでもなるのです。うるさくは有りません。でも設置の30日以上前に所轄の労働基準監督署に届けを出して、許可番号を貰います。それを業者に渡して設置が完了するのです。導入者は当然ながら素人です。ハードの設置と共に、分析ソフトの調整も業者にお願いするのです。その際対象物を聞かれます。切手の場合は、紙への印刷物なので、必然的にミネラルモードになるのです。大学や研究所等の同じ立場の人に聞いたのですが、皆例外なくミネラルモードでデータを取っています。静岡の人のそれは、金属モードで、銅を主体にした合金を計るのに適した設定です。切手は無理だと思います。これに関しては、後日解説いたします。

彼の書類を見て判るのですが、所轄の労基は島田です。そして許可番号は一つだけなのです。島田労基に某氏の設置状況を聞いたのですが、個人情報なので回答を拒否されました。裁判所の命令が無いと無理なのです。だから、弊社の所轄の大阪・天満の労基に聞いたのです。許可番号取得の条件をです。機械1台に付き一つです。同時に同じ物を複数台入れるのなら、同一番号も有り得るけれど、それ以外なら、5台持つなら番号は5つだと聞きました。だから、某氏が5台持ってることは有り得ないのです。1台所持は可能性が高いのですが、同時に切手を金属モードでやっているように見える事も気になるのです。当初の導入はメーカーからだとしても、サービスマンのアフターサービスを継続して受けて無いように見えるのです。もしかしたら、中古品をヤフオクとかのバッタ屋で買ったか、当初は別の物を計測するための買って、操作に関しての知識欠如に依り、ミネラルモードへの変更が出来ないのかと思うのです。

当然ながら、幾つもの不自然で不都合な事実が現れてきます。彼が鑑定書で絶対的な証明要素として謳っている、精度の高い分析データだとして発行しているチャートは、まやかし物だと簡単に証明できると思います。次回からは、このポイントで具体的に立証を始めます。